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岩波書店
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発売日:2005-02
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物語ることの普遍的理論付けをもとめて
(2008-01-13)
著者の専門は科学哲学を中心に分析哲学や大陸系の現象学など広範囲である。哲学においても物語り行為は重要な役割を担う。かのカントの純理にしろ、フッセルのヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学にしろ、ハイデガーの名著存在と時間にしろ、著者が自ら訳し親炙したローティの哲学と自然の鏡にしろ、哲学書の論理的展開を支える強力な物語的構成力なくしては古典的な著作たりえない。たとえばアインシュタインの特殊相対性理論のシンプルな公式表現ですら、物語的ですらある。
そこで著者第1章を「人間は物語る動物」である、と始める。本書は単著で刊行されたさいには柳田國男と歴史の発見という副題が付けられていたが、著者の意図は物語論一般にあり、現代文庫版では削除されている。つまり、原初的な口承文学を含めて歴史叙述との類似性などを精緻に分析、理論化することが目的である。したがって、所謂文学理論的な著作とは異なり、哲学的あるいはメタ理論的な概念を敷衍して議論を展開している。理論的な流れの中で注目に値するのは、リチャード・ローティが集大成した20世紀前半の哲学革命言語論的転回が、実は歴史学においても1990年代に波及したという指摘を踏まえて、前版を補正してなったのが本版だという。物語理論は、なにも文学が独占する領域ではない。哲学的視点による知の総合理論としての物語論と読むべき著作の誕生である。

