PHP研究所
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発売日:2008-01-26
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精神科医は信用できるか (祥伝社新書 103) (祥伝社新書 103)
カスタマーレビュー ![]()
憶測も含まれている
(2008-08-20)
タイトルの「精神科医はなぜ心を病むのか」ということに直接触れているのは第1章
と第2章のみで、第3章以降は薬物の効果に対する疑問や、精神科における診断のあや
ふやさ、精神医療の現状について述べています。
ずっと精神科医を身近で見てきましたが、確かに変わった方が多いというのは同感で
す。しかし、この変わった感じがあるからこそ、患者の多種多様な話を理解したり、付
き合ったりできるのだろうとも思います。単なる常識人なだけだと勤まらないし、最初
からこういう現場には興味は持たないのだろうと思います。また、とても重労働で過労
気味・ストレス過多でもあり、かなり大変な仕事であることもまた知っています。医療
制度の問題もあるだろうし、精神科医の絶対数の少なさも関係しているのでしょう。こ
ういう中で日々の臨床を営んでおられる精神科医は尊敬しています。
第3章以降は精神医療の現状などが色々と書かれており、少し貶めすぎのような表現
もチラホラありました。特に診断のあやふやさや薬の効果については、他の医学・科学
ほどバッチリと分かりやすく、明確に目に見える形で提示できるものがないので、どう
しても揺らぎのようなものが入ってくるのは仕方ないのかもしれません。精神医学が進
歩すれば明確になっていくのかもしれませんが、人の心という本来的に持っている揺ら
ぎがあるので、これはこれで付き合っていかないといけないのだろうとも思います。こ
の曖昧さに耐えれることが精神医療に従事することの一つの資格なのだろうと考えます。
また、本書は一般の方や患者向けに書かれているからか、明快さを念頭にしているよ
うに思います。その為、分かりやすくなっている反面、本当は複雑で、諸説あるものを
切り落としているので、学問的にはいささか間違いになるようなことまで書かれていた
りしました。さらに憶測や推測で書かれているところも多かったです。他にも「これは
違うだろう〜」というところも散見されました。例えば「フロイトは精神医学の父」で
はないとか。
色々と問題点もありますが、本書では精神科医や精神医療、薬物を完全否定している
のではなく、その中で大変ながらもやっていかねばならないというニュアンスは含まれ
ているので、その辺は助けとなるでしょう。
うつ病の方には参考になる事が多いと思います
(2008-05-13)
私は別の病気なので、参考になる部分もありましたが、物足りなさを感じました。うつ病についての話が多いです。
病気の事、完全には、わかっていないみたいだけど、わかっている振りをしている?精神科医に対して疑問を感じていたのですが、その理由がわかりました。
患者の病気が、なかなか良くならないので苦しんでしまう精神科医がいるのも私は驚きでした。
精神障害を抱えながら診察している精神科医がいる事実は衝撃的でした。
今までは、転院するのは、あまり良い事じゃないと思っていましたが、それは違うと言う事が
はっきりわかったのが一番の収穫でした。
勉強とゴシップが好きな研修医?
(2008-04-29)
精神医学の勉強と精神医療のゴシップが好きな研修医が書いたという感じです。世界的には
とか何々は常識という言い回しが多くありますが本当にそうか疑う箇所が多々ありました。
エキスパートコンセンサスガイドラインやカプランの教科書をよく読んでいるのは認めますが
筆者のこの本を書く意図はなんなのか良くわかりません。こんなことも知らない不勉強な精神
科医がいるんですという主張には自分はこんなに知っているというニュアンスがあって、ちょっと辟易しました。
「心の偽装集団」精神科医への警鐘
(2008-04-11)
非常に興味深く、考えさせられた
精神科医の自殺率が、一般人口よりも5倍も高いという米国医学会の
データには驚かされた。
そんな集団が中心になって、どうやって、この自殺大国日本を救うというのだろうか?
当事者である自殺にまで追い込まれかけている方々や、その周囲の家族などにとっては、冗談じゃないというのが正直な気持ちではないだろうか?
昨今、凶悪事件のたびに、何かと精神鑑定がなされ、そのたびに精神医学、及び、精神科医に
対して釈然としないものを感じていたところであったため…
タイムリーなテーマであった。
マスコミで騒がれる精神科医たちに対しても、大した考えでもない私見を、精神科医という肩書だけを免罪符のように、偉そうに語っている姿に不快感を感じていたし…
一人の人間として、とても魅力を感じられず、「あなたには診察どころか、友達としても
かかわりたくない」といった人も正直、散見されていたからだ。
もちろん、日々、真摯に臨床に励まれている精神科医、心療内科医も多いと信じたいが
厚生労働省から1人5分以上の診察時間をかけなければ、精神療法のお金をとってはいけない
などという通達が出たなどとメディアで耳にすると、そんな程度のレベルなのかと
愕然ともしてしまう。
人の心の問題など、薬だけで解決するほど単純ではないだろうし、そもそも、現在蔓延しているうつ病ブーム自体、どこまですべて病気として扱うかという問題もあるとは思うが…
そういう不確定要因の多い「心の治療」に携わる、著者のような精神科医、心療内科医の日々の苦労には敬意を表するものの…
そのような人類の命題とさえ言える、まだよくわかってもいないことも多い「人の心の問題」を、たとえば「脳内物質」の増減がさも原因かのように知ったかぶりしてサイエンスの名のものとに「偽装」することだけはやめてほしいと切に希望したい。
せめて、もう少し、心の専門家は、心の世界のことなどまだまだわかっていないことだらけ
なわけだから、勇気を持って知ったかぶりせずに謙虚な姿勢があってもよいのではないだろうか?
そういった意味で、本著は、「ここまで書いてだいじょうぶなのだろうか?」と読者が不安にさせられるような、さまざまな精神医療のタブーに踏み込んだ良書と言えよう。
精神科医療体制の自己点検。
(2008-03-20)
病んだ時に、手を広げて温かく受けとめてくれる高潔な士。彼自身は、いつも健康で、他人を治す技術の向上に、日々研鑚し、習熟している。精神科医を、そんな風に考えて、病人は診療室の扉をノックします。
しかし、どうもそれは、病んだ側の勝手な思い込みらしい。現実の精神科医は、多忙で、疲れており、自殺者も多い。日々、多くの外来患者を診る上に、入院患者も診、その上に総合病院なら、プシコだとして回されてくる患者も診なければならない。またチームを組むソーシャルワーカーやカウンセラーなども足らず、それらの代役さえする。人員不足の原因は、受入れ人員の増加を上回る患者の激増。医療費削減しか視野にない迷走医療行政のつけ。収入増加を求めて総合病院から撤退する医師達。等々。
精神科医が病になる原因は、苛酷な職場環境だけではないようです。心の治療行為は、外での手仕事ではなく、己の中の出来事になるので、結果を自分の中に引きずり、治療者は短時間で回復できず、疲労が蓄積されていく。また心の病に親和性がある人が専門医になる傾向があり、他科に比べて病になる比率が、高いそうです。
治療現場にも、問題があるそうです。外国では、投薬の種類、認知療法の評価など治療法自体が、常に進歩し変化しています。その最新知識が、現場に生かされてこない。それを習得する機会が、国内にいる限り、大学教育でも、職場にもないそうです。このように職場の現状観察と問題摘出は、鋭いのですが、未来を開く解決の方策、改革案は、うまく読み取れません。その為、普通の人には読み進むと、心が重くなります。
最終章で、Psychi先生の眼差しは、ようやく我々に向かい、最新の治療法と医者の賢い見つけ方を案内しています。精神科医と病者、健常者とは、同じ直線上に僅かな距離をとって位置しているようですから、病に罹ってから、慌てぬために、事前に、ここだけ読んでおくのもよさそうです。




