文藝春秋
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価格:¥ 489
発売日:1993-10
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15年以上前のルポなのでリアルさは薄れているが、神取しのぶの言葉は今でもリアルに響く
(2006-08-11)
90年かのう書房から発売、93年に文庫化された作品。中国から来た天田麗文、インデイアンの血を引くアメリカ人デブラ・ミシェリー、神取しのぶ(忍)と長与千種、生まれも育ちも異なる4人の女子プロレスラーの姿を描くとともに、80年代の女子プロレスの状況を綴った作品。彼女達は何故女子プロレスラーになったのか、今、何を考えているのかが作品の中心になっている。
夢枕獏が文庫本の解説で本書を「旅の記録」と書いているのだが、まさに本書は彼女達の旅の記録である。
発表当時にも言われていたのだが、この作品の圧巻は神取忍の語る「肉声」である。エキセントリックな調子になるときもあるが彼女の語る言葉は、リアルで生々しく凄みさえ感じられる。中でも、神取がジャッキー佐藤(ビューティペア)との闘いを語ったときの「心を折ってやりたかった」という言葉は、格闘家の発する言葉としては歴史に残るものではなかろうか。
語り手としての神取も凄いが彼女に多くを語らせた著者も凄い。相手の心を掴む何か熱いものを持つ優れた聞き手である。
この作品もそうだが、著者の書くノンフィクションは、どの作品も扱う題材のせいだけではなく、著者自体のヒリヒリする皮膚感覚が感じられる優れたものばかりである。しかし、これからというときに著者は亡くなってしまった。本当に惜しまれる死である。
本書もそうだが著者の作品の多くは絶版のようである。何故なのか…。




