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文藝春秋
グループ:Book
ランキング:108188
価格:¥ 460
発売日:2004-03-12
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カスタマーレビュー ![]()
現在の行政にも、生きてます。
(2008-07-04)
昨年、友人と三陸を旅した。本来の目的は「宮古湾新選組ツアー」だったのだが、宿を「グリーンピア田老」にとった。
田老駅から宿までの間、「津波時避難路」という大きな看板と矢印が目につき、海岸沿いでもないのに堤防があったりする。ふっと大昔に読んですっかり忘れていた、この作品の題名が頭に浮かんだ。あれってここが舞台なのか。地元のタクシーの運転手さんは、元来無口なのか謙虚なのか、尋ねても「はい」とか「ええ」とかいう返事しか返ってこなかったけれど。
実際に有効なのかどうかはともかく、堤防や避難路看板など、昔の出来事の記憶が今の行政にも確実に受け継がれているのを見るのは、失礼を承知で言えば、とても興味深かった。日程がゆったりしていたら役場で話を聞きたかった。
これを読んだ後に三陸を訪れる方、通り過ぎるだけでも実感できて、いいですよ。
古老の教え
(2006-12-02)
古来、村の古老の教えに間違いは無いと言われてきた。長年の経験に基づく智恵は頼りになると信じられてきた。
しかし、この本を読むとそれが偽りであることがわかる。「津波は冬の晴れた日は来ない」との古老の言葉を信じて死んでいった数万人の人々、その他諸々の言い伝えに騙されて死んでいった無数の人々の叫びがこの本には凝縮している。
著者の主観を排した冷静な視点から書かれたこのドキュメンタリーは読者のこれからの人生の導きともなるかもしれない。自分のカンを信じて他人の雑音を排して突き進もう。
津波被害のミニマム化を図るための「虎の巻」
(2005-09-21)
本書は当初中公新書の一冊として一九七〇年に『海の壁−三陸海岸大津波』というタイトルのもとで刊行された。その後改題され『三陸海岸大津波』として中公文庫の一冊として一九八四年に文庫本化された。更に、二度目の文庫本化として二〇〇四年三月に文春文庫として刊行された。そして、その後まもなく起きたスマトラ沖地震と津波・・・。
タイトルが示すように、本書は東北地方の東海岸、青森県・岩手・宮城三県にわたり続く三陸海岸を襲った津波に関する詳細なルポタージュである。
明治以降、三陸海岸は三度の大津波に襲われた。
一、一八九六年(明治二十九年)六月十五日 死者二六三六〇人
二、一九三三年(昭和八年)三月三日 死者二九九五名
三、一九六〇年(昭和三十五年)五月二十一日 死者一〇五名
著者は三陸地方が気に入り何度か旅した。いつの頃からか、かつてこの地を襲った津波について深い関心を持ち、文献を集め、体験者から話を聞き本書を練り上げた。自然災害と人間との壮絶な戦い。本書は、「どうすれば人間が勝てるか」という難問に対して”解”を提供している。スマトラ沖地震発生後暫くして、都心の新刊書店から本書の在庫が消えた。そんなインパクトのある一冊である。俗な表現であるが、本書は、津波被害のミニマム化を図るための「虎の巻」であるといえよう。
スマトラ沖津波を踏まえて
(2005-05-06)
これを読んだのは2005年5月である。
30万人の死者を出した2004年12月のスマトラ沖地震による大津波の実態、特に各種の映像を見た後であるので この本に出てくる津波の恐ろしさがよく分かるというのは ある種の皮肉かもしれない。インド洋に面した多くの国で津波という言葉すら無かったという事実は悲劇以外のなにものでもないが もし彼らが 東洋の片隅で書かれた本書を読んでいたらと思わざるを得ない。
被害で家族を失った児童の作文の紹介が本書に続いている。幼いながらも 彼らの悲痛な叫びと津波の恐ろしさが伝わってきている。この作文が本書ではなく 他で目にしたら 間違いなく今回のスマトラ沖大津波の記事だと思うに違いない。
それほど 「同じ」だということである。
今読まれるべき時期を得た ドキュメンタリー文学の 傑作である。
津波の恐ろしさを伝える貴重な記録
(2004-10-15)
被災者の証言、救済の様子、チリ地震による大津波……、と内容豊富であるため、小説として読むと散漫な感があった。津波の恐ろしさを知るための報告書というつもりで読むとよいのでは。

