アイテム詳細
幻冬舎
グループ:Book
ランキング:40328
価格:¥ 720
発売日:2008-06
通常24時間以内に発送
このページのURLは
http://clubks.com/ksamazon/asin/Books/4344411552/
この商品を買った人はこんな商品も買っています。
カスタマーレビュー ![]()
刑事の捜査情報を逆手にとる主人公の鋭い推察力―読み応えある長編作品!
(2008-10-26)
サスペンスの長編作品を読むことの魅力の1つは、結末が容易に分からないということだろう。そこに辿り着くまでに数々の頁を読むべく、読者はそれなりの努力を払わないといけない。だからこそ、読了したあとの充実感に浸ることができるのだ。本書は、著者である天野節子氏(1946年生まれ)のなんとデビュー作。内容やみずみずしい文体からしてまだ若い書き手なのかと思ったが、実際は違った。今後も注目すべき作家の一人になるであろう。こんな傑作品を書いたのだから。
たまたま二夜連続で放送されたテレビドラマ(米倉涼子主演)も好印象で、原作も併せて読んでみたかった。500頁近い分量ではあったが、読み耽ることができたのは、本書の躍動感に富んだ展開構成の素晴らしさと、最終的な到達点がドラマとどう異なっているのかを確かめたいという一心で、本書と向きあったからだろう。確かに異なっていた、それも大きく。本書の終末は私にはやや意外であり、やや残念でもあった。冷静な頭脳をフルに駆使して、刑事の捜査情報を自らの立場に有利にさせる主人公・瀬野恭子(米倉役)の<巧みさ>は圧巻だった。戸田刑事の地道な捜査かつ「刑事の直感」を頑なに信じる強さにもそれなりのインパクトを覚えるが、やはり役者としての格は恭子のほうが一枚上だったに違いない。それならば、その姿勢を最後まで貫徹させてほしかったと願うのは私だけであろうか。この点では余韻を残すドラマのエンディングのほうがしっくりした。
ドラマと原作の違いも顕著だが、今回はどちらも楽しめた。犯人の「殺害動機が弱い」という意見もあるが、著者自身が、「通常の人間ならば多少の理解に苦しむ弱い動機」に基づく犯行を当初から想定していたとしたら、特に違和感はないだろう。「動機」の捉え方も多様である。頭の切れる女性はとにかく手強いことを痛感させられる、本格的な長編サスペンスであった。読み応えある作品をどうぞ。
ストーリーはなかなか面白い
(2008-09-25)
氷のように冷たく美しいセレブ女性が、あるきっかけで殺人を犯してしまう。頭の回転が速いため裁判も巧みに乗り切り逃げ切れそうだったのだが、最後にドジを踏んでしまい・・・。惜しいと思うのは、主人公の完璧なイメージを最後まで崩してほしくなかったかな。(逆に最後の悲劇が良いという意見もありそうで、好みの問題かもしれないけど)
デビュー作でこれだけの作品が書けるのは凄いのでは。どんでん返しもあるし(すっかりダマされた(笑))。ただ、何かを深く掘り下げるという感じではない。娯楽小説としてはそこそこ楽しめます。
う〜ん…
(2008-09-22)
スゴイ展開だ!的な書店のポップで惹かれて購入。 読んでみたが… そんなに言う程の驚きの展開ではなかった。 多少二転三転する展開に驚きはあるが、 トリック自体もありきたりな気がするし、 登場人物の描写が弱いせいか、恭子が犯行に至る動機、犯行に至らせた第三者の動機、恭子にこだわる刑事の気持ち…もろもろに説得力がないように感じた。
この手のミステリーは大どんでん返しがないならその分、人間の細かい心理状態で読ませてほしかったかな…
これじゃ火サスじゃない…?ちょっと残念。
実に惜しい!
(2008-09-20)
ドラマを見たあとで読んだのでネタバレ感があって楽しめないのではと思いましたが、設定がだいぶ違っていて、特にエンディングはまったく異なり、楽しめました。
この小説、一言で言えば、「トリックの博覧会」のようです。
次々に現れるトリックは、どれもミステリーファンなら思いつきそうなものばかりなのに、ありきたりのピースを巧みに組み合わせることで、完成したらこんな絵になったのかと驚かされるジグソーパズルのようです。
実に複雑な構成になっているものですから、事前の想像以上におもしろい作品でした。
隙のないストーリー展開は宮部みゆきをも凌ぐのではないかと思われましたが、宮部みゆきにはあって、天野節子には決定的に足りないものがあります。
それは社会性です。じつに良く構成されていながら、内容そのものに厚みが感じられないのはそのためでしょう。
個性的な登場人物を多数配していながら、生活感や社会性に乏しいことです。(ドラマではその部分が多少補われていました)
それがどのような形であれ、文学作品として重要な要素である社会性がないと、ただの読み捨て娯楽小説になってしまいます。
小説が古典として残っていくためには、その時代に応じた状況描写が絶対に必要だと思うのですが、この作者にはどうやらそういった意識はない、あるいは必要ないと思っているようです。
ま、それがいけないというわけではありませんし、松本清張や帚木蓬生のような社会派だけが良いと言っているのでもありません。いわば、物語の隠し味、スパイス的な意味ですから、誤解のないように。
もう一つ言えば、犯罪の動機が憶測に偏りすぎていて、現実味に欠けています。ドラマではその部分が補われていて、説得力がありました。
表現力や才能はある作者だと思われるので、実にもったいないはなしです。
もう一息、実に惜しい!
62歳(筆者と同い年)ともなれば、これから自分の足りない部分に気付き補っていくことは大変だと思います。しかし、まだまだ人生には余裕があります。次回作に期待しましょう。
単なる娯楽小説と見るならば、『氷の華』は最高傑作です。
最後まで一気に読ませる力のある作品だと思います。でも、殺人を犯す動機が弱いかな。
(2008-09-16)
主人公の瀬野恭子さんは、両親の残してくれた大きな家に住み、金銭的にも精神的にも何不自由ない暮らしをしている。叔父も亡くなり、彼女には会社の大株主にもなれる。夫に愛人がいても、「お幸せに」といって、旦那を追い出し自分は贅沢三昧にいきることもできる。。愛人の妊娠を聞いて、プライドを傷つけられ、激高して殺人を犯したということになっているけれど、恭子がそれほど子供を欲しかったという記述もあまりない。彼女ほどの頭の好い女性なら、自分に得な生き方を選ぶとおもうけれど・・・。

