取り持ち女

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ヨハネス・フェルメール 作品を探す

取り持ち女

取り持ち女

制作年代:1656年
技法:カンヴァス、油彩
サイズ:140×130cm
所蔵:アルテ・マイスター絵画館

来歴:「取り持ち女」とは「やり手婆」などとも言い、売春婦と客との仲立ちをする女性のこと。この作品では左から2番目の人物がこれに当たる。その右にはワイングラスを手にした売春婦と金貨を手にした客がいる。画面左端にいるもう一人の人物(ワイングラスと弦楽器を持ち、鑑賞者に視線を向けて薄笑いしている)は、フェルメールの自画像とも言われるが、確証はない。フェルメールの義母(妻の母)マーリア・ティンスは、ディルク・ファン・バビューレン(1590 - 1624)という画家の描いた『取り持ち女』の絵を持っていた。バビューレンの『取り持ち女』は、フェルメールの他の作品、『合奏』と『ヴァージナルの前に座る女』に画中画として登場する。若き頃の作品であるため、本来奥行きのある作品だがまるで空間の整理が出来ていない。天才も人間味溢れる一人の人間であったことを感じさせる作品である。

ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)

1632年~1675年

フランドル派

ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)

1632年オランダ生まれのフランドル派ヨハネス・フェルメール。

彼の生涯作品は35点ほどであると言われており、極端に少ない。

彼ははじめ物語画家として出発したのち、風俗画家に転向。

彼の作品の特徴として挙げられるのが、「フェルメール・ブルー」といわれる青色絵の具を使っていること。

当時金と同じくらいの価格で取引されていたという鉱石ラピスラズリを原料とする貴重な絵の具を、数少ない生涯作品のうち、24点もの作品に使っていたという。

絶対王政時代の17世紀ヨーロッパ。オランダは王を戴かず、経済の力で大国になった。海洋貿易、軍事、科学技術で世界を牽引し、文化・芸術も大きく花開いた。

 

「他国では王侯貴族や教会の占有物だった絵画が、フェルメールの生きた十七世紀オランダでは庶民の家の壁にもふつうに飾られていました。

フランス印象派より二世紀も先に、庶民のための芸術が生まれていたのです」(あとがきより)

 

フェルメール、ハイデンの風景画からは市民の楽しげな暮らしが見て取れる。

レンブラント、ハルスの集団肖像画は自警団の誇りと豊かさを、

ロイスダールの風車画はオランダ人の開拓魂を、

バクハイゼンの帆船画は東インド会社の隆盛と経済繁栄を伝える。

ヤン・ブリューゲル二世はチューリップ・バブルに熱狂した意外な一面を描き、

ステーンが描く陽気な家族からは、人々の愉快な歌声まで聞こえる。

 

フェルメールが生きたのは、こんなにも熱気あふれる“奇跡の時代”だった。

人々は何に熱狂し、何と闘い、どれほど心豊かに生きたかーー15のテーマで立体的に浮かび上がる。

 

『怖い絵』著者・中野京子が贈る《名画×西洋史》新シリーズ誕生!

 

絵画40点フルカラー掲載。

 

2022年開催『ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展』で来日中の『窓辺で手紙を読む女』の修復前後の絵も収録(「手紙」の章)。

本書を読むと、美術展の楽しみも倍増です!