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多機能orコンパクト タイプで選ぶ 抱っこひも特集:ベルーナたまひよの内祝い

アイテム詳細

山田 風太郎

筑摩書房

グループ:Book

ランキング:22158

価格:¥ 998

発売日:1997-08

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カスタマーレビュー

理想と現実、それぞれの限界  (2008-08-15)
明治政府において、役人の不正を断罪するために設置された〈弾正台〉。

本作は、弾正台大巡察・香月経四郎と川路利良が
遭遇した奇怪な事件の数々を描く連作短編集です。


まず、なんと言っても主人公の経四郎のキャラが秀逸。

洋行帰りでありながら、普段は平安貴族のような水干姿をした美青年で、
剣の名手でもあるという、いかにも〈名探偵〉役にふさわしい造形がなされています。


また、パリから彼を追いかけてきた死刑執行人サンソン家の
九代目に当たる娘・エスメラルダも、じつに魅惑的。

謎解きの場面では毎回、彼女が白絹の衣に緋の袴をつけた巫女に扮し、
口寄せによって「死者による告発」をするという、けれん味たっぷりの演出がなされます。


本作の個々の事件では、明治という時代背景と密接に結びついた
道具立て・趣向による、機械トリックがメインとなっています。

しかし、最終章において、それぞれの事件は、あるパースペクティブの元で組織された
大仕掛けの「カラクリ」の一ピースに過ぎないことが明らかにされるのです。


結末は哀切な悲劇ではありながらも、どこか痛快で爽やか。
山風一流の人間賛歌の顕われといえるでしょう。

大事を成すには小事を捨てよとあなたは思いますか  (2006-10-17)
この全集、山田風太郎の明治時代を舞台にした物を年代事に収録した物だが本作は7冊目にあたるが、番外編的な位置づけで時代的には1作目の警視庁草紙よりも前の明治初年(2〜4年)を舞台にした物。内容も他と違って推理小説となっているので、山田風太郎が初期の頃に書いていた推理物を彷彿とさせます。そういう事もあって時代小説としては、かなりの奇奇怪怪、荒唐無稽な内容です。まあその荒唐無稽の面白さが他作にも見られる山田テイストなのですが、中身は主人公の一人経四郎がフランスから連れてきたエスメラルダが巫女に扮して冥府から死者を呼び、事件を解明するといった奇想天外な推理小説の形を取り、まあ幻燈辻馬車でも幽霊が普通に登場してきたので、ちょっとやりすぎではと思いつつも、話が進むにつれこれが奇想でも幽霊話でも何でもない事に気付きます。推理物なのであまり詳しく書けないがまあ映画「ダーティハリー2」とちょこっと似ています。また経四郎と川路利良の人物の対比を事件を絡めてそう描くかと感心しきりでしたが、ラストの驚愕の展開までは読めませんでした。未読の方は読んでその驚愕の内容を楽しもう。ただ残念なのはエスメラルダの人物描写が希薄な所ですね。結局仕掛けの道具としての存在でしかなかった。ただ、エスメラルダが最後に帰る船の名はオルレアン号、エスメラルダは山田流ジャンヌダルクの化身なのですかね。役人の不正を暴く弾正台は明治4年廃止されます。そして正義の弾正台役人経四郎にとっての天使ジャンヌダルクでは無く、正義でない明治政府のジャンヌダルクとして書かれたと推察すれば、その存在に納得はいきます。

うなりながら読みました。うまい!!  (2005-12-22)
連作短編の本格もの。機械トリックが多用されているのは解説の通りであるが、最後の1編でそれらも吹っ飛ぶトリック炸裂。うまい!!で、機械トリックの難しさも少し考えた。心理トリックと違い、頭での想像が難しい点。ただ単に私の頭が悪いだけかもしれないが。
 私としては本格もの好きの人には買いの1冊と薦めたい。

エスメラルダたんハァハァ  (2005-06-29)
山田風太郎の小説は間違いなく面白い。
最後のオチが大方予想できたとしても、その予想を遥かに凌駕する面白さを持つ展開が常に用意されている。
その展開は我々一般読者を良い方向に呆然とさせ、感涙せしめ、
そしてそのストーリーテリングの能力にただただ感服するのみである。
が、本書に関してはいささか違う。
本書の核は、金髪碧眼のフランス人美女が明治の時代に巫女装束で登場する、という一点に或る。
コスプレや萌えという概念が一切なかった昭和70年代にこれほどのインパクトのある
萌えキャラが山田風太郎の手によって書かれていたという事実に驚嘆せざるを得ない。
こうして考えてみると「甲賀忍法帖」の朧のドジっ子っぷりや
「風来忍法帖」の麻耶姫のツンデレっぷり、
「おんな牢秘抄」の霞の天然っぷりなど、
あらゆる萌え属性は山田風太郎が完成させていたのかもしれない。

あっけにとられるような、問答無用の面白さ!  (2005-01-09)
 まず、いくつかの話の中で使われる事件のトリック、それが面白かった。
 明治時代の初頭、新政府の警察機構の一環として出来た太政官弾正台の大巡察、川路利良と香月経四郎が、同じ事件に対してそれぞれに推理し、解決しようとします。手下の邏卒を使いながら、両名が探偵合戦を繰り広げていく。そして事件の真相が解き明かされる場面では、異国はフランスの美女、エスメラルダが絡みます。事件で殺された被害者の魂を死の世界から召喚し、真相を告げる巫女の役割を担うのがエスメラルダという美女。それで、事件のトリックが実に印象的で、鮮やかなんです。機械的なトリックを始め、犯人が仕掛けたからくりが見事に決まっていました。「怪談築地ホテル館」や「遠眼鏡足切絵図」でのトリックが、特に面白かった。

 歴史の教科書に出てくる著名な人物たちが実名で登場するのも面白かった。作者の遊び心と言ってもいいかな。後年、名を残すことになる人物が、意外なところでひょいと出てきたり、子供として登場したりするシーンに、「およっ」とか「へえーっ」とか、心の中で声を上げていました。

 そして、連作短編集としての仕掛けの妙を最後の章で堪能させられたところ、ここは強烈でした。「正義の政府はあり得るか」というラストの章で、それまで隠されていた切り札が目の前にさらされた時の驚き! それまで寝転んで読んでいたところが、がばっと起き上がりそうになったくらい。ここはまた、作者からの鋭い告発にもなっているなあと思えば、ただただ呆然としてしまうよりほかありませんでした。

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