佐藤浩市関連グッズ特集

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木々 高太郎

東京創元社

グループ:Book

ランキング:251321

価格:¥ 735

発売日:1988-07

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カスタマーレビュー

探偵小説の模索  (2007-04-15)
本作は作者が探偵小説(当時の呼び方)とはどうあるべきかを模索した結果をそのまま書いた、ある意味実験小説である。なので、本作に対してトリックが云々とか、犯人の意外性がどうこうとか言っても意味がない。

読んでいれば犯人はすぐ分かるし、これと言ったトリックもない。作者はひたすら探偵小説はどうあるべきかを考えているのである。題名の「人生の阿呆」とは主人公の事を指しているとも言えるし、そのような模索を続けている作者自身を指しているとも言える。

日本におけるミステリの黎明期に、探偵小説のあり方を真摯に考えた作者の良心が伝わってくる一作。

第4回直木賞受賞作品  (2007-01-24)
比良カシウと呼ばれる小菓子の中に含まれたストリキニーネによるとみられる殺人事件が発生。大実業家比良良三の屋敷に向かった捜査陣は無産党の弁護士の射殺体を発見するというお話です。

推理(探偵)小説として初めて直木賞を受賞した作品。
作者の木々は探偵小説芸術論を掲げており、その名に恥じない業績であると言えるかもしれませんが、その後多くの人が指摘しているように推理小説としての要素と普通の小説が見事に融合しているとはいえません。
理想を高く持ちながらも残念ながらそれに見合うだけの作品を残していないですが、少なくとも従来の探偵小説にはなかった基軸を打ち出してきたことは確かであり一つのメルクマークであることは間違いないでしょう。

清張+クイーンですか!?  (2004-02-04)
それにしてもすごいタイトルですねえ(まるで太宰治か坂口安吾)。タイトルに惹かれて買ったのですが、読み終えて予想以上に満足しました。

作品中、主人公がソビエトを旅する場面で、挿絵ではなく、ロシアの風物をとった写真がたくさん使われているところが斬新でした(この写真は撮りおろしなのでしょうか? それとも内容に合ったものをどこかから転載したのでしょうか?)。解説にも書いてありますが、松本清張氏がこれにいたく影響を受けたそうです。なるほど、内容も大資本家と労働争議を背景にしている点、清張流の、社会派推理もののはしりのような感じだ、と思って読み進んでいくと、クライマックスでいきなり"読者への挑戦"登場!

私はかねてより、結局推理小説は、清張型とクイーン型の2極の間を行ったり来たりするしかないのではないかと考えていました。木々高太郎氏は、この作品の冒頭に探偵小説芸術論を高々と掲げていますが、その実践としてクイーン型と清張型をミックスするという手法をすでに(清張登場以前に)とっていたんですねえ。解説で、高村薫氏が述べているように、内容にいろいろ欠点はあると思うのですが、やはり日本推理小説史上の一つの記念碑的名作(推理小説史上初の直木賞受賞作ということはもとより)と呼んでもいいのではないでしょうか?

蛇足ながら、ロシア語の知識がないと解けない謎が一部あるのはちょっとアンフェアでは?

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