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講談社
グループ:Book
ランキング:19770
価格:¥ 730
発売日:2006-05-16
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カスタマーレビュー ![]()
麻生太郎への一言がしびれる
(2008-09-15)
魚住昭の『権力』三部作のひとつ。ナベツネ、瀬島龍三、そしてこの人。野中もまた、前の二人と同様権力志向が強い人間であるが、どちらかといえば前の二人は弱者を無視してふみつぶしていくタイプである。基本的に、権力闘争というのは「上」を見ながら行われるゲームであって、そこで「下」のことを本当に考えている人というのは案外少ないのだろうし、権力者にはやっぱりナベツネみたいな人が多いんだろう。
一方、野中の権力への意志は、弱者を代表し、擁護するところから来ている(少なくとも魚住はそういう風に三者を描き分けている)。そのやり口はともかく、野中を見直した。こういう政治家がいてもいいよね。特に、麻生太郎と対峙する以下のシーンは必読。このシーンだけでも読む価値あり。2003年9月、野中が引退するときの発言。
<「総務会長、この発言は私の最後の発言と肝に銘じて申し上げます」と断って、山崎拓の女性スキャンダルに触れた後で、政調会長の麻生のほうに顔を向けた。総務大臣に予定されておる麻生政調会長。あなたは大勇会の会合で、『野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ』とおっしゃった。そのことを、私は大勇会出身の三人のメンバーに確認しました。君のような人間がわが党の政策をやり、これから大臣ポストについていく。こんなことで人権啓発なんてできようはずがないんだ。私は絶対に許さん!」
野中の激しい言葉に総務会の空気は凍りついた。麻生は何も答えず、顔を真っ赤にしてうつむいたままだった。>
しびれる。
同和利権と権力
(2008-05-25)
野中広務についてのイメージは、部落の出身で人権擁護法案に賛成している、小泉政権では抵抗勢力扱いを受けていた、というくらいのもので、解放同盟のカネと暴力をバックにのし上がった権謀術数の政治家くらいの認識しかなかった。失脚後に週刊誌で、「同和利権の排除に命をかける」と発言していたのを見て目を疑ったが、断末魔の冗談かと思っていた。
しかし、この本に描かれる野中は、部落出身の立場を最大限に利用したのは確かだが、一部の同和議員のようにカネと暴力の同和システムの維持を目的に議員をやっている者とは大きく違う。
何が本当かは分からないが、ただの同和議員とは、信念と能力において大きく違ったのは間違いないと合点してみる。
最後に、どうして部落出身を暴き立てて家族を苦しめるのか、という野中の批判に筆者が「これが私の業なのです」と答えるくだりは、にわかにマスコミ人の自己顕示欲が出ていて、笑ってしまった。
日本政界における"野武士"、野中広務氏の人物像に迫る渾身のドキュメンタリー
(2007-10-27)
これまでは、マスコミで報道されてきた『影の総理』・『抵抗勢力』としての野中氏しか知らなかったわけですが、本書を読んで野中氏に対するイメージが変わりました。町議員〜町長〜京都府議員〜京都府副知事〜国会議員へと政界の階段を一歩一歩登り、総裁の座を目前にしながらも身を引かざるを得なかった"野武士・野中氏"の姿を、淡々とした筆致で迫ります。"調停役(フィクサー)"としての野中氏の半生と共に、戦後日本の政治の"表と裏"が非常に良く分かります。(特に蜷川府政の裏側、「非自民連立」の追い込み、「自社さ」〜「自自公」の連立政権実現の裏側、「加藤の乱」鎮圧の経緯は読み応えアリ) 「本当にここまで書いてしまって良いの?」という内容の連続で、衝撃的でした。「政治の裏側で実は色々とあるのね」ということを知ってしまうと、今回(2007年9月)の安倍総理突然の辞任〜麻生氏立候補表明〜一夜にして福田氏優位〜福田総理誕生という政治の流れも、裏できっと色々とあったんだろうなぁ、と思ったりしましたね。(「情報戦」「取引」があったのかな...?)
自らの出自が故に弱者に優しい一面、弱者の甘えには厳しい野中氏。本書から窺い知れる野中氏の"アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)"への姿勢は、コンドリーザ・ライス氏(現アメリカ国務長官)のそれと共通するものがありますね。実際に差別を直面し、自助努力で乗り越えてきた人でないと発せられない言葉の重みが其処にあります。「"差別"も"逆差別"もない社会とは?」という命題について再考させられました。自助努力を促す社会/自助努力する人が報われる社会の実現って、やっぱり青臭い理想論なのかな。(でもやっぱり、信じたいですね...) そんなことも思ったりしました。現代政治・社会の"裏側"について、色々と考えさせられる一冊です。
野中広務がわかる
(2007-10-03)
政治家野中広務、人間野中広務がよくわかる本です。地方政界から、権力の中枢まで、上り詰めたたたき上げの政治家の実像がわかります。特に、その出自と政治信条とがよくわかります。日本の政治の世界をかいま見るのにもとても良い本だと思います。硬い本ではありますが、とても読み応えがあり、面白い本です。
今の時期この本を読んで・・・
(2007-10-01)
「おなかが痛いの〜」と言って逃げ出したボンボン前首相とのなんと対照的なこと。
泥をぶることも厭わず、清濁併せ呑む腰の据わった政治家がやっぱり必要なんだと言うことをあらためて感じました。現役時代はマスコミに乗せられてあまり良い印象はありませんでしたが、政界引退時の引き際の良さに何となく気品を感じ、この本が出たとき早速読んでみようと思いました。
小泉ワイドショー政治に?を感じ始めている今、政治って本当にワイドショーで良いのか?芸能界とは違うんだぞと考えさせられる一冊だと思います。

