Elizabeth Marshall Thomas
木村 博江
草思社
グループ:Book
ランキング:80693
価格:¥ 1,995
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発売日:1996-03
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カスタマーレビュー ![]()
飼い主が呼んだとき、犬は飛んでくるが、猫は返事をする
(2005-05-15)
飼い主が呼ぶと犬は飛んでくるが、猫は返事をする、という。なるほど、言われてみればそのとおりだ。
本書の原題は"The Tribe of Tiger"(=ネコ族)、飼猫だけでなく、虎、ライオン、ピューマなど広くネコという種族について、その種としての性格、習性、文化について、観察と考察を加えたものである。
第一部は著者自身が飼っている家猫のユーモラスな行動から、ネコの習性を考察。
第二部はアフリカにおけるライオンと人間の関係についての考察。
第三部は人間とネコ族の将来的な新しい関係についての考察。
となっている。
著者の本業は人類学で、アフリカでのフィールドワークが長い。そのためか野生動物と人間との関わりについての洞察が特に深い。
例えば、40年前、サン族はライオンを言葉で追い払うことができた、という。サン族とライオンの間にお互いに「敬意」のような関係が存在し、ある種のコミュニケーションが成立していた。が、アフリカの近代化によって、サン族とライオンの昔からの関係が消滅したため、ライオンが人に敬意をもたなくなり、他の動物同様に人を襲うようになった、という。良し悪しは別にして、種族としての人間と、種族としてのライオンの関係が、大きく変わってきていることは確かなようだ。
もっとも、このようなカタイ話ばかりではない。第一部は、ネコ好きのひとが読んでも十分楽しめる内容になっている。テレビの獲物に飛び掛るネコ、人間にえさのとり方を教えようするネコ、物陰からのぞく丸い頭が大好きなネコ。たしか、佐々木倫子の「動物のお医者さん」にも、同じような場面があったことを思い出した。
ネコ族の生態を中心に書かれた本ではあるが、人間との関係についても、とても奥が深い。ネコ好きの人にはもちろん、動物と人間、自然と人間のあるべき姿に興味がある方にもお勧めしたい。名著といってよいだろう。
猫ってどんな生き物なんだろう?
(2003-02-25)
猫の素朴な疑問と不思議な習性などを中心に、彼らの置かれたそれぞれの環境の違いの中で、どんな暮らし振りをしているかなど、たっぷりと読み応えある楽しくて面白い本です。時代に流されないストイックな流儀が懇々と流れている様は、副題にもある『THE TRIBE OF TIGER』として納得させられる。
著者のエリザベス・M・トーマスは、人間にもっとも近しい2大生き物『犬・猫』それぞれを題材にした本を書いている。本書は、『犬たちの隠された生活』の続編。
猫の話だけではないけれど…
(2002-01-02)
ニャーニャーと鳴き、人間との仲の良さでは犬と肩を並べる、いわゆる「猫」たちの生活ぶりが書かれた本だと思って手にとってみた。だが実際は猫だけでなくライオンや虎、ピューマまで含めた「猫族」全般の話だった(原題は“The Tribe of Tiger”『虎の部族』である)。
猫の話は本書を構成する一部分にしか過ぎないが、だからといって期待はずれに終わらせないところに本書のパワーがある。家では数匹の猫を飼いならしている著者は、アフリカで実際にライオンにも接している、無類の猫族好き。そんな著者だからこそ猫族の立場から人間を見るという独特の視点に立つことに成功しているのだろう。
動物はわれわれ人間が考えているほど単純な生き物ではないということがわかった。あるいは動物の立場からしたら、人間ほど自分たちのことばを理解してくれない動物はいないと思われているのかもしれない。読後、なにとはなしに謙虚な気持ちにさせられてしまった…。




