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日本文芸社
グループ:Book
ランキング:-
価格:¥ 580
発売日:2008-08-20
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カスタマーレビュー ![]()
ロンリー
(2008-11-01)
中釜や盛岡の台詞が雑誌掲載時と変わっているようだ。雑誌では、菊多が二人の消化器官に異物を埋め込むんじゃないかというくらい、「彼」への失望発言を繰り返していた気がする。陽一の五郎を異常に賛美する(普段は友達と話すように会話するなど、年代を超えた仲の良さが強調されていた)台詞も、少し変えてもよかったかもしれない。
自分の感情を抜きにしても、「彼」には目茶苦茶に傷付いても、十分に休養をとってから北岡と交替で戦ってもらいたかった。嶺岸作品独特の強さの条件(額が後退している・うまそうに煙草を吸う・悪質な毒を持っている・状況をわきまえずポケットに手を突っ込んで移動する回数が多いなど)を破って欲しかった。小品で終わったが同じ作者コンビの手による「鉄砲」(「注蓮木 賢」は来賀さんの別名)のように。今の打ち手達が作者のお気に入りで人気も高くても、「彼」や瞬(大阪の経験で今度こそ自分を見つめ直してくれることを期待する)をお気に入りにしている人ももちろんいるのだから。
思えば渋谷戦の発端はポケットに手を入れて移動する癖のある二人が、ぶつかり合ったこと。もちろん、これ以外にも要因はあったが、菊多に対戦を譲るようにして去っていった「彼」は、手を出していた。「彼」は瞬に敗れた時も手は突っ込んではいなかった。発端の一つとなった一人は、戸惑いと有頂天とを繰り返している。この人が負けても、もう一人は図に乗る一方で終わりそうだ。これ以上次の対戦のために誰かが犠牲になるのはやむを得ないとしても、散々な思いをするのは見たくない。この対戦に納得の行く終わり方はあるのか。そして、「彼」の退場後、崩れた基盤は果たして戻るのだろうか。

