絵画芸術

オランダの画家フェルメール(ヨハネス・フェルメール Johannes Vermeer)についてご紹介するサイトです。複製絵画、フェルメール関連書籍など。
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絵画芸術 フェルメール

絵画芸術 フェルメール

The Art of Painting
制作年 1666〜1667年頃
この作品は単なるアトリエ風景の描写ではなく、「絵画芸術」そのものをテーマとした寓意画と見なされている。
月桂冠をかぶり、名声を象徴するトランペットと歴史を象徴する分厚い本を手にしているモデルの少女は、通説では歴史のミューズであるクリオであり、画家(フェルメール自身という説もある)は「歴史画」を描いている。
「歴史画」は、神話や古典文学など描く画家にも一定の教養と構想力が要求されることから、西洋においては「肖像画」「静物画」などの他のジャンルのよりもワンランク上の絵画と見なされていた。
天井から下がるシャンデリアには過去の支配者であるハプスブルク家の紋章(双頭の鷲)が表され、これらのモチーフは、フェルメールのカトリック信仰の表明とも見なされているが、画面中央にフェルメールの名前が刻まれていることから、
後世の見る目のない批評家、美術史家の解釈を含めた作品、それらを超える作品であると言える。

ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)

1632年〜1675年

フランドル派

ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)

1632年オランダ生まれのフランドル派ヨハネス・フェルメール。

彼の生涯作品は35点ほどであると言われており、極端に少ない。

彼ははじめ物語画家として出発したのち、風俗画家に転向。

彼の作品の特徴として挙げられるのが、「フェルメール・ブルー」といわれる青色絵の具を使っていること。

当時金と同じくらいの価格で取引されていたという鉱石ラピスラズリを原料とする貴重な絵の具を、数少ない生涯作品のうち、24点もの作品に使っていたという。

絶対王政時代の17世紀ヨーロッパ。オランダは王を戴かず、経済の力で大国になった。海洋貿易、軍事、科学技術で世界を牽引し、文化・芸術も大きく花開いた。

 

「他国では王侯貴族や教会の占有物だった絵画が、フェルメールの生きた十七世紀オランダでは庶民の家の壁にもふつうに飾られていました。

フランス印象派より二世紀も先に、庶民のための芸術が生まれていたのです」(あとがきより)

 

フェルメール、ハイデンの風景画からは市民の楽しげな暮らしが見て取れる。

レンブラント、ハルスの集団肖像画は自警団の誇りと豊かさを、

ロイスダールの風車画はオランダ人の開拓魂を、

バクハイゼンの帆船画は東インド会社の隆盛と経済繁栄を伝える。

ヤン・ブリューゲル二世はチューリップ・バブルに熱狂した意外な一面を描き、

ステーンが描く陽気な家族からは、人々の愉快な歌声まで聞こえる。

 

フェルメールが生きたのは、こんなにも熱気あふれる“奇跡の時代”だった。

人々は何に熱狂し、何と闘い、どれほど心豊かに生きたかーー15のテーマで立体的に浮かび上がる。

 

『怖い絵』著者・中野京子が贈る《名画×西洋史》新シリーズ誕生!

 

絵画40点フルカラー掲載。

 

2022年開催『ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展』で来日中の『窓辺で手紙を読む女』の修復前後の絵も収録(「手紙」の章)。

本書を読むと、美術展の楽しみも倍増です!