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新潮社
グループ:Book
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価格:¥ 580
ポイント:5 pt
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カスタマーレビュー ![]()
若い人でも読んで楽しめる
(2008-06-27)
時代小説にまつわるイメージによって
この種の小説をなんとなく遠ざけていたのですが…。
素直に面白かったです。
若い人が読んでも、楽しめる。
エンターテイメント小説だと思います。
(そんな風に言ったら、失礼かもしれませんが)
内容については、私は、この小説をヒーローものとして捉えました。
冴えない主人公が、実は抜群の能力を持ち
多くはないが誰かのヒーローとなる。
そのカタルシスがたまらないです。
今まで時代小説として敬遠してしまっていたことが、
もったいなかったと思わせる小説でした。
変わり者の男達の活躍と男女の機微を描いた傑作短編集
(2008-03-22)
普段見栄えがしない人物がイザと言う時スーパー・ヒーローに変身し、颯爽とした活躍を見せる...。現代にも通じるこの御伽噺的願望を時代小説の中で飄々とかなえてくれる連作短編集。弱者への温かい眼差しと権力への反骨心が滲み出た秀作。
タイトル作「たそがれ清兵衛」のテーマは夫婦愛。病妻の看病のため毎日定時で下城し、"たそがれ清兵衛"と陰口を叩かても主人公は厭わない。そして藩の大事にはさり気なく活躍する。更に活躍後も褒賞より愛妻を大切にするのだ。「うらなり与右衛門」は"うらなり"顔の主人公の浮気疑惑と義憤とを巧みに織り交ぜて描いた秀作。主人公の艶聞を藩の権力争いに繋げる展開が巧み。更に自身の指示の結果、若い藩士を死なせてしまうと言う設定が物語の深みを増す。主人公の仇討ちは知恵を使った冷静なもので風雅の味がある。主人公の勝気な妻の言動も面白い。「ごますり甚内」は義父の代に減石された主人公が復石のため必死に"へつらう"様子と獅子奮迅の働きを対比して描いた作品。オチも笑える。「ど忘れ万六」は物忘れの激しくなった隠居老人が嫁のために"昔取った杵柄"を披露する痛快談。「だんまり弥助」は過去の事件の自責の念から無口になった主人公が、藩主の前で仇敵一派に堂々たる弁論を披瀝して一掃する骨太の作品。仇敵を討ち果たした時、無口の呪縛が解き放たれるラストが清々しい。「かが泣き半平」の"かが泣き"は"苦痛などを大ゲサに言う事"の由。命懸けの暗殺がタダ働きに終って、主人公の"かが泣き"は...。「日和見与次郎」は普通の時代小説に近いが、従姉への思慕と若さへの決別を告げるラストの暗殺シーンが印象的。「祝い人助八」の"祝い人"は"乞食のように汚くて臭い様子"。男やもめの主人公の剣技と共に友人の妹との交情が美しく描かれる。特にラストは感動的。
変わり者視される男達の縦横無尽の活躍を描きつつ、男女の機微をも映した傑作短編集。
映画とはまったく別物の藤沢ワールド
(2007-09-14)
初出は昭和63年9月新潮社よりリリース。今となっては山田洋次監督の映画で余りに有名になってしまった表題作だが、原作はまったく別物。映画は原作を元に山田監督が見事に再構築したオリジナルと言うべきだろう。
本作は『たそがれ・・』他7作の短編集である。共通点は主人公が『たそがれ』・『うらなり』・『ごますり』・『ど忘れ』・・・だが剣はめっぽう強いということだ。この点で同じ作者の『隠し剣』シリーズと共通の部分が感じられて興味深い。こちらの方が平常の姿を一変する変身願望みたいなものを感じる。
どれも面白い。ドンドン読める。どれも派閥の権力闘争に派閥に属さない剣士を利用して相手の派閥の核になる人物を抹殺させようという派閥理論が出てきて苦笑してしまう。今も昔も同じだ。日本という国の本質を見る気がする。問題なのは企業体自体・あるいは国自体がどんどん弱体化して世界中の真面目な国々に負けつつある現実を意識せずに未だ派閥抗争を展開し続ける国民性だ。たまには自社の株価でも意識すべきなのではなかろうか、派閥銘柄諸君。
侍としての矜持
(2007-07-01)
藤沢周平の短編集「たそがれ清兵衛」(新潮文庫)を読了。2年ほど前、先に山田洋次監督、真田広之主演の映画をDVDで見ていたので、文庫本を持ってはいたがそのうち読もうと1年以上放っていたものだ。読んでみてわかったのだが、映画と原作では話のすじが相当ちがっている。しかし、下級武士であるがゆえに、世の中の動きや藩の重役による政争の波に翻弄される運命のなか、静かに波を見つめ、侍として信念を凛として貫く姿を描いている点で、山田洋二監督は映画で藤沢の世界を忠実に描いているといえる。
大衆小説、時代小説はともすれば軽く扱われがちだ。しかし私は藤沢氏の描く主人公が持つ「侍としての矜持」に感銘せずにはいられない。登場人物が示す弱いものへの細やかな愛情に、人の世も捨てたものではないと心が温まる思いである。
登場人物が魅力的!
(2007-03-13)
全8篇の短篇集。
そこには、その性格や容姿のために、まわりから有り難くない渾名をつけられ、侮られている侍が登場します。
しかし、日頃見せる姿とは異なり、実は剣の達人であり、情に厚く魅力的な人物であることが、読み手を惹きつけます。

