筑摩書房
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図説 ケルトの歴史―文化・美術・神話をよむ (ふくろうの本) (ふくろうの本)
カスタマーレビュー ![]()
読みやすいお話
(2008-06-24)
アーサー王伝説にも詳しい井村君江氏が、ケルト民族のことやケルト神話の物語について易しくまとめた一冊。
まず、ケルトとはどういった人々であったのかを、発掘調査の結果やカエサルの『ガリア戦記』等から辿り、紹介する。
未だ謎の多い民族であるものの、遠い昔の彼らの生活ぶりが生き生きと描かれ、ブローチ等の出土品の写真も見られる。
強い力をもつドルイド僧を従え、時にいけにえを捧げ、法や物語を語り継ぐ口承伝統を持つケルトの文化がまとめられている。
ついで、天地創造の挿話が現存していないケルト神話の中から、アイルランドのものを取り上げ、
「ダーナ神族」について及びその後の時代の「アルスター神話」を語る。解説と物語が混じりあったような文体で、
物語を楽しみながらもケルト神話に関することも学べるような感じに構成されている。
いろいろなものに変身しながら生き、戦車を駆って激しく戦う神々が登場するダーナ神族の神話から、
戦車でなく騎馬で戦い、騎士道ロマンスに近い雰囲気になってくるアルスター神話への変遷が興味深い。
別世界や魔法、僧の予言、愛や冒険など、後世のアーサー王物語やファンタジーに連なる要素も多く、楽しめる文庫。
多くの見慣れぬ地名人名が登場し、少々ややこしかったが、otherworldとアイルランドとを自在に行き来する不可思議な物語群に
ざっと触れることのある便利な一冊である。文章は語り口調に近いですます調で、読みにくい部分もある。
地図が欲しかった!
(2008-02-23)
神話の世界は登場人物名から地名の由来が説明さたり、物語の舞台になるなど現実との強い繋がりを持っています。また歴史などもそうですが、話の流れを理解するうえで地理的知識は欠かせません。本書の舞台は外国で主にアイルランドであり、川や山・湖・湾など大まかな世界地図には出てこないような地名が頻発します。しかもそれが先に触れたように物語と密接な関係にある。物語をより楽しむためにも地図がなかったことは、とても残念でした。
その点でも新潮文庫の呉茂一著『ギリシア神話』は4ページ分の地図一枚が上巻の最初に挟んであって、大助かり。
見開き2ページでいいから地図が欲しかった!文章自体は簡潔かつ平易で良かった分、惜しんでしまいます。
巧みな語り口
(2005-03-01)
1983年に出たハードカバーの文庫化。
アイルランドに伝わる神話を手際よくまとめ、紹介した一冊。
ケルトとは題されているものの、「島のケルト」、なかでもアイルランドに限られている。それでも「ケルトの神話」と大きなタイトルが付くのは、やはりケルトといえばアイルランドという意識があるからだろうか。
全体は5部に分かれており、井村氏によるアイルランド神話総括、全体俯瞰に続いて、「ダーナ神族の神話」、「アルスター神話」、「フィアナ神話」の3つの神話群が紹介されている。アイルランド神話の特徴は、古い神々と新しい神々が幾重にも折り重なっている点にあり、いきおい新旧の神々の戦いがモチーフとなる。神々というよりも人間的な感じも強く、英雄物語、騎士物語のようにも思える。
「ダーナ神族の神話」、「アルスター神話」、「フィアナ神話」の部分は、さまざまな神話を井村氏がまとめなおして語る形式。井村氏の文章と原文が見事に混じり合い、美しさと不思議さを残しながらも、わかりやすくすっきりしたものに仕上がっている。入門書としての完成度は高いと思うし、読み物としても充分な水準に達している。
しかし中途半端な印象が残るのも確か。神話を読むなら原文のままを翻訳して掲載しても良かったのではないだろうか。
ケルトの不思議な世界に出会えます。
(2004-08-01)
アイルランドに残されたケルト神話の、格好の入門書である。ダーナ神族の神話、英雄クーフリンを中心とするアルスター神話、そしてフィアナ騎士団の物語について述べられているので、読者は標準的なアイルランドの神話物語に触れることができる。ケルト神話が初めての人にとっては、内容的にも、値段的にもありがたい1冊になるはず。著者の語りは丁寧で、分かりやすい。また、序文でケルト人の文化について簡単に解説してくれたり、あとがきでケルトを学ぶことの意味について述べてくれることもうれしい。神話を読んでちょっと驚いたのは、ケルトに輪廻の考えがあったこと。…でもよく考えると、北欧の『古エッダ』にも転生について述べた話があった。このように、キリスト教が伝播する以前の古ヨーロッパの精神や文化に接することが出来ます。ケルトに興味のある人は、ぜひこの本を読んで、ケルトへの関心を深めてほしいですね。
ファンタジックな世界へよ〜こそ。
(2004-03-18)
ドラクエやFFでお馴染みのモンスターや妖精、英雄の由来が
判るケルト神話解説本。
指輪物語とも深い繋がりがありますし、ファンタジー系が好きな
人や世界の神話が好きな人は一度目を通してみるのも悪くないかも。
この本に紹介されているのはほんの一部ですが、それでもケルトを
知る切っ掛けになれば…と思います。




