メディカルパブリケーションズ
グループ:Book
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発売日:2006-09
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あくまでも在宅向け
(2007-09-06)
「家族と介護者のための〜」となっていたので、施設での看取りにも参考になるかと思いましたが、
内容はあくまでも「在宅」向けに感じました。
ここでいう「介護職」とはヘルパーのことだと思ったほうが良いです。
ただ、褥瘡の処置の仕方や、疼痛管理について(鎮痛剤としての麻薬の種類と使用方法など)の説明は、
大変詳しく分かりやすく書いてあり、「看取り」に関わらなくとも、介護職にも参考になると思いますし、
「看取り」に限らず「介護」に不慣れなご家族にとって、この本は、大変心強い内容と思われます。
遠い存在だった看取りに親近感を感じられる本
(2007-01-13)
約8割の人が医療機関で亡くなる現在、死は家の外にあり、家の中で語られることは少なくなった。人は、はじめて経験することに対しては不安がある。やさしく、わかりやすく、死に至るまでの過程を身近に感じられるようなものがほしいと思っていた時、遠い存在だった看取りに親近感を感じられる本ができた。
本書の監修者であり執筆者の1人でもある苛原氏は、千葉県松戸市で在宅医療に積極的に取り組む医師である。本書は、苛原氏とともに地域で在宅ケアを担う12人が執筆者となっている。少し中身をみてみよう。
第一章「看取りに必要な知識・考え方」は、死亡の統計からはじまる。私たちの死を取り巻く現状について頭にいれたあとは、人はどのように亡くなってゆくのかということについて病院と在宅の場合を比較する。在宅では心電図のモニターはない。蘇生もふつうはしないし、家族はそばにいる。がんの方は亡くなる1週間前までトイレは自分でいける人が多いこと、亡くなる当日まで意識のある方が8割を超えること、これらは、家族や本人にとっては背中を押してくれるものとなるだろう。在宅ケアには多くの人材が関わることも理解できる。
第二章「看取りに必要な技術」では、現場の専門スタッフによる解説がきわめて具体的に書かれている。清拭、排泄や食事のケアについても読むと介護者のやる気が湧く。家庭における医療的なケアとして、痰の吸引や経管栄養、床ずれのラップ療法、口腔ケアなどについては、図や写真もきれいで明日からでも実行できそうになる。がんの痛みを緩和する麻薬の使い方については、麻薬をあまり使いたがらない医療関係者にも読んでほしい。
第三章「看取りと心のケア」では、誰にでも訪れる死について、傍らにいるものの接し方、介護職としてどう支えるか、最近注目されている音楽療法についても触れられている
第四章は「葬儀と家族の悲しみのケア」である。なぜ葬儀まで?と思われるかもしれないが、ここまで読み進めると、もう看取りというのは、亡くなるまでという範囲にとどまらないのは容易に理解できる。遺体の処置や葬儀、さらに残された家族の悲しみに対するケア(グリーフケア)についても、違和感なく入ってくる。
第五章「看取りの実際」では、家族、介護者、そして医師の立場から、看取りが語られている。実例をあげての語りは、この本に対する信頼の証である。
この書を読むと、家で亡くなるということが、単に「死に場所」をさすのではなく「生きる過程」であることがわかる。看取りとは、その人らしく最後まで生きることを支援することなのである。
この本を書いた人たちに、自分や家族の最後を看取ってもらいたい、と願うのは、きっと私だけではないと思う。それは地理的に叶わぬとしても、豊かな死を看取る方法を自分の周りに広めるには、本書は効果的な手段となるにちがいない。一般の方や介護職のみならず、医療関係者にも広く読んでいただきたい。




