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新潮社
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指揮官の決断―八甲田山死の雪中行軍に学ぶリーダーシップ (中経の文庫)
指揮官の決断―八甲田山死の雪中行軍に学ぶ極限のリーダーシップ
カスタマーレビュー ![]()
雪の恐さを知った
(2008-11-18)
日露戦争前夜の、実験的な山岳雪中行軍。
徳島大尉率いる第31連隊は南から、神田大尉率いる第5連帯は北から、八甲田山に踏み込んでいきます。
対ロシアに対する研究の必要性、連隊の競争を煽る上層部の思惑、上司の行軍計画への不理解、軍隊における士族と平民出の違い、大寒波という異常気象、など、様々な要素が重なって重なっておきた悲劇です。
第5連隊の隊員たちが雪に埋もれたなかで、発狂していく様子は、ずっしりと重く衝撃的でした。
第5連隊の失敗と、第31連隊の成功。
悲劇の一義的な人的責任はやはり、連隊の競争を煽った上層部と、山口少佐にあると思います。
ただ、いささか後付け的な考えではありますが、犠牲を出した結果が、後の日露戦争の雪中行軍の経験に生きて戦争中そのために命が助かったという人もいるわけで、そう思うといくらかは救われるものもあります。
どちらの隊においても雪の八甲田山に挑んだすべての人を称えたくなります。
文章がすごい
(2008-04-19)
隊を率いる者の判断が、人命を左右する
ということが描かれています。
この本のなかではまた、気象の変化が描かれていますが
表現が的確で目に見えるようです。
寒さが隊員を襲う様子もリアルで
こちらにまで痛みが伝わってきます。
気象に造詣が深い著者ならではだと思います。
?凄?ま?じさ??
(2008-02-29)
極寒の?状態での?人間の生態、??軍隊という構図、総合的に立派な???ホラーストーリーとなりえる歴史?が?日本にあったという?事実を知り得た。?エピローグがもの悲しい。?
ビジネススクールの定番☆
(2007-10-23)
物語は日露戦争直前における2人の指揮官のあり方。ほぼノンフィクションです。
1人はエリート出身、1人は現場の叩き上げ。そして終末はどちらかがほぼ全滅してしまう。
物語としても非常に面白いが、経営戦略としても非常に興味深い。
極限状態にある組織と人間
(2007-03-31)
長年にわたる気象庁勤務と、登山家としての経験を持つ著者の新田次郎氏。
「強力伝」「富士山頂」など、山と人間の極限のせめぎあいを数多く描いてきたその筆力は、
この作品でもいかんなく発揮されている。
明治35年、目前に迫った日露戦争。ロシアの陸奥湾封鎖の想定のもと、八甲田山雪中行軍は行われた。
咆哮する風の音、重く沈む灰色の空と雪煙、骨まで凍らすような寒気。
小説を読み進めるうちに、第三十一聯隊および五聯隊の隊士たちとともに、
読者も白魔の世界に引きずり込まれるかのような迫力がある。
雪中の死の彷徨、あるものは発狂し、あるものは眠るように倒れ、追い詰められてゆく第五聯隊の極限の状況が、
背筋にジンと来るような緊張感を持って迫ってくる。
事実を元にした作品であるから、全体に記録文学的な筆致で構成されているが、完全な実録ではないことは知っておきたい。
士官の名は実名を窺わせながらも変更されているし、所々潤色も見られる。
実名と仮名が併記される場面などでは、やや読者を混乱させる面もある。
しかし新田氏の本作における目的は、事件を完全なドキュメンタリーに再現することではなかったはずだ。
本作で新田氏は、極限状態の中にある「組織」というものに注目している。
すなわち三十一聯隊と五聯隊の明暗や、死後も失われなかった序列である。
階級の差はそのまま死傷率の差、または祭祀料の差という、冷徹なまでの数字になって表れていた。
国家とは、組織とは、軍とは、戦争とは、人間とは、命とは何か。
この八甲田山死の彷徨を通じて、新田氏は読者に問いかけている。

