日経BP社
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発売日:2008-04-10
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日本人よ、もっと自信を持とうではないか。
(2008-09-21)
本書は、23歳に日本の政治を研究にやってきた著者の約40年にわたる日本文化の観察記である。
日本人との交流(多くの政治家を含む)を通して、実に深く日本という国を理解し、愛していることが感じられる。
著者は、日本人の謙虚さ、たとえば「私は独りでは何もできないが部下が一生懸命頑張ってくれたからやってこれた」というリーダーの姿勢を美しいという。
一方で、日本人のアイデンティティ論については手厳しい。すなわち、日本ほど外国からあらゆることを吸収して独自な文化を維持している国はほかにはない、文化、アイデンティティは時代によって変わっていくものなのだ、だから、日本人のアイデンティティを主張することは今の日本人のアイデンティティを認めたくないということと同義語になるという。
さらに、決して日本人は外国のマネをしているのではなく、結局は日本的なものに変えてしまうのであるという。日本人の好奇心と吸収力を恥じるのではなく誇りに思うべきものであると言っている。
本書は全編日本語で書かれており、翻訳ではないところに、この著者の日本を愛する心が伝わってくる。著者は、日本人以上に日本を理解しているといっていい。
日本人よ、もっと自信を持とうではないか。
政治の基にある日本人の本質を指摘する
(2008-08-23)
現在コロンビア大学教授(1940年生まれ)である筆者が学生時代からの日本の繋がりを綴った自叙伝的日本政治の舞台とその舞台裏。
日本語を習うために借りた下宿は下町で、そこでの人間関係がやがて日本の政治に興味を抱く基礎になったのだろう。
著者の学位の内容はドブ板選挙の徹底取材で候補者の家に泊まりこみ、会合では支援者と一緒に酒を飲みながらまとめたそうだ。
その後の交友はまさにメインストリームである。もちろん其処に行き着くまでの道のりは平坦ではなかったであろう。そして著者の付き合いのあった政治家の事や日本の政治に関してのエピソードを綴っている。
例えば麻生さんの「自由と繁栄の弧」という外交ビジョンを裏づける具体策が無く、中国を牽制しようとしていると指摘する。
また中曽根さんの外交4原則(力以上の事をしない、ギャンブルをしない、世界の潮流を客観的に分析する、外交と内政を混合しない)を評価している。
現状および今後の日本の進む道として、国際交流の加速化だとも指摘する、これは日本の国際交流基金が英国のブリティッシュカウンシル、ドイツのゲーテインスティチュートと比較して職員および資金があまりに小さ過ぎるという事実があるそうだ。
その他多くの裏話(田中角栄と金丸信の違いとか)、政治とマスメディアの問題点や日本での想い出が綴られている。知日派であり親日派である筆者は第2知日世代だそうで、現在は既に第4、第5世代になっていると言う。そしてその世代間で当然ではあるが日本を見る価値観が変ってきていると。
ある種非常に俯瞰的で中立的な立場からの意見が多い様にも思うが、実はかなり日本への思いやりと優しさが見え隠れする。もちろんそれは奥様が日本人であったりすることも関係するのであろうが、23才で来日して、多くの下町や田舎での日本人との交流を通して得られた感謝の表明でもあるように思う。
ジェラルド・カーティス流「美しい日本論」
(2008-07-26)
その昔、筆者の「代議士の誕生」を読んで、地方の政治家の選挙活動に入り込んで、日本政治を研究するという、型破りの方法で日本の政治学者を仰天させ、自分もびっくりした記憶がある。
この本を読んで、日本政治の変化をどのように見ていたかや、もともとミュージッシャンを目指していたエピソードなども興味深かったが、この本の一番のエッセンスは、「清潔感、礼儀正しさ、謙虚の美徳など日本の美しさに自信を持とう!」という主張ではないか。それも、娘たちの学校での掃除の体験やリストラされタクシー運転手になった人との対話など、ミクロの視点から見ているのが、「代議士の誕生」以来一貫した筆者の姿勢の特徴だと思う。
バランスの良い日本政治観察45年
(2008-07-06)
東京オリンピックの頃より日本政治の観察者としてフィールドワークを繰り返し、著書『代議士の誕生』をものにし、以後日本とアメリカの政治文化交流に深く関わり続けた著者によるバランスの良い日本政治観察45年の総括本である。
東京オリンピック当時の東京・西荻窪の街の人となり、大衆食堂と日本の銭湯を愛し、以後日米を往復しながら、日本の農村文化も都市の人の営みもその視野に入れながら、政治家と報道人他のとの交わりの中から日本の政治を見つめ続けてきた著者によるバランスの良い日本政治への提言は傾聴に値する。
日本政治をことさら特殊に論じる癖を諌め、アメリカの日本政治研究の移り変わりスケッチする。
今だ相互理解の底が浅い日米の政治家に対する苦言は、その選挙民に対する苦言でもあろう。




