理論社
グループ:Book
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価格:¥ 1,680
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発売日:2006-09
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カスタマーレビュー ![]()
好奇心いっぱいの女の子だから
(2008-10-03)
ルリユールおじさん
パリの街の一角、路地裏の小さな窓。窓の中で手作業をつづける老人。「RELEUR−DOREUR」製本 金箔製本の60工程のすべてを、手仕事で出来る製本職人に出会った伊勢さんは、パリにアパートを借りて、何度も路地裏の工房に通い、手仕事の一つ一つをスケッチして、この本を描いた。パリに行ったことがないのに、あたかも自分がそこに居るような気さえしてくる。バラバラになってしまった大事な大事な植物図鑑を抱えて、直してくれる人を探して町の中を歩き回る少女。そして、ルリユールおじさんと出会う。好奇心いっぱいで部屋の中を見て回る女の子。それは、伊勢さん自身なんだと思う。2006年9月発行
簡素な文と21世紀のパリの風景とブルーの色彩。
(2008-09-15)
私と著者のいせ ひでこ氏とは、一つの共通点がある。彼女は「絵」という目的を持ってフランスに行き、私はフランス語という目的を持ってフランスで生活した。ただ、私はいまだに「パリ」という街が好きになれない。都会的で早口でまくしたて、いつも前だけを見て、足早に歩いているパリジャン(パリジェンヌ)たち。どこか冷たい印象が、今でもぬぐえない。
だから、私にとって、「パリ」とはいつも数日滞在するだけの街で、生活したことは一度もない。
この本には、21世紀のパリの風景が描かれている。
そして、フランスで生活した作者ならではの登場人物 少女ソフィー。大事な植物図鑑がこわれてしまった・・・。日本なら、子供は親に言い、親はすぐに新しい図鑑を買い与えるだろう。ところが、ソフィーは生粋の「フランスの子供」なのだ。親にも言わず、まず、本屋に行く。同じ植物図鑑も新しい図鑑もあったけれど、この図鑑がいいの・・・。そして、自力でどうしたら大事な図鑑を治せるか、その方法を一人で探す。「そんなにだいじな本なら、ルリユールのところに行ってごらん」。少女は、ついに答えを見つけた。
この絵本の舞台は、初春のパリを描いていると思われる。4月になっても、パリは日によってはセーターが必要なほど寒い日があるという。それなのに、著者の挿絵には、ブルーの色彩が登場しないページがない。赤やオレンジなどの温か味のある色彩は、あまり登場しない。
私は絵は素人だが、ソフィーとルリユールおじさんの服のブルーの対比。前者は淡いそれで、後者は深いそれだ。自己流の解釈だが、人生の後半を生きる者と、これから「人生」という扉を自力で開けていく少女との対比ではないかと思った。
事実、大切な図鑑を治してもらったソフィーは、大人になって・・・。これは、読んでからのお楽しみである。
大変いい作品です
(2008-06-02)
教え子が人間関係に悩み退職後、私に会いに来てくれました
ありきたりな慰めしか言えず 無力感に苛まれていた
そんな帰り 新しくできたビルの本屋でこの本を見つけました
可愛いソフィーとルリユールおじさんのやり取りに 微笑を
おじさんの作業っぷりと 同じルリユールだったお父さんの言葉
そして最後のページ…
人は皆 それぞれが ほどけそうな 自分を
何とか自分で「ルリユール」しなくてはならないのかも知れません
できれば ほどけそうな誰かのお手伝いとしてのルリユール
早速 教え子に送りました
何かの役に立てばいいのですが
本に魂と思いを封じ込める仕事
(2008-04-13)
『パリの街に朝がきた。その朝はとくべつな一日のはじまりだった』
と、いう何とも心地良い書き出しで始まるこのお話は、ルリユールという職人さんを描いた素敵な絵本だ。
パリの街に住み、植物をとても愛し、その好きな植物のことを何でも教えてくれる一冊の植物図鑑をいつも手放さない小さな女の子「ソフィー」がこの物語の主人公。
ある朝、ソフィーの大事な植物図鑑が壊れてしまう…。
『あ、わたしの図鑑が…』
ソフィーは植物図鑑を直してもらおうと、パリの街角を訪ね歩く。本屋さんには新しい植物図鑑が並んでいる。
でも…ソフィーは言います。
『でもこの本をなおしたいの』
そんなソフィーの姿を見かねた露店のおばさんが教えてくれる。
『そんなにだいじな本なら、ルリユールのところへ行ってごらん』
『ルリユールって、本のおいしゃさんみたいな人のこと?』
『どこにいるんだろうね』
ソフィーは街を歩きながら心の中で自分に問いかけます。
そして…
ルリユールおじさんを見つけます。
工房の前でひっそりと中をうかがうソフィーに、おじさんは表へ出て、中へと導き入れます。
工房ではおじさんが丁寧に図鑑を解体し、綺麗に製本を始めます。ソフィーはアカシアの木が大好きでした。
『アカシアのハチミツっておいしいのよ』
そんなお話をしながら時はゆっくりと過ぎて行きます。
『でも、わたしのアカシアのページを入れわすれているよ』
つい、おじさんの仕事に口を挟んでしまいまうソフィーの表情が可愛らしい。
糊付けして乾くまでの一日、ソフィーは待っていました。
翌日…
ソフィーは駆け足でルリユールおじさんの工房へ走ります。
そして…
ウィンドウ越しに新しく生まれ変わったソフィーの植物図鑑を見つけます。
『あ、わたしのアカシアだ!』
『ARBRES de SOPHIE』ーソフィーの木たち
ソフィーのお気に入りの植物図鑑は、こんなとても素敵な新しいタイトルが金文字で飾られ、世界にたった一冊の、ソフィーのためだけの図鑑に生まれ変わっていたのです。
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ルリユールという本を直す職人さんは、モノを大事にするフランスならではの仕事です。
絵本の中では、丁寧に本が直される一つ一つの工程も図解で解説されていて、とても暖かさを感じ取れる内容になっています。
日本にはルリユールはただ一人いると聞きます。
使い捨て、大量消費の現代に、忘れている何かを教えてくれるそんな絵本です。
子供向きではなく、おとなも楽しめます。
(2008-04-12)
この本は泣けたなあ。
子供の童話(これは童話というレベルの本ではないが)を読んで泣いたのは久しぶり。
まあ、自分は50歳前の中年男で、最近涙腺がとみに弱くなっているので、そのためかとも思うんだが・・・。
もちろん「泣けた」かどうかと、その本が良書かは、必ずしも一致する関係ではないんだが、これは良い本です。
「わたしも魔法の手をもてたんだろうか」という一文と、最後の1ページでやられた。
実は私は、父親と同じ職業を選択しており、最近父を亡くしているので、よけいに身につまされるところがあった。
購入を是非お勧めしたい一冊です。




