アイテム詳細
NHKエンタープライズ
グループ:DVD
ランキング:37392
価格:¥ 29,610
発売日:2004-10-22
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カスタマーレビュー ![]()
「日残りて昏るるにまだ遠し」
(2008-07-14)
2008年の水無月は、胸の痛む事件や東北の地震など切ない月でした。物価もきゅうきゅうしております。働き盛りの40歳、後を振り返る暇もなく毎日が過ぎてまいります。御用人時代の三屋清左衛門も、そんな心持だったのでしょうか?
澱みに浮かぶ権力争い。三屋清左衛門が切れ者として重宝がられるのも、その柔軟な姿勢と剛健な精神のバランス感覚に優れたゆえんではないかと思うのです。権力争いばかりではなく、夫婦の心、友のこと、泣き妻への悔恨に漣立つ心。三屋清左衛門は隠居しても慕われ、なお諸事に力を尽くし、何より「梅の一枝」にさえ命をいとおしむ。
私はドラマと原作を並行して読んだのですが、まずキャスティングが絶妙。脚色された物語もドラマならではの改訂で好感が持てた。清左とみさの艶話をアレンジしてみたり、父の名誉を挽回するため金井が浅田派の斥候として石見守暗殺を図ったりと原作と部分的に改訂している。
仲代達矢は近年、朝日新聞社から刊行された「週間藤沢周平1蝉しぐれ」巻末インタビューで自身が演じた清左衛門についてコメントしている。機会があればご覧下さい。こんな年寄りになりたいものです。諸事に力を尽くし、何より「梅の一枝」にさえ命をいとおしむ心持 日々を懸命に過ごしていたら辿り着いた日々。これより私の行く道を照らしてくれるようです。
何度見てもまた見たくなる名作
(2005-09-08)
私も当時20代後半で夢中になって観ていた女性の一人です。録画もれの回があり、今回のDVD発売を機にスペシャル版を除く1巻から5巻までを購入、12年ぶりに徹底鑑賞しました。何度見てもまた見たくなる、見るたびに人生を励まされる名作です。
とにかく主演の仲代達矢が素晴らしいです。特に第10話「夢」での演技(佐伯熊太との会話シーンと小木慶三郎との会話シーンの表情)は見事というほかありません。さらにこの回ではかたせ梨乃がその仲代達矢と互角に渡り合っています。個人的には原作にはない清左衛門と嫁の里江とのけんかがユーモラスに描かれている13話がお気に入りです。最終回の「わしはどうしても金井を救わねばならん。」という清左衛門のせりふがいつまでも胸に残りました。
武士のセカンドライフ。藤沢人情時代劇の傑作。
(2005-01-13)
10年前のNNHK金曜時代劇。藤沢周平原作のやはり東北の小藩を舞台にした、隠居した男の話。主演は仲代達矢だが、肩の力が抜けていて、軽い感じで好演。毎回、冒頭のタイトルバックに出てくる言葉がいい。「日残りて、昏るるにいまだ遠し」。江戸時代、50で隠居するのは決して遅くはない。40過ぎでの隠居もある。60を過ぎれば長寿な時代なのだから当然だが。清左衛門は元殿様の御側御用人で、下級武士ではない。隠居後も藩内のさまざまないざこざに巻き込まれ、友人の奉行を助け、これを裁いていていく。ひいきにしている小料理屋の女将との淡い恋。嫁役を演じる南果歩がいい。現代劇にいい物語がないせいだろうか。年のせいか。このところ、時代劇、とりわけ、藤沢周平の世界に惹かれる。このドラマもいい出来だと思います。
NHKドラマ・美しき最後の花の一輪
(2004-10-17)
この番組がNHKで放映されていた当時、30代に入ったばかりだった私や会社の同僚の女たちは、皆このドラマを見ていた。
このドラマは「定年間近のおじさん向け」と思われることが多いが、実は私たちのように、定年にはまだ遠い女性たちもまた、このドラマに夢中になっていた。
脚本がすばらしく、原作の味を損なうことなく見事に映像化されている。また、役者もタイトルロールの仲代達也初め、なじみの酒屋のおかみ、友人の町奉行、息子の嫁、その他いずれもきっちりとおのれの役柄を十二分に演じることのできる役者が揃えられている。
ストーリーとしては一応一話完結の形となっているが、実は全編を通して藩内の権力闘争が通奏低音として奏でられ、回を重ねるごとに緊迫の度を強めてゆく物語の展開は、まさにわくわくもの。
権力闘争の息づまる駆け引き、色っぽい酒屋のおかみや親友との会話、愛らしい嫁のやきもち・・・何度見ても楽しい極上の作品。
すぐれた役者たちの芝居を記憶しておくという意味でも、NHKの栄光の最後の華の一ひらを視聴者が自分の手元に残しておくことは意味深いことだと思う。
原作と同じくらい、とにかくいいです!
(2004-09-17)
やっと出るんですね!待ってました!
とかく映像になると原作のイメージとのギャップが生じがちなテレビドラマには珍しく、藤沢周平氏の原作の良さを損ねることなく映像化している、希有な作品だと思います。キャストは主も脇も名優ぞろいですが、清左衛門役の仲代達矢さんと「熊太」役の財津一郎さん、嫁の里江役の南果歩さんが秀逸です。「残日録」をめぐっての舅と嫁のやりとりや、清左衛門と旧友熊太のやりとりなど、原作をそのまま抜け出たかのような場面が多く見事ですが、時には原作とは異なる台詞運びでありながら、その世界観や雰囲気を壊さずにちゃんと伝えるだけでなく、映像であることを生かして原作以上に見事な場面を作り上げているのに感心しました。見るたびに「凛と生きる」魅力に触れる思いがするのは原作と同じですが、この映像作品も原作同様、見終わったときに元気をもらっているだけでなく、背筋がピンと伸びる気がする作品です。

