佐藤浩市関連グッズ特集

アイテム詳細

宮部 みゆき

角川グループパブリッシング

グループ:Book

ランキング:1347

価格:¥ 1,785

ポイント:17 pt

発売日:2008-07-30

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カスタマーレビュー

とても普遍性があります。  (2008-10-03)
●まず時代小説なんですがあまりその点で手を控えている人は誤らないでください。普遍性のあるテーマばかりですからあるあるという感じでドキュメンタリー感覚で読めると思います。時代小説の設定や風景に頼るところは全くありませんので純粋に登場人物の心の動きを探る楽しみ方ができます。●ただ異様に過激な暴力が多くときには死につながり後味が悪いです。経過までの心理描写は納得行くのになぜか暴発の引き金が不可解で非常に混沌とした印象です。刃傷ではなく大抵棒だったり素手なので執拗で凄惨です。ちょっと何とかならなかったのでしょうか。昔のような闊達さや人間の英知、動機・結果の納得感のようなことが最近の作品からはトンと失せてます。●特に気になったのは中盤終わりくらいのお福という女性のみにまつわる一件、有能で忠義深い使用人を非常に理不尽な形で失っています。それなのにお福はあまり苦悩していないし、その張本人であるお福の父親と犠牲者があるきっかけでまた出会いますがやはり詫びていません。江戸時代の奉公人に対するあるじの一般的な振る舞い考え方を冷淡に切り取っているのですがこれもやはり私には不可解で暗い影を落としました。●終盤は何とかならなかったのでしょうか。なんだか急にファンタジーですね。幻想的な雰囲気を伝えるために心理よりも風景描写が多くなんともいえない膠着状態になります。この前まではスイスイページをめくっていたのですが急に読みづらくなります。宮部さんはファンタジーになると結末の描写が異様に丁寧になるので非常に失速するんです。もうちょっと人間自体の描写に傾けたほうがいいと思いますけど。会話の応酬で補ったり。一応会話はあるのですが暗示的で分かりづらいです。

一番恐ろしいのはあやかし屋敷の家守  (2008-09-29)
はずかしながら、某、宮部みゆき殿は小学生の息子の国語の問題集で「火車」が出てきて読んだのが初めてでした。短い抜粋ながら深い視点の切れのある文章が印象的でした。
で、この「おそろし」を初めてきちんと宮部作品で読ませて頂いたのですが、うーん文が上手い!流れるような文体で情景がスムーズに浮かびサクサク読めます。ベストセラーになるわけだ。
内容も人の心の奥の深い部分に迫ってきます。まさに人間であるが故の「おそろし」。
中でも最終章でのあやしの家の家守の言葉が心に染み入ります。人は自分の視点でしか世界を覗く事はできず。全ての人を救う事はできない。でも、自分のできる範囲で精一杯生きて行こうと決心したおちかの心意気に共感です。
おまけですが、江戸の情景や設定も細かく、江戸風俗案内としても楽しめます。
真っ黒の絹布団にあんな艶っぽい話が出てくるとは、正に江戸のないしょ話。

ええ年したおっさんでも怖い!  (2008-09-29)
「三島屋変調百物語事始」という副題からしておどろおどろしいが、内容はもっと「おそろし」。特に第四話「魔鏡」。
いわく因縁のある鏡を覗き込んだ我らがヒロイン・おちかが鏡の中に見たものは・・・・・。
 この場面を読んだとき、偶然か、宮部みゆきのこの作品に込めた意気込みが乗り移ったのか、拙宅住まいの梁がギシリと鳴ったので、私は思わず「ギャーッ!」。

 そして、第五話「家鳴り」も怖い。おちかが不思議な屋敷を勇気をもって探索する場面、あのエラリー・クイーンの名作「Yの悲劇」で、少年がこれまた不思議な屋敷を探索する推理小説史上1・2を争うと言われているコワーイ場面、これを思い出してここでも思わず「ちびりそう」。

 宮部みゆきは、当初、この百物語をシリーズ化する気持ちはなかったようだ。そのためか、本書の第五話は第一話から第四話までの登場人物がすべて出揃うオール・スター物語となっているのはご愛嬌。
しかし、昨今伝えられるところによると、一年に五話をまとめて単行本とし、今後19年間に亘って百物語を完成させる予定と聞く。
 本書のこの壮大なライフワーク化こそ「おそろし!」。

なぜだろう  (2008-09-28)
ジムワークの帰りに立ち寄った書店でふと手にとる。
で、そのままスターバックスでしばし読み耽ってみる。
なるほど、面白い。日本人の端くれならば、みな百物語とか怪談とかには目がないわけだし、平易な文章で頭も疲れない。コーヒーのトールサイズをゆっくり2杯飲む間に読んでしまう。
だが何か物足りない。なんだろう。
そこでもう一度書店に入り、ハーンの『怪談』を読んでみる。で、なんとなくソレが分かる。
この平成の怪談には、『不条理』がない。起こった事象の一つ一つ、出てくる亡霊にまできちんと理由があって、分かりやすい悪役も用意されている。つまりとても読者に親切に出来ている。
語り手が過剰に説明してくれるために、テーマパークのライドに乗っているような気分になってしまう。エンターテインメントとしては、完璧だ。
だが、かつて日本人の原風景の中では、人間の思慮の及ばない理や力が、人間の意思とは無関係に存在した時代が確かにあった。
それは理屈や説明を拒絶する何かであり、必ずしも劇的ではなく、必ずしも恐怖でもなかった。だが人智の及ばないそれを、我々は『怪談』として語り継いできた。
だからこそ『kwaidan』や『遠野物語』の中に見られる民話群は、かつて日本人のすぐそばにあった怖れや畏敬を淡々と今に伝え、心の奥底で『恐怖』の原型を醸成している。
『おそろし』というこの小説には、そういった人智を超えた畏れは存在しない。あるのは『恐ろしいのは人間の情念、歪んだ感情なのだ』、という分かりやすいメッセージである。
つまるところ、この小説は『怪談』ではなく、オカルト、もしくはホラー小説の類なのであろう。その意味では十分に楽しめる作品だ。
そういえば今は亡き杉浦日向子氏の『百物語』には、失われた『不条理』が数多くちりばめられていた。そしてあれは怖かった。

宮部版「シャイニング」+「ニードフルシング」  (2008-09-23)
読み終わった後、
これは宮部みゆき版「シャイニング」+「ニードフルシング」だと感じた。
謎の屋敷、人の魂を集める男。
キングのテイストがふんだんに感じられる。
大大満足。
時代小説ではあるが、
ストーリーが複数で構成され、
最後にストーリーが重なっていくいく、
モダンホラーである。
こういう小説が好きだ。

今回は「あかんべえ」、「お初シリーズ」より主人公は年長に設定されている。
おちかは自分の過去に傷ついて心を閉ざした娘。大人だ。
従来の主人公はイノセンスで、
そのイノセンスを武器に怪異に立ち向かったいたのに対して、
おちかはイノセンスを失ったがために悩み苦しんでいるのである。
最後の場面で家守にイノセンスの喪失を責められる。
おちかはそれに反発し立ち向かう。
そこが従来の時代物と一線を画す点である。

家守のキャラクターが効いている。
キング的に解釈すれば「悪」の象徴。
「悪」との対決が本作のテーマである。

エピソードの中ではお彩が出色である。
愛と死と恐怖を体現したすごいキャラクターだ。

お勧めです。

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