草思社
グループ:Book
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発売日:2004-10
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いのちとの重さと可能性をあらためて問う
(2004-12-12)
「メイク・ア・ウイッシュ」、3才から18才未満の難病を抱える子供たちの夢の実現に協力するというボランティア活動。日本でも1992年からその活動が始まっており、本書はメイク・ア・ウイッシュオブジャパン(MAWJ)がこれまでかなえた600件以上の難病の子供たちの夢の中から、4つの物語を紹介するものだ。ほとんど体の自由が聞かない男の子が抱いたウルトラマンと会いたいという夢、脳腫瘍の少女の珍しいカブトムシに触れてみたいという夢、そしてシェラトンホテルの1日社長になった小児ガンの小学生の男の子の話、どれも読んでいて痛々しくて辛くなるようなエピソードであるが、その反面、夢をかなえるということがそうした子供たちにとってどんな意味があったかということしっかり感じ取る必要があると思う。逝くもの、のこされるもの、それぞれにとってかけがえのない体験の重さ、月並みだが幸せは時間の長さだけで計れるものではないのだから。夢への想いは難病の子供たちのほとんどすべてにしばしば不思議な力を与える。MAWJの大野寿子事務局長の「わたしたちは“最後の夢”をかなえるお手伝いをしているのではない。生きる力をもってもらうための夢の実現に協力しているのです。」という言葉どおりにどの話からもそれが強いメッセージとして伝わってくる。最近、我々の暮らしの中ではあまりに軽くなってしまった命の重さと生きることの意味、心からそれをもう一度考えてみたいと思った。
夢の力を信じたい
(2004-11-14)
ウルトラマンに会いたい、世界一大きなカブトムシが見たい、イルカと一緒に泳ぎたい……難病に見舞われ、死の宣告を受けてもなお、夢を見ることを忘れなかった子供たちと、その夢の実現に奔走するボランティア団体、メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン(MAWOJ)の活動を追ったノンフィクションです。
MAWOJについては最近、新聞などでも取り上げられ、すでに本も数冊出版されているのですが、本は子供向けの絵本じたてのものが多く、また報道も美談に偏りがちでいまひとつ当事者たちの顔が見えないまま、すれた大人の読者をなかなか納得させてはくれませんでした
子供たちの夢はいずれも意表を突く、突飛なものばかりです。どうすればウルトラマンに子供と会ってやってくれ頼むことができるのでしょう。なかには遠山の金さんにお白州で裁いてくれと願った子供がいたそうです。本書では、当の子供たちの親やMAWOJの関係者の証言を交えて話が進められています。たんねんな聞き取りで、ようやくこのボランティアに携わる人たちの姿を等身大で知ることができます。
夢には確かに人を生かす力があるようです。夢の実現を機に奇跡的に回復した子供、それをきっかけに余命に倍する時間を生きながらえた子供。切実であればあるほど命に響きわたる夢があることでこの本は網羅されています。当初、子供の死を扱っているだけに、「決して泣かないぞ」と思って読み始めた本でしたが、やはり泣けて泣けて。
ゆったりとした文字組みで一気に読める本ですが、早々に読みきるにはやはりもったいない。紹介されている5つのエピソードを一夜一話ずつ、幼くして逝った子供たちの一生に思いを巡らせながら、自分の夢のありかについて考えてみるのもいいかも知れません。




