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多機能orコンパクト タイプで選ぶ 抱っこひも特集:ベルーナたまひよの内祝い

アイテム詳細

佐野 眞一

文藝春秋

グループ:Book

ランキング:39104

価格:¥ 1,100

発売日:2000-05

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カスタマーレビュー

怒涛のような傑作  (2007-09-26)
 本書執筆の基本コンセプトは、文中に繰り返し明確に示されている。まずプロローグに「正力の八十四年の人生は、日本の大衆社会の趨勢とみごとなほど重なる」「その全体劇は、同時に、大衆の原像が遊弋する昭和という時代を映し出す格好のジオラマ像ともなっている」(上p16)。あるいは「正力の野望の炉心には、大衆の欲望がとりこまれつづけた」「刹那的な欲望と消費文明に狂奔した昭和という時代(中略)の基層に流れる大衆の情念と非合理的な精神をすくいとったという意味あいにおいて、正力はまさに稀代の興行師であり、昭和の化身的存在だった」(下p408)。
 巻末近くに「日本近現代史と個人史とを大衆に媒介してシンクロさせたその生き方こそ、数々の事業を生み出し、棺を蓋うてもなお磁力を失わない、正力の力の真の源泉だった」(下p427)。そしてあとがきで「この本は、“庶民”というものが、いかにして“大衆”というものに変貌したのか、ということが、大きなモチーフとなっている」(下p435)。
 ならば本書タイトルの「巨怪」とは、日本近代に現れた「大衆」でもあるだろう。米価沸騰に憤激して荒れ狂い(米騒動)、関東大震災では流言蜚語に踊らされて「異分子」を虐殺する。戦争報道に熱狂し、しかし戦後はマッカーサーを崇拝し、ミッチー・ブームに熱狂し、ウラン鉱に一攫千金の夢を追い、天覧試合サヨナラホームランによって長嶋を永遠のヒーローに祀り上げる。
(文庫本下巻レビューに続く)

圧倒的な正力松太郎の伝記  (2006-12-29)
最後にある「主要参考・引用文献」のリストを見れば明らかだが、丹念に資料を当たっているだけでなく関係者に取材してまとめた、近来にまれな力量感のある正力松太郎の伝記である。これだけ丹念に取材して個人の障害を詳しくまとめた本は、戦後においては本書の右に出るものは無いのではないか。虎の門事件で警視庁のナンバーツーの官房主事を辞任した正力が、新聞経営に乗り出して日本の新聞事業を狂わせた軌跡は、日本にあったジャーナリズムを御用新聞にしたともいえるが、それにしてもエネルギッシュな正力松太郎は、政治家として日本の原子力問題煮まで関与したし、CIAと結んで日本の政治路線を大きく歪めている。佐野真一はそうしたネガティブなものよりも、ドラマとして野球やテレビとの結びつきを中心にはなしをてんかいするが、それにしても正力は岸信介と並んで日本の政治をアメリカに売り、現在の亡国への布陣をしたことは次の三冊を読みたすことで明白になる。その三冊とは木村愛二の「読売新聞・歴史検証」、藤原肇の「朝日と読売の火ダルマ時代」、柴田秀利の「戦後マスコミ回遊記」であり、こうした地道な記録の上に聳え立つ本書は伝記ものとして、不滅の輝きを日本の書籍界に残したということが出来る。得難い傑作である。

善悪・イデオロギーを超越した怪人、正力松太郎  (2006-05-03)
質・量ともに著者の代表作である。執念の作品といってもいいかもしれない。丹念で綿密な取材が持ち味の著者だが、それにしても巻末に掲載されている取材協力者、参考文献、登場人物一覧は膨大である。総理大臣もいればお笑い芸人もいる。戦後の著名人は殆ど登場している、といっていい程である。

彼は確かに欲望のままに動いたのかもしれない。彼は倒産寸前の読売新聞に乗り込み、大衆の心をつかむ革新的な紙面を作り出し、その後もテレビ、プロ野球、プロゴルフ、プロレスetcと彼は戦後日本で発展した興行の殆どに「父」として君臨している。「大衆の夢と欲望を食い尽くした男」というくだりがあったが、まさにその通りである。

しかし、実際に彼のアイデイアを実現してきたのは、この作品では“影武者”と呼ばれる男達である。ところが、正力により彼らの功績は切り捨てられた。それでも、彼の周りには人が集まってくる。この人脈の広がりは尋常ではない。善悪やイデオロギーを超越したまさに大きな怪人「巨怪」である。

そんな正力は、衆議院選挙に出るにあたって「総理大臣になるのが夢だった」と漏らしているのだが、これも彼の単なる欲望の一つなのだろうか、それとも、原子力発電も含めて、それまで彼が実現してきたことは総理になるための布石だったのであろうか…。

著者の作品は殆どそうであるが、彼は、この作品でも正力のバイタリティーの源泉を故郷富山風景に見ていたりする。相変わらず思い込みが激しいなぁとは思うが、これは佐野眞一が書いた「評伝」である。粘っこい文章と合わせて個性なのである。好き嫌いが分かれる作家だとは思うが、私は好きである。ただし、東電OL殺人事件など事件を扱った作品では、この個性は魅力ではなく欠点になるので好きになれない。

恐るべき正力松太郎  (2005-04-24)
とにかく恐ろしく巨大な正力松太郎の生涯を余す所無く描いた本です。
つきることない欲望とそれを実現していくバイタリティ、人を人とも思わない冷酷さ、などなど、読売の繁栄をつくりあげた男の全体像が克明に伝わってきます。また、メディアの興亡(攻防?)史の面もあり、読売だけでなく、毎日、朝日も結構えげつないことをしてきたことも知ることができました(関東大震災で東京の新聞社が壊滅状態になったのをいいことに、朝日、毎日は関西から販路拡張を仕掛けてきた)。
思いつくままに、この本から得られた情報をあげると、

○ 2004年にイチローが破るまで大リーグの年間最多安打記録を持っていた往年の名選手シスラーの息子は、終戦直後日本にいて、日本の野球復興にかかわった。
○ 川上時代のジャイアンツは優勝するたびに読売本社内を隈なく優勝旗をもって練り歩かされ、その時、監督選手を冷ややかな目で見ていたのは、誰あろう、あのナベツネであった。

善悪の彼岸  (2005-03-27)
 「巨怪伝」とは よくつけたもので 正力は まさしく その異名にふさわしい怪物である。

  怪物ともなると 善や悪を超えてしまう部分があることを この本を読みながら 思い知らされる。正力は 自分のやりたいことをただやっただけなのだろうが 後で辿る我々としても なんどかため息をつかざるを得ない。

  この正力を読んでいると どこか北大路魯山人を思い出してしまうから不思議である。どちらも とびっきりの我儘で とびきりの俗物であった。但し やった事を振り返って見ると 余人にはまねが出来ないものばかりである。二人共に善悪を超えた感じがあるのも似ている。

まあ しかし あの世の北大路が小生のコメントを聞いたら 怒るだろうな。

 

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