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多機能orコンパクト タイプで選ぶ 抱っこひも特集:ベルーナたまひよの内祝い

アイテム詳細

久坂部 羊

幻冬舎

グループ:Book

ランキング:2306

価格:¥ 756

発売日:2006-11

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カスタマーレビュー

人生には運・不運があると思いつつ、諦めきれないのが人情というもので…  (2008-02-07)
 「おわりに」の冒頭に、「これまでの日本の医療は、曲がりなりにも機能していた。それはわずかな犠牲の上に成り立っていたともいえる。その犠牲をゼロにするために、さまざまな改革が行われ、結果、皮肉にも日本の医療が崩壊に向かいはじめた」(p211)とある。実際、本書はこれを具体的に例示しつつ展開しており、読むに値する内容になっていると思う。書名で食わず嫌いしないほうがいい。
 私などはこういう本を読むと、つい一般化して、複雑性を孕んだ制度設計の難しさを示す事例研究として理解してしまいそうになる。しかし当たり前ながら、それでは本書固有の意味が失われてしまうのであって、医療の問題は医療の問題として検討すべきなのだろう。
 著者は「(医師にして)作家」の立場から、「(ただの)医師」には口にしにくい本音も代弁し、裏事情も明かしている。おかげで医療の現状はよく理解できた。ただ副作用的に医学の脱=神秘化にも寄与しており、本書を自己利益の最大化のためのマニュアルとして用いれば、医療崩壊を加速してしまう可能性もある…って、私自身、今後医者にかかる時、本書の情報を計算に入れるだろうなァ。
 ところで医師不足は産科・小児科・地方だけではない、近い将来に外科医も不足する、と話を振った後、「ある教育病院の外科部長は、新人確保のために、研修医にどんどんメスを握らせると言っていた。メスで人体を切る快感を味わわせ、外科に引き込もうという作戦である」(p180)とある。「そんな理由で研修医に切られる患者はたまったものではない」のも確かだが、私としてはむしろ、外科医が「メスで人体を切る快感」を味わっていたんだ、ヤッパ、という点の方が怖かった。

タイトルの印象とは違い、冷静かつ暖かな目で大学病院を見ています  (2008-01-25)
 大昔に流行った「交番のウラは闇」をもじったようなタイトルでしたので、医学部の告発本かと思いましたが、中身は全く違いました。
 
 「医療は決して完璧な科学ではない。今でもわからないことはたくさんあるし、失敗も多い。」しかしながら、医者の側がこの点を見てみぬふりをした結果、患者側には安全に対する過剰要求が生まれると同時に、それに応えようとする医師の側が疲弊しています。

 著者は、医師の側にも問題のあることをわかりながら、毎日過酷な労働条件で疲れている医師を暖かな目で見守っている様子がよく分かります。これが、著者の言っていることに大きな説得力をもたらしています。

 そろそろ国民(=患者)の側も医療に対する幻想を捨てるべきだと思いますが、そのためには医師の側も国民に対してしっかりと説明すべきではないでしょうか。
 その際には、患者を煙に巻いていた業界全体の体質を反省し、開き直らず、偉ぶらず、事実を淡々と語ることで突破口が開けると思います。そして現場で頑張っている医師の真摯な姿を見てもらえれば、国民も分かってくれると思います。

診療科を成績で振り分けろというのは暴論  (2008-01-19)
数々の鋭い指摘にもかかわらず、最後の結論部分「外科や内科などの生命にかかわる診療科は成績優秀者だけが選べるようにすべきだ」というところは、まったく見当違いである。そのような診療科が、報酬が高く、人気があるのならともかく、現実は逆なのである。「生命にかかわる診療科」は拘束時間のわりに給与が安く、人気がない。また、本人の希望でない診療科を強要した場合、モチベーションは低下し、ろくな医師になれない。つまり、「成績優秀者を重要な診療科に強制配置」した場合、かえって医療の質は低下してしまう。医師である著者になぜそれがわからないのか不思議で仕方がない。

実情は知れども。  (2007-12-06)
医療現場や大学病院の問題点が丁寧に書かれている点は評価できます。なぜ、医師不足が起こるのかといった時事のことを理解できます。読む価値はあります。

一方で、本書は医療関係者向けではと思えます。患者が制度の細かい点まで気にするメリットを本書からは感じられません。著者の提言も政治的かつ高度で、患者(一般人)レベルでの近々の対策とは言いがたいでしょう。

事実関係を丁寧に示した点を5点、想定読者の差異を−1点として計4点としました。

中立的な立場を貫く  (2007-11-12)
作家であり医師である著者が、崩壊しつつある現代医療における問題点や互いの認識のずれを、患者の視点と医師の視点、さらには大学病院(医局)と一般病院の視点から述べた書。非常に読みやすく、医学知識がなくても理解できるため、患者医師を問わず広い読者層をターゲットとしているようだ。

タイトルから内容を想像してしまうと、大学病院や医局が無茶な医療や人体実験などを行っていて、一般病院では死ななかったはずの患者が大学病院では死んでしまうかのように感じてしまうかもしれない。しかし、読んでみると内容はそうではなかった。医療とは現状を維持するのではなく、改良し続けなくては行けない。さらに、全く経験のない若手医師を一から教育しなくてはならない。このような不可欠な役割を担う機関が大学病院であり、かつそこで働く医師は過酷な労働条件で報酬も悪いと述べている。現在行っている医療のデータを次に活かすという手法は、見方によっては人体実験であるが、現在の医療は同じようにつくられてきた歴史があり、これを否定するのは困難という立場をとっている。

医療崩壊、特に地域医療の崩壊は、新しく導入された研修制度に原因があるとする説明は根拠がある。医師が医局を離れ、自由に職場選択が可能となると、好き好んで僻地に行くことはしない。地域医療の深刻さを理解していても、医師としてのレベルを向上させるための研修が地方ではできないため、未熟なままで地域に貢献することは困難なのである。

医療問題に関しては、小松秀樹氏の『医療崩壊』と共通する部分が大きい。しかし、医師と患者の双方の視点から、より公平に現状を説明しているようにも思える。また、医局に対する立場は、小松氏が否定的であるのに対し、本著者は肯定的に見ている。地域医療についての考察を見ると、本件に関しては本書の方が説得力あるように感じる。手術による医療事故事例の検証については小松氏に分があるようにも思える。

教授の絶対性に問題ありとしている点に関しては、企業であっても政治であってもその責任を理解しない者が役職に就けば同じことのように感じる(薬害などをみてもそうだ)。この構図は、同じ聖域である一般の病院にもあてはまっているように思える(病院長には逆らえない)ので、これをもって大学病院を悪とできるかどうかはわからない。

本書のように、社会問題を扱う場合、必ずしもデータを根拠にできない場合も多く、また、著者が直接接した病院や大学の現状によっても論調が左右される可能性があって、どこまでが正しいかは読者にはわからない。しかし、報道に見られるような医療の現状を矛盾なく説明できており、大まかには正しいものとして受け入れられると思う。正しさの判断は読者任せになるが、読んでおいて損はない。以上加味して星4つの評価。

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