アイテム詳細
ハピネット・ピクチャーズ
グループ:DVD
ランキング:49213
価格:¥ 4,935
発売日:2004-08-27
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レビュー(Amazon.co.jp)
???1945年、夏。満州から引き上げてきた中学3年の日高康男(柄本佑)は空襲のショックで病となり、祖父(原田芳雄)の住む霧島で療養生活を送っていた。敗戦の影が静かに忍び寄る8月、日高家をはじめ、周囲の人々の生き様も少しずつ変化していく中、日々罪悪感を募らせる康男は、空襲で爆死した沖縄出身の親友の妹に会いに行くが…。
?『竜馬暗殺』『TOMORROW 明日』などで知られる名匠・黒木和雄監督が自らの青春時代をモチーフに描いた戦時下人間ドラマの傑作。霧島を舞台に、終戦間際の人々が織り成す集団劇という構図をとりながら、戦争の狂気が静かに淡々と、しかし次第に濃密に奏でられていき、やがては神と人の関係性や、その中で思春期を迎えた少年の狂騒までもがしかと捉えられていく。日本映画界の底力を否応なしに見せ付けられる見事な“映画”である。2003年度キネマ旬報ベスト・テン第1位。また、柄本明の実子でもある主演の柄本佑は、本作でその年の新人賞を総なめした。(的田也寸志)
カスタマーレビュー ![]()
暑い夏の日 日本は負けました
(2007-10-06)
美しいキリシマの夏を舞台に
戦争のありようと人の生き方を描く。
淡々とした静かな美しい霧島を描くことで
そんな土地にも、色濃くせまる戦争の姿を描く。
そして、住む人々の変化する心のありようを描く。
人の世は移れど・・ 霧島は美しい
キリシマが隠した戦争のトラウマ
(2007-05-15)
本作品は、故・黒木和雄監督青年期の実体験が元になって作られている。(DVDには黒木監督と本作品をテーマにしたドキュメンタリー番組が収録されている)
この映画の登場人物たちはみな戦争のトラウマに悩まされている。空爆の直撃を受けた友人を見捨てたことに悩み続ける主人公日高康夫、康夫の祖父・重徳(原田芳雄)もまたロシア革命の白軍を見捨てて帰還した過去を持っている。戦死した夫の仏前で、米軍本土侵攻を食い止めるべく派遣された兵卒の一人(香川照之)と情事を繰り返すイネ(石田えり)や、自分を幽霊と語る戦地で片足を失って帰還した秀行(寺島進)もまた、戦争のトラウマに悩む重症患者だ。
米軍の侵攻を受けた沖縄(本土にとってのトラウマ)の惨状が美しいキリシマによって隠されているように、登場人物を苦しめる残酷な戦禍のシーンは、本作品の中で直接描かれることはない。自分をキリストになぞる主人公や、入水自殺を図るイネなどの会話や行動から、観客はトラウマの原因を推察するしかないが、その悲しみの深さはスクリーンから痛いほど伝わってくる。
ラジオから玉音放送が流れる中、秀行が帰還してから晴れ続けていたキリシマに久々の雨が降る。それは、戦地で玉砕を続ける兵士たちを慮って張り詰めていたカラカラの空気に、人間らしい<湿り気>をもたらしたのかもしれない。ラスト米兵が空に向けて放った銃声によって、宮崎えびの市空爆から半世紀以上を経てようやく映画化できるほどに回復した黒木監督のトラウマがほんの少しでも癒されればと、観客はただ祈ることしかできないのである。
しっとりする。時代考証のよく出来た映画と思います。
(2006-10-10)
崎県の霧島が舞台の戦時中の人間ドラマ。主人公の少年は空襲による親友の爆死を目の当たりに。以後当地で療養生活に入る。。
戦中戦後の自然な姿を描いたものと思われる。地主と小作人の関係など時代考証もよくできており、死のシーンが無いにも関わらず恐ろしいものがある。日本的な映画で、スクリーンの画像も綺麗。しっとりする映画。こんな邦画は久しぶりだった。
掛け値なしの、愛国心
(2006-08-07)
よくぞここまで、完成度の高い、緻密で美しい映画を撮ったものだ、と感心させられる。さすがに、長いキャリア、経験のある監督らしく、すべてのシーンの一つ一つを、まるでフィルムに刻み込むかのように、丁寧に仕上げられていると思う。現在、ここまで映画を撮りきれる映画監督が、日本にいったい何人いるだろうか。時代に流され、コマーシャリズムに流される輩ばかりである。
この映画は、過去を否定するだけの、たんなる反戦映画だとは思えない。しいていえば、過去のすべてを許し去ろうとする、肯定の映画だと思う。だからこそ、よけい悲しさ、いとおしさを感じるのだ。過去に生きた人々、過去の兵隊たち、そして生まれかわる以前のこの国に対して。
この映画をみて、もし愛国心というものが心のなかに芽生えるとしたら、それは、ほんとうの意味での、掛け値なしの愛国心だと思う。
(以前の印象で星2つとなってるが、現在は星5つだと思っています。)
心に響く反戦映画
(2006-03-11)
キネマ旬報ベストワン。地主に支配されている農村の中で、庶民がそれぞれの立場で生きている。そして戦争と言う極限状況の中で、人間の強さ、弱さ、もろさ、醜さ、美しさが実に丁寧に情感豊かに描かれている。
戦争についていけない人間を描くことで、心に響く反戦映画になっている。康夫(柄本佑)が療養生活を送りながら、なつ(小田エリカ)に思いを寄せる。雨の中、素直になれなかった康夫の行動は、思春期の不安定さだけでは説明しきれない農村社会の階級社会の封建制を感じる。祖父(原田芳雄)と関係があったお手伝いさんのはる(中島ひろ子)が自分の気持ちとは全然別のところで嫁ぎ先を決められるが、戦地で足が不自由になってしまった秀行(寺島進)との出会いが、この先生活の苦労はあるだろうがきっと2人は幸せになってくれる、と希望の光を見せてくれる。貧しい小作人で戦争未亡人の石田えりとそこに入り浸る兵隊(香川照之)はハマリ役同士なのだが、香川照之のいやらしさ、狡さ、小心さの表現が見事なのに対して、石田えりの後半の女の強さを主張していく部分は多少のムリっぽさを感じさせた。終戦後、農地改革で階級社会は徐々になくなっていくが、ここは象徴的な場面にはならなかった。それよりもなつ(小田エリカ)の康夫(柄本佑)に対する平手打ちに新しい時代の到来を予感した。
素晴らしい風景描写、終戦一週間に絞った時代設定、各俳優陣の見事な存在感などなど。名作です。

