光文社
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レビュー(Amazon.co.jp)
芸術家の書く文章の魅力は、何と言っても彼らの創造の秘密をのぞかせてくれることだ。「芸術は爆発だ」であまりに有名な岡本太郎による本書もその例に漏れない。本書は、美術、歴史、民族学など広範な知識を駆使し、論理的に展開しているが、創作者の実体験に基づく論述だけに退屈させない。また全編を貫く著者の芸術に対する深い信念が文章に勢いを与え、読者を魅了する。
前衛芸術の啓蒙書と言うべき本書において、著者は「今日の芸術は、うまくあってはならない、きれいであってはならない、ここちよくあってはならない」を芸術の根本条件として宣言し、芸術の本質とは常に過去を否定し乗り越えることであると示す。そして現代社会で失われた人間性を取り戻すため「これからはすべての人が描かなければならない」と主張し、人々を芸術行為へと誘う。1974年に刊行された初版の序では、著者自らが芸術に関心のない人にこそ読んでもらいたいと言っている。芸術は特権的なものではなく、人間の根源的な欲求だからである。
復刻版では横尾忠則が序文を、赤瀬川原平が解説を書いている。刊行当時、芸術を志す者に競って読まれた本書は、簡略だがオーソドックスな美術史入門でもあり、「謙虚は卑屈」と断罪する日本文化論でもある。しかし何よりも、停滞を嫌い常に前進する画家の人間像が印象に残る、本人による「岡本太郎論」と言える。(林ゆき)
カスタマーレビュー ![]()
セックスピストルズ
(2008-01-20)
全てをぶち壊しにして「また一から始めようぜ、俺たち」とか。
この本のすごいところは誰にでもわかるような言葉で繰り返し繰り返し、それも力強くメッセージを投げとるとこやと思う。「なんでわからへんねん!」みたいな苛立ちすらも感じるぐらい終始一貫しとる。
それが奇才だの天才だの言われた、なにせとにかく常人離れしたおっさんのようなイメージのある岡本太郎さんから投げられとんねんから。「俺もお前も何も違うとこないぞ!」という。
優しさに満ち溢れた本です。
芸術という言葉を他の身近な言葉に置き換えて読んでもいけます。
芸術論を超えてしまった芸術書。
芸術を志さない人でも同じ温度で感じられれると思います
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刺激的でテンションが上る!!
(2007-12-30)
恥ずかしながら、岡本太郎のことは「芸術は爆発だ」でおなじみの、凡人には理解でない風変わりなおっさんくらいにしか思っていなかった。
しかし、本書を読んで、頭脳明晰で論理的、正しいことを言っている人だとわかった。
なぜ芸術はきれいであってはならないのか、芸術とはなんなのか、そういうことが分かりやすく書いてある。さらにそこから文化論、教育論、伝統論、人間論にまで展開していく。
刺激的でテンションが上る。優れた一冊だと思う。
人にすすめたくなる一冊。
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今なお新しい芸術論
(2007-10-19)
この本が書かれたのは1954年だが、そんな古さは微塵も感じさせられない。
古い伝統に縛られているのは芸術ではない、芸術は新しくあるものだ。
古き形式を守るのは芸であって芸術ではない。芸と芸術はむしろ正反対である。
いわゆる抽象画は、特に最近のは、わからないのが多い。
しかし、絵はそもそもわかるとかわからないとかの問題ではない。感じるものだ。
そういえば、抽象画を見ていて、何かドキッとしたり、吸い込まれていくような感覚を持つことがあるが、ああいうのだろう。
絵はすべてのひとが描くものである。
絵を描くといっても、世間でもてはやされているような名画を真似て書くのは愚の骨頂だ。
絵は、自分の感情を外に出すものだ。それが出来れば、下手でかまわないし、むしろ下手な方がよい。
今度絵でも描いてみようかな、と思わされた一冊。
その前に美術館かな?
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岡本太郎の哲学
(2007-09-13)
芸術になぞらえて、岡本太郎の哲学を語った一冊です。
常に新しい問題に全身を打ちつけて、古い己を乗り越えながら生きていなければ、
楽しくないし、生きている気がしないだろうと、鮮烈な言葉で語りかけてきます。
世間体と見栄にとらわれることなく、ありのままの自分を積極的に表現する。
「謙虚になる」とは、自分自身を正直に表現することによって体現される。
そんな生き方をすると、いたる所で壁にぶつかり、絶望するだろうけれども、必死になって乗り越える。
それでこそ生きている価値がある。
なんて素敵な人だろうと素直に思いました。
本気で生きるってこういうことなんだと教えてもらいました。
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爆発してる哲学論
(2007-03-16)
現代社会、特に日本において芸術のもつ人間的、社会的な意義が説かれていました。
個人の個別性が排除され交換可能な「抽象的」な存在とされてしまい、ブランド品を買う、オシャレなレストランで食事をするなど「消費」することでしか自分の存在を差別化すること、確かめることが難しくなっている現代社会の中で、自己疎外・虚無感から脱却するために無と真正面から対峙して自分自身を「創造」することの大切さが訴えられていました。
まえがきにもあるように、芸術にまったく関係のない小生のようなサラリーマンにも響いてくる内容でした。芸術論というよりも現代社会論、哲学論といった趣です。
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