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多機能orコンパクト タイプで選ぶ 抱っこひも特集:ベルーナたまひよの内祝い

アイテム詳細

福田 和也

文藝春秋

グループ:Book

ランキング:87914

価格:¥ 760

発売日:2004-09

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カスタマーレビュー

日本の近代史のおさらいにどうぞ  (2008-05-30)
石原莞爾の人生を書くために、戦前の世界情勢まで書かなくてはならなかった、という本
綿密かつ有機的に絡まり合った世界情勢や日本の情勢が
石原莞爾の人生の各場面の行動や思念に大きな影響を及ぼしていくわけである
評伝というのは当人の人生、ついでそれに関連する身近な情勢を、と書いていく
ちょうどそれとは正反対の書き方なんだよなあ
結果として戦前の歴史を書いた中で石原莞爾がいるって感じだ
なぜこういう書き方を選んだのか、といえば著者が石原莞爾が好きで尊敬していたからだろう
兵士には優しく、雄大な理想を持ったアジア主義者であり、天才的な頭脳をもっていて
あるいは世界情勢の本質を見抜き、来るべき時代の行く末を見抜いていた、そういう肯定的な評価
組織のルールは一切無視するKYな人物、満州事変を引き起こした侵略主義者、そういう否定的な評価
肯定的な評価だって兵士に優しいってのは人格面だと見ることもできるし
あるいは晩年の予言者的な振る舞いから現実を超越した人物と見ることもできる
しかしこれらの要素を優れた戦略家の人格として一本の筋を通して説明しようと思うと
言動という出力に対して当時の情勢という入力を説明する必要がある
だからこその遠大な本になったんだろうなあ、と
評伝も批判するためや心酔しているだけなら半径数メートルの記述だけで済むわけだがな
また当時の情勢をどう理解して行動したか、というのを同じ目線で書かなくては
歴史の教訓を引き出すことは不可能なはずなのだ。今の基準で裁くな、と
WW1の戦史から経済まで広大な分野に関しての描写があるので
戦前の歴史を一気におさらいすることができるって意味では異様にお買い得

日本の歴史を考えるとき必読の書  (2008-03-20)
一人の軍人の半生を描きながら、日本の戦争の歴史を振り返っている。
上巻では明治の日清戦争から満州建国までを描いている。

今までこの時代を扱っているの著作を手に取ったとき感じていたのは、、右か左かはっきりとしたものが多かったこと。
ただ軍部を糾弾するものか、弁護に徹しているものかばかりだったような気がする。
しかしながら、この書は、比較的中立な立場で日本の歴史に触れているように思う。

また、記述は軍部にとどまらず、政治経済、国際問題、ヨ-ロッパ戦史などを網羅しており、
当時の世界の情勢が手に取るようにわかるようになっている。

石原の考えを検証することにより、論理的に歴史を考察しており、日本の敗戦の原因をドイツの第一次大戦までさかのぼる考察には、目から鱗が落ちる思いがした。

日本の戦争を考えるとき必読の書であると断言する。

歴史は文学者に書いてもらうのが良い  (2008-02-23)
 岩波系の歴史を学ばされた世代です。戦前は、日本軍の非道、中国侵略、ファシズム、超国家主義による暗黒の時代などと簡単に言うことは易しい。マル系の進歩史観で歴史を善、悪の観点から書かれすぎた。世界平和、国際協調、門戸開放、人種差別撤廃、互恵など美辞麗句の裏には実はしたたかな西欧中心の知恵と狡猾があった。学校では諸国民の信頼と善意によって歴史は動いていくように習っちゃった私。結構、児島譲さんの歴史ものなど読んではいたんですがね。自虐史、自慰史でもない歴史を誰か書いてくれないかなと思っていたところ、いい本にであいました。江藤淳は日本人特有の変身願望を戒めました。歴史、政治は大衆の願い、熱い善意でなんとか変えられる、いや変えねばならないという清水幾太郎も晩年転向しました。社会学者には書けない文体、内容です。いろいろ考えさせられるいい本です。

高い期待を持って読んだが、これでは安い歴史講談  (2008-02-19)
満州事変の首謀者石原の実像にせまりたいと思い高い期待を持って読んだ。もちろん最終戦争論は既に読んだ。しかし期待は裏切られ、失望し逆に読み進むにしたがい怒りたくなった。石原に敬意を持ち昭和史を真剣に考える人ほどそう思うだろう。石原への思い入れで身勝手な理屈や歴史解釈そしてウソが目に付きこれでは「ほめ殺し」。逆に石原の実像を小さくしている。この本で昭和史を学ぼうなど思ってはならない。著者の限界を見た。どうせなら猪瀬直樹に書いてもらいたいと思った。石原の理想に対比してリベラル派をこきおろすがそれはリベラルの過小評価。理想を持ったからといってそれが深い思想を反映するとはかぎらない。たとえばヒトラーは理想を持ったがそれは身勝手な理想。歴史で理想とは多くの場合危険なのだ。満州事変で「天才石原」は「20倍」の敵に勝ったというがやめてほしい。著者は40万の軍隊というものを想像できないようだ。それでは張学良の「軍隊」は当時の日本軍(常設17個師団)全体よりも多いことになる。軍隊というのは装備、組織、指揮系統、補給など無しに存在できない。石原を持ち上げるあまり安っぽい歴史講談を創ってはならない。また当時の他の陸軍参謀でも事変程度の作戦立案はできた。事実その後はるかに複雑な作戦が多くの参謀により立案された。より重要なことは石原が実行したことだ。石原の思想の形成に関する記述はあまりに少なく不満。特に石原がドイツで受けた影響はものすごく重要なはずなのにあまり書かれていない。最終戦争という考えはそれほど独創的ともいえないと思う。田中義一を褒めたいがために田中の首相就任で「国民は安堵し、金融不安は沈静化した」と書いてある!いくらなんでもだ。第二次大戦の始まりとなったドイツのポーランド侵攻、ドイツはポーランド回廊を要求しただけでポーランドは「悪名高い」侵略国家だったのだそうだ!おそらくヒトラーでもそんなことは考えなかったろう。自分の思い入れする人物を持ち上げるためとは限度を超えた歴史の書き換えが多い。これでは石原がかわいそうだ。安っぽい議論と記述が多く真剣な議論や思考が足りない。

難読漢字が多いのが難だが  (2008-01-03)
小生は乱読の質で、明治・大正文学から訳本、新刊まで幅広く読むのだが、90年代末に執筆されたはずのこの小説の難漢字には面食らった。

たとえばぺらぺらと10ページ程めくるだけで「慮り」「諧謔」「鰊」「辺鄙」「勁さ」など、自分の不学をさていても、一般読者にとって難読・難解と思われる漢字が作者の筆からポンポン出てくるといった具合だ。

文春文庫全般に言えることだが、作品の雰囲気を害なわない範囲で、一定水準以上の漢字にはふりがなをふる程度の営業努力はしたほうがいい。

辞書を引くのも文学の入り口、活字への親しみなのだから、その道を少し拓すぐらいの営業感覚が編集者になくてはならない。

司馬に匹敵する、そして司馬以上に冷徹といわれる史眼の持ち主が、司馬が当時知りえなかった資料知識と、現代日本の情勢を踏まえた佳作を書き上げたのだ。
これを広く大衆に知らしめないのは、特にこの時世において国益を損ずると言っていい。

それにNHKが長編ドラマ化できる「坂の上の雲」と違って、この本は昭和のタブーとして憚られる石原莞爾と関東軍が題材なのだ。

現代史を日本人の客観視点で見つめなおす上で、坂の上の雲と同様、一般大衆とはいわず、学生など若者にも是非読んでほしいので、あえて表題のとおりの苦言を書く。

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