勁草書房
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発売日:2006-02-14
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ヒトがことばをつかむとき
(2006-03-25)
ヒトは生まれつき(遺伝的に)ヒトであるのではない。幼い生命が社会的なコミュニケーションをくりかえすなか、その舞台となる文化的な背景あるいは記号の森の広がりを知り、その学習の過程のなかで人類の進化の歴史を追体験することを通して、ひとりのヒトとなっていくのである。認知科学(心理学)や進化人類学をはじめとする分野の最新の研究成果が豊富に引用されながら、人間ならではの世界に対するものの見方・経験の仕方の起源の謎に一定の答えが出されていく。けっこう、興奮した。
人間は他者の意図を理解(誤解)できる。だからサルではない。うまれて九ヶ月後ぐらいからは、決定的にサルではなくなる。まわりいる姿かたちの似た生き物たちの行動を単に知覚するのみならず、その背後にある主体の意図性やその文脈の因果関係を察知し、それに応じて行動するのだ。あるいは、その意図に共感できるがゆえに他者のモノマネができる。こうして幼いヒトたちは生きるための技法を学び、と同時に文化の継承者となり伝達者となる。たまには創意工夫によって新しい文化的な記号を発明し、その使い方の意図を後に生まれてきた幼きヒトたちに理解してもらう。こうして、歴史は進む。
世界に存在するモノやコトは限られているが、しかしそれを意味づけるための言葉は驚くほどたくさんある。個体に応じて様々な視点があるからだ。その複数の視点を自己の内面ですりあわせ反省しながら、人間は成長していく。しかし、その成長は個人の努力のみによるのではない。すでに無数の先人たちが、様々な他者の意図や視点を調整しながら、その文化に適合的な言葉を厳選してきてくれているからだ。
だけでなく、人間はメタファーを巧みに使用できるし、さらには言語からカテゴリーを抽象化したりとメタレベルの意識にも到達できるようになる。どうやってか、は、本書で細かに説明されている。本書で学べる知見をもっと紹介したいものだ。とにかく、一読してみて(時間的・マネー的な)損はしないと思います!




