河出書房新社
グループ:Book
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価格:¥ 525
発売日:1971
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人生永遠の書。「愛と平和」教。
(2008-09-19)
戦後文学唯一の天才、深沢七郎の作品で一番素晴らしいものは、「楢山節考」でも「東京のプリンスたち」でも「笛吹川」でもない。これらはどれも三島由紀夫の「金閣寺」や「仮面の告白」、大江健三郎の全作品などを軽く凌駕する傑作ではありますが、本書こそ深沢さんのベストであると私は確信しております。本書は、人生相談の体裁をとっていますが、むしろ小説表現という迂路を経ずに、直接、深沢さんの人間滅亡教が説かれた思想書というべきものです。こんな「思想」などという大仰な言葉を深沢さんは嫌うはずですが、ほかに適当な言葉が見つかりません。挫折感と徒労感に苛まれている時、本書を読むと、心がどこまでも軽くなり、救われた気持ちになります。ビートルズの名曲「愛こそはすべて」と同じ思想、同じコトバだと思います。
老子という人物は、深沢七郎のような顔をしていたのではないでしょうか。
本書に匹敵する「人生相談本」の傑作は岡本太郎の「にらめっこ問答」だと思われますが、深沢七郎とはまさに正反対の考え方です。両者に共通するのは、相談者が真に受けて実行すると、人生ますます泥沼にはまることです。そういうところは、聖書、仏典、コーラン、その他の偉大な聖典と似ています。




