筑摩書房
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カスタマーレビュー ![]()
難しくてわからない
(2008-04-08)
表紙に書かれていることに興味を持ち、まえがきも非常に興味深かったのですが、
第一章が始まるなり哲学書と化し、語彙も表現も堅苦しく、小難しくてよくわかりませんでした。
「異文化間の関わり方はまことにパラドクシカルなのである」なんて言われても、
「そうですね」と読み進めることなんてできません。
色々勉強なさった方なんでしょうけど、私には難しすぎました。
柔軟な「知」
(2008-02-05)
最近イタリアが気になるので読んでみた。
「ポストコロニアル」で「ポストモダン」で「文化相対主義的」な観点でイタリア文化に関する日本人の考えをを再検討して「脱構築」するというもの。タームがうさんくさくて今読むととてもうさんくさくて恥ずかしくなる一冊。
まあ、しかし主題の問いの立て方はまっとうで、イタリア人は反国家主義的で個人主義的なのか、ということを議論しているのだけど、その中でこんなことを言っている。
<イタリア人の個人主義や半国家主義は、権威・権力・国家機構などに対する不信だけではない。知的体系に対しても疑惑・懐疑を抱いているのが特徴的である。これは知識人の態度にも反映する。イタリアの知識人は絶対的な理念を真剣に抱くことは稀である。絶対的な理念は単純で退屈なので、むしろ、イタリアの知識人は柔軟で変更可能な「知」を好む。>
そうなのかも。確かにイタリア人に何人も会ったけど、こういう考え方は感じるような気がする。
あんまり関係ないかもしれないが、イタリアは世界最高のサッカーリーグがある国である。サッカーは、もちろん団体競技なんだけど、<柔軟で変更可能な「知」>みたいなコンセプトととても相性がよいはずだ。監督の持ってる「知」にしたがってても勝てるはずないんだぜ。
イタリアとは?
(2006-12-20)
日本で流布している「イタリアのイメージ」が、イタリアそのものが発し日本人が受け止めたイメージではなく、日本の内的イメージの投射ではないかと筆者は考える。
まあ一般に、人間の理解とはそのようになされるものかなあ、と言う気はします。人間は「理解したい」本能があるんだろうね。ウソでもいいから、信じられる程度の理由さえつけば、「理解」しちゃうんだよね。でもその安心のための「理解」は当然必ずしも真実ではなく、また事実/真実はそうやすやすと「理解」できるものでもない。と言う気がする。そのへんは、科学的に調べても物体/現象のすべてをりかいしたことにはならず、人間が理解可能なある側面をみているにすぎないのと似てますね。
それから、いろいろ面白いところはあるのだが、ひとつ面白かったのは、「近代国家」と「近代国民」をつくるうえで、徴兵制は重要な役割を果たした、とあるところで、イタリアではいまでも徴兵制があるが、イマイチ不徹底で、「近代国民国家」を作るのに成功したとは言えない。逆に、日本では徴兵制がないのに、うまいこといっているのは、戦後「会社」が徴兵制を代替する役割を果たしたからではないか、そうかんがえるとイタリア人と日本人の労働観の違いをうまく説明できる。というところ。面白い。
少なくとも二つの利点あり!!
(2005-03-31)
この本はありていに語られるイタリアのイメージに多少疑問を持っている人に特にお勧めだと思います。
それらがそもそもイデオロギーに作られたものである!っという前提に関しての説明があり、そこから実際のイタリアがどのようなものかを説明してあるので、非常に説得力があり、かつ、イタリアの抱える問題や思考方法など、あまり他の本では目にする事のないことについて論じられているので、得られる情報も参考になる部分が多いです。
また、この本は妙に「日本人である自分」というものを意識させられる本でした。読み進んでいくうちに、日本人的な思考に自分がどれほど陥ってしまっているのかがどんどん暴かれていく感じでした。
その意味でこの本は、よくありがちなイタリアをめくらめっぽうに礼賛する類の入門書でもなく、もしくはこちらもよくありがちな「いい加減でダメな国イタリア」ということばかりを言う類の本でもない、「公平」な立場に立って書かれたイタリアに関する入門書であるとともに、比較文化学などの方法を学ぶにも最適な本ではないかと思いました。
読んだらきっと、イタリアに対して抱くイメージはこういうプロセスで作られ、ステレオタイプ化されて語られるようになったんだな〜なるほど!っと満足なさるはずです!!
多様なイタリアを活写
(2003-06-27)
イタリア料理を軽々しく「いためし」と呼んだり、イタリア人を「怠け者」だと勝手に思い込んでいる人間に強烈なパンチを与える一冊。
イタリア半島は古来より、サヴォイア家主導によるイタリア王国成立まで統一民族国家が存在したことがない(古代ローマは、都市国家から発展した帝国であって半島に限定した民族国家ではない)。よってイタリア人にはみずから「イタリア人」であるという意識が希薄だと著者は述べる。NHK講座で習うイタリア語が実は、トスカーナ地方のフィレンツェという特別な都市の言葉で、他の大多数のイタリア半島に住む人にとっては「外国語」みたいなものだということを明らかにしている。
またイタリアではドイツ系、アルバニア系、スロヴェニア系などのマイノリティーが多様!性の中で自らの生活様式を守りながら「イタリア人」として生活している事実を指摘し、コリアン系など外国人に対して閉鎖的な日本人にさりげなく批判を加えている。
何でもお上だよりの日本人と違い、マキャベリ、グィッチャルディーニなどの政治思想家を生んだイタリア人は、政府や政治家を決して信用しないというのは多いに学ぶべきだと思った。
他にもイギリス、フランス、ドイツといった西欧諸国になじんだ日本人に、イタリアという別の人生観、生活様式を営んでいる人たちのことがいろいろな角度で紹介されている。
ヨーロッパのもう一つのあり方「イタリア」を知る好著。




