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白水社
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残酷演劇とは。
(2007-08-23)
アルトーが、「演劇人」として一般的に受け入れられるようになった本書は、一言で言うと難解すぎる。この原因は、翻訳にあるのでは、と思い英文を読んだけれども、それも原書の訳でしかなく、まったく分からなかった。この難解さは、「残酷演劇」を実践するときの矛盾でもあるように思える。つまり、「残酷演劇」を忠実に実践しようとすると、その演劇が瓦解するということである。だから、「残酷演劇」は、それが上演されないということで存在するものであるということだ。「残酷演劇」は、思考と身体との分離を基礎として構築されたのだろうか。
アルトーの主著ともいうべき本書を、正面から取り上げたものは少ないように思える。デリダやドゥルーズは、アルトーの晩年のノートを中心にしているし、「思考の不可能性」は、リヴィエールとの往復書簡が詳しい。シュルレアリスムでのアルトーは、ブルトンとの関係で語られる。したがって、読むたびに、この「残酷演劇」という思想は、あまり触らないほうがいいのでは、という不安にかられてしまう。
著作集3巻には、「演劇論」として、一連の残酷演劇を実践したと思われる「アルフレッド・ジャリ劇場」関連の文章があるので、あわせて読むと理解が進むと思う。

