新評論
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発売日:2003-12-10
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カスタマーレビュー ![]()
ハンチントンイメィジ
(2006-02-01)
既に書いておられる方もいるようだがハンチントン批判の書。ハンチントンは「われわれから見れば」文明の衝突論で
9・11予言してみせたように「見える」。
だがハンチントン自身は9・11を文明の衝突とは見なしていない。だが・・・かつてハンチントンを
批判した人たちが手のひらを返して9・11を文明の衝突と「みなして」ハンチントンを評価しなおした経緯がある。
その点からいってこのクレポンの書物はハンチントンに対する批判ではなく、巷に流布する「ハンチントンのイメィジ」批判
と言えるだろう。その点では間違っていないがハンチントン自身には迷惑な話であろう。
そこを考慮すればよく理解できるだろう。
ハンチントンは文明学者トインビーの影響を受けておりそのトインビーと日本のトインビー学者山本新を併読すれば理解が深まると思われる。
蛇足が大きい
(2004-10-20)
著者クレポンが行う、ハンチントンの文明の衝突論への批判が本書の中心である。文明の衝突論が持つ、文明に対するスタンスへの批判だけとも言えるが、それだけで一つの論として価値がある。
文明の衝突論は、それぞれの文明内部を同一視し、異なる文明間の衝突は避けられないとするにも関わらず、文明を的確に区分するために各文明に対して一定の寛容さを持たせている、とプラトンは批判する。議論内容への反論というよりは、まさに欺瞞であるとして批判する。
これらの議論はある意味ですでに出尽くしたといってもいいものである。しかし、9/11の後に文明の衝突論が再び力を持ち始めた時点において、いわば駄目押しの批判として出版されたものともいえる。
本書には付論が三つ添えられており、それだけで本書の半分を占める。桑田、出口、プラトンがそれぞれ一編ずつ書いている。プラトンのものは、文明の衝突論を批判生んだ背景を示すものとして有用であり、出口のものはいわゆる解説として価値を持つだろう。しかし、桑田のものは、本書の中の一貫性を崩しているといわざるを得ない。一般的すぎ、結論もなく、斬新な論理展開もない。そして非常に読みづらい。なぜ本書のこの位置を占めるのか私には理解が難しい。
ベンヤミンその可能性の中心
(2004-04-09)
本書は、われわれを「創造行為」へとみちびく最良の手引きであろう。クレポンは、文化の根幹にベンヤミン的翻訳行為を見る。文化には、他から保護されるべき純粋性などない。翻訳という脱自的行為においてのみ、文化はかすかにおのれの存在を感じ取るのである。
この「創造行為」としての翻訳は、いささかも特権的ではない。「それはつねにすでに存在している」とクレポンは言う。文化的・言語的な我有化にたいするかすかなノイズ、これは日常に遍在している。これを聞き分けた時点で、創造は開始される。このノイズこそ、文化の起源なのである。本書は、ありがちな教条主義からほど遠い。覚醒の書である。
まずは読みやすい文章を
(2004-03-16)
新聞の書評欄でそこそこの評価を受けていたので購入してみました。
最初から最後まで、ハンチントンの「文明の衝突」に対する批判です。ハンチントン理論は「異なる文明はその本性からして闘争を目指す運命にある」であり、到底受け入れられないというのが趣旨だと思います。それに対しクレポンは、国際法に則り平和を目指すべきとしています。
まず、ここが分かりません。ハンチントンは、現在の世界で起きていることを文明間での衝突だとみなす、いわば現状認識を行っているのですが、クレポンは単に国際法をベースに平和を目指すべきだと理想を述べているだけです。では、現状の認識は何か?それがない。
論旨がしっかりしないので、全体にわたって何を言いたいのか、つかみ所がありません。また、括弧書きがやたらと多く、これも読みにくさを助長しています。
ハンチントン批判を繰り出す前に、分かりやすい文章を心掛けてもらいたいものです。




