アイテム詳細
東映ビデオ
グループ:DVD
ランキング:15998
価格:¥ 4,725
発売日:2006-11-21
通常24時間以内に発送
このページのURLは
http://clubks.com/ksamazon/asin/DVD/B000GPPL3U/
この商品を買った人はこんな商品も買っています。
カスタマーレビュー ![]()
なんという悲劇、あまりに悲劇的な
(2008-02-17)
昭和のはじめの頃のお話。東京一帯に勢力を誇る天竜一家の親分が脳溢血で倒れ、再起不能の身となる。そこで跡目相続になるのだが、序列ナンバー1にして一番の人格者でもある鶴田浩二はもともとは大阪からの流れ者であるので、固辞。ナンバー2で功労者の若山富三郎は刑務所にいるので、権利ナシ。そこで長老連の押しもあって、無難なナンバー3の名和宏に決定するのだが、そこから悲劇が始まる。刑務所から出た若山がそれに納得するはずもなく、話はドンドンこじれてゆく。鶴田の必死の説得でいったんは納得するが、今度は若山の子分が暴走して組に叛旗を翻す形になる、という具合に本人たちの意思に反して悲劇はドンドン拡大してラストで恐るべきピークを迎える。
跡目争いに否応なしに巻き込まれる三人がドンピシャリのハマリ役。とくに鶴田の抑えに抑える我慢の演技は出色の出来。それに加え、藤純子、金子信雄、桜町弘子、そして三上真一郎らの重要なワキ役が何れも好演。山下演出も手堅い。しかし本作を究極的な名作にしているのはもちろん笠原和夫のシナリオに他ならない。これでもか、これでもかと押し寄せる悲劇の荒波はまるでシェイクスピア悲劇を、そしてラストに向かって一直線に盛り上がるエネルギーはラヴェルの「ボレロ」を想わせる。
個人的には本作に「仁義なき戦い/広島死闘篇」と「県警対組織暴力」を加えて笠原のやくざ映画シナリオベスト3としたい。この3本を続けて観ると、背筋がシャッキリとして、なぜか心が洗われるやうな清々しい気持ちになるので、皆さん是非お試しあれ(笑)。60年代からの映画不況のなかで東映が生き残ることができたのは、任侠路線と実録路線がヒットしたためであり、それらを支えた中心的な脚本家が笠原である。もともとわが国では脚本家の評価が低いのだが、今後彼の再評価が高まることを切に希望してやまない。必見です。
究極の日本映画
(2007-10-25)
日本映画史上最高の名優・鶴田の最高傑作。
三島由紀夫は鶴田の演技を「鶴田の我慢」と呼んで絶賛し、代表作として本作と「飛車角と吉良常」をあげていた。(因みに返す刀で高倉健を木偶の坊呼ばわりしている)
正に究極の様式美の世界。
着流し番傘で雨の中を亡き妻の墓参りに来た鶴田の足元で、「俺を殺してくれぇ」と泣き崩れる若山富三郎の子分に「馬鹿野郎」と小さくいい残し、傘を子分に残して濡れそぼりながら立ち去っていく鶴田の後姿・・・
日本映画の美もここに極まれり、と云うしかない。
しかし鶴田浩二と云う役者は・・・すばらしいと云う言葉も陳腐に聞こえる役者の中の役者。岸恵子や佐久間良子と云ったトップ・スターがぞっこんになった訳も良くわかる。男だって惚れますよ、この人には・・・
言うまでもなく、東映任侠映画の最高傑作、必見!
(2007-01-21)
他のレビュアー諸氏と全く同感。言うまでもなく、その格調高い様式美とギリシャ悲劇と見間違う如くの悲壮美の中で繰りひろげられる男気と面子、筋道に命を張った男たちの、激しくも儚い情念の世界を見事に描いた東映任侠映画の最高傑作。こちらの予想をことごとく覆す展開、主人公により厳しい試練と苦悩を与え続けた笠原和夫による名脚本が秀逸、しかも、任侠道に遵じ、散っていく者たちを、思い入れ過多に描きつつも、決して完全に美化することなく、藤純子に「ひと殺し」と嘆かせ、鶴田浩二に「俺はただのケチなひと殺しだ」と叫ばせる。ラスト、全てを終わらせ、刑を受ける中井に対して、裁判官が読み上げる判決文の中身は強烈だ。頑なに守ろうと命を張った任侠道が、一般社会では“博徒同志の私怨”で片付けられてしまうことの儚さと虚しさを瞬時に感じさせて、凄い。
恐るべき傑作
(2006-12-03)
素晴らしすぎて腰がぬけます。
これはヤクザ映画ではありません。任侠映画でもありません。
歌舞伎に近い構成でこれを国立劇場でやってもなんら問題はなかろうかと思われます。
一直線にスパイラルにむかう悲劇ドラマです。みていまして歌舞伎のいくつかの内容を想起してしまいます。
鶴田浩二、藤純子、隙のない厚みに満ちた演技をみせます。ちらっと落とす涙など注意してね。
金子信雄さん、若山富親分などもうーん。最近こういう役者さんてみないなぁ、と。
「ハイヌーン」や「ダーティハリー」のように信じていた価値観と訣別せざろう得なくなった
どうしようもない惜別感が漂う終末に涙はとまらなくなるあなたはきっと正しいでしょう。
ぜひこの年末年始に観ましょう。
一分の隙もなし
(2006-11-26)
東映任侠映画の粋を結集したような名作中の名作。三島由紀夫も絶賛したのは余りにも有名。
東映の任侠映画は星の数ほど作られたが,この作品が任侠映画の最高峰と評価される最大の要因は,名脚本家の笠原和夫による,一分の隙も無い練りに練られた構成による脚本である。これでもかと幾重にも重なった任侠道,渡世,義理,人情,愛,人間関係,男の意地の悲劇の物語を描き切った筆力は改めて感服する。
この一分の隙も無い脚本を,山下耕作監督の格調高い演出でスクリーンに悲劇の華を咲かす。
そして,鶴田浩二(耐える姿は最高),若山富三郎,名和宏(仁義なき戦い・広島死闘編の親分役に並ぶ名演),藤純子,桜町弘子(これも一世一代の名演),金子信雄など,これ以上ない演技で,東映の底力を見せ付ける。
名シーン,名台詞も多いが,これほど緊張感が持続して画面に釘付けになる作品もないと思う。

