アイテム詳細
ジェネオン エンタテインメント
グループ:DVD
ランキング:2620
価格:¥ 4,242
発売日:2008-09-10
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レビュー(Amazon.co.jp)
1987年、チャウシェスク独裁政権下のルーマニア。そこでは中絶が重罪とされていたため、どうしても堕ろしたい女性は闇で実行するしかなかった…。ホテルの部屋で中絶手術を受けようとする大学生と、彼女を助ける寮のルームメイト。そのふたりの長い一日を描き、カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した力作だ。
本作の面白さは、単なる独裁政権への反発や、女同士の友情の物語ではないところ。妊娠した側の傲慢さ、助ける側の過剰なまでの献身、さらに男たちの身勝手さなどが、当時のルーマニアの社会状況を浮き彫りにしていき興味深い。長回しを多用した緊迫感溢れる映像も、それぞれの切羽詰まった状況にスリルを加味している。食事をしているだけのシーンにおいても、何気ない会話に病んだ社会への告発が潜んでいるのだ。そしてポイントには、生々しい映像が挿入され、背筋を凍らせる。ラストシーンからは、さまざまな疑問や感慨がもたらされるだろう。(斉藤博昭)
カスタマーレビュー ![]()
どうしようもないこと
(2008-11-13)
舞台は1986年のチャウシェスク政権末期のルーマニア
そのころルーマニアでは富国政策のため、避妊も中絶も禁止されていたそうだ
そんな状況のなか、妊娠してしまったルームメイト、ガビツァの違法中絶を助けるため奔走する主人公、オティリア。彼女の一日を描いた作品
身勝手で他人任せのガビツァ。オティリアの気持ちを考えず世間体を気にする恋人とその家族
オティリアは中絶費用の無いガビツァのかわりに金を集めた。それでもまだ足りない。医師は男だ。
ハリウッド映画と違い、ヨーロッパの映画は日常を描くのが上手いというか、生活、人間関係、会話の中の機微を表現するのがとても自然で卓越している。なんとかヌーベルバーグというらしい。まあ娯楽作品も一杯あるんだろうけど。
予告編では、新しいヒロインの誕生だと紹介されていたが、少し違う気がする。
オティリアがガビツァのために金の工面をし、助け、「最後」の面倒までみたのはどういった感情からなのだろう
友情、献身、それもあるだろう。オティリアはそうするほかに方法がないという状況のなか、行動する。
この映画は誰にも判断することができないこの感情を見事に表現した傑作だ
結末近くの衝撃的な映像は衝撃的ながらもムンジウ監督の見事な演出とアナマリア・マリンカの演技で、この映画を特別なものにしている
ムンジウ監督の今後に期待する
そしてオティリア役のアナマリア・マリンカの演技はこの映画の意図を見事に表現した素晴らしいものであった
今後の彼女にも期待したいですね
オティリアに出来る事
(2008-10-15)
ガビツァの堕胎計画の詰めの甘さにイライラし、自分達の出来る事の少なさの中で奔走するオティリアに、胸がつまりました。
自分達がいかに危ういセックスをしていたか、それがどういうことかを実感して、恋人に詰め寄るオティリア。根拠もなく自分達は大丈夫だと言い、その場を逃れることしか考えていない恋人。「自分が妊娠したときは、あなたではなくガビツァに手伝ってもらう」とオティリアが恋人に言い放ったのが印象的でした。それはガビツァが信頼できるからではなく、ガビツァが女だからではないでしょうか。
始終ハラハラしっぱなしで、計画が成功しますようにと願いながら見るのですが、終わってみると、堕胎はできたものの、オティリアは精神的に傷だらけだろうし、これから考えることはいっぱいあるしで、ラストシーンの二人の様子と共に、重いものが残ります。
秀逸な問題作
(2008-10-10)
これは倫理的にも社会的にもかなりの問題作です。
なんの予備知識もなくタイトルの意味も知らずに観ました。
序盤はなんだか退屈そうなストーリーだなと感じましたが、
中盤からグイグイ引きこまれてしまいました。
パルムドール受賞作品だそうですが、それも頷ける力作です!
やはり目に付くのはガビツァのふてぶてしさですね。
憎らしくなるほどの他力本願ぶり。
ルームメイトのオティリアの献身ぶりと惨めさがひしひしと伝わってきます。
国・人・命の在り方etc.とても考えさせられる秀作です。
オティリアは何を得たのか?
(2008-09-14)
主人公・オティリアは、友人・ガビツァを中絶させるために孤軍奮闘します。なのに、ガビツァときたら、自分では何もせずオティリア任せ。胎児の処分もそこそこに、腹が減ったと、レストランでタバコをふかし、牛や豚の臓物を食べるという厚かましさです。また他の登場人物も皆、自己中心的です。結果的には良かったのかも知れませんが、オティリアは恋人とも別れ、この友人のために何を得たと言うのでしょうか?と言うよりも、ガビツァを友人と呼ぶべきではないと思いました。
ただ、当時の政治経済情勢を語るシーンが皆無に等しいため、ルーマニアで中絶する事の危険性が伝わってこない事や、学生寮やホテルのシーンを見る限りでは、意外と国民生活は豊かだったのでは?と感じさせられます。
本来は星3つですが、オリティァ役のアナマリア・マリンカが大変美人である事と、特典映像にある本編ではカットされた、ガビツァと父親の会話シーンがよく出来ていたので、星4つとしました。
困った時はお互いさま
(2008-07-26)
この映画を見た欧米人と我々日本人とでは感じ方がそれぞれ違うのではないかという気がふとした。のぞまない子供を妊娠してしまった友人ガビツァの中絶を助けるために奔走するけなげな女の子オティリアのお話は、「困ったときはお互い助け合おうよ」という一昔前の日本だったら当り前(?)の相互扶助精神を素直に描いた作品だからだ。
中絶場所を確保するために官僚的なホテル従業員と折衝したり、手術費用を補うためにもぐりの医者に我が身を捧げたり、肉の塊のような堕胎した赤ちゃんを友人の代わりに決死の覚悟で捨てに行ったり・・・・。個人主義の発達した欧米人が見れば、「なんでそこまでしてあげなきゃならんの」という疑問をきっと抱くにちがいない。しかも、労働力確保のため避妊も中絶も許されていなかったチャウシェスク政権末期の貧しいルーマニアにおいてである。
オティリア以外の登場人物たち(中絶施術を受けたガビツァ本人、SEXのことしか考えていない大学のボーイフレンドや医者、内輪話に花を咲かせるボーイフレンドの家族、官僚的に接するヤル気のないホテルの従業員)は、他人の困惑などはおかまいなしで自分のことしか考えていない。それでも友人の面倒を最後まで見ようとするオティリアを通して、監督は観客に何を伝えようとしたのだろう。
相手の弱みにつけ込んで少しでも有利に立とうとするアメリカ的競争原理にならされてしまった人にとってこの映画はあまり心に響かないかもしれないが、戦後まもない頃の日本だったらこういう光景がそこらじゅうで見れた(さすがに身体を差し出すまではしなかったと思うが)はずであり、そうだとすれば豊かさの代わりにいつのまにか日本人が失ってしまったものを、この映画は描いてくれているのかもしれない。

