平凡社
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発売日:2001-02
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20世紀をいかに越えるか―多言語・多文化主義を手がかりにして
カスタマーレビュー ![]()
国民文化
(2007-08-26)
国民文化についての本。
いくつかの西洋の理論を使いながら伝統は伝統でないということを述べる。
著者のめざすところは晩年の坂口安吾がしきりに述べていた無政府主義だろう。
ポストコロニアルという英国の伝統的な学問を学びたい人におすすめ。
学問の伝統をきちんと受け継いだ作品。
文化論の本質
(2006-12-11)
文化論の本質が述べられている本。「イラク国民を解放する」というイラク戦争での大義名分の虚偽性、模倣文化といわれる日本文化の真実、日本、ドイツが文明の名の下に裁かれた第二次世界大戦の構造。この本を読むと今までなんとなく見てきた歴史に切り込む視点が手に入る。
確かに筆者の言う「私文化」に関して、坂口安吾のように強く生きていける個々人はどれくらいいるのだろうかとの疑問は湧く。
しかし、最終的に文化のレベルを個人まで下げることによって、構造上欠陥のある「国家」や「国民」という概念に縛られることはなくなる。国民国家形成から約200年、著者の言う「私文化」で生きていく人間は増えていくんじゃないかと思う。
読み応え抜群の中身この本に☆五つ付けなかったらどの本に付けるんだと思う。
文明・文化の虚構性・暴力性
(2005-01-04)
文明・文化が自分のことしか考えていないと言うのがよく分かります。
「国家」や「国民」の中身のなさも物語っています。
では「国家」・「国民」という欺瞞性が分かった今我々は何をすべきなのでしょうか。
西川氏は動態的な「私文化」にこだわっています。
われわれは文化を捨てるべきだけれども、持ってしまう動物なのでしょうか。
後ろの上野千鶴子さんの解説も忘れずに。
著者の意図はどこにある?
(2004-12-20)
スチュアート・ホールのアイデンティティ論の近代性を批判しながら(p429-430)、「主体」という近代的概念に基づいた「私文化」を提唱する(p272-)のは矛盾しているように思う。さらに多文化主義に関するカナダの政治家の発言を新しいアイデンティティの萌芽として手放しで賞賛しているが(p412-413)、そこに逆に政治性を感じてしまう。解説の上野千鶴子氏も、「「私文化」に希望を託すことは、安易なオプティミズムではないのだろうか」と懸念を表明しつつも、その「難民のまなざし」を評価している(p476-477)が、そこに「学界」の政治的な意図を感じてしまうのは私だけではないだろう。本書全体の議論は面白いだけに非常に残念。
著者の孤独
(2003-06-08)
西川長夫氏の国民国家論についての主張がよく分かる一冊。
特に、解説で上野千鶴子氏も書いているが、「「 文明と文化 −その起源と変容」における「文明/文化」概念の議論はかなり面白い。昨今跋扈する「文明」の名の下に「敵」を「野蛮」と名指しして殲滅してしまう「思想」はどこから来たのか、あるいはそこからの「希望」はあるのか、を考える助けに必ずなるだろう。
個人的には著者の坂口安吾の読みが好きだ。「生存それ自体が孕んでいる絶対の孤独(坂口安吾)」と「私文化(西川長夫)」が通底すると考え思索を進める著者には、「国民国家論の立て役者」の一言では括れないものがある。




