早川書房
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価格:¥ 760
発売日:2004-08-06
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ロボットの時代 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)
カスタマーレビュー ![]()
ただの『SF』ではなくて
(2007-10-11)
ロボットにも心があると感じた。
「ロボット三原則」は、人間に危害を加えることを禁じた。
そしてそれが、人間に対する慈愛へと転じていく。
しかし、「ロボットは人間を愛さなくてはならない」というプログラムは無い。
逆に、命令を遵守するはずのロボットが、結果としてそれを無視、失敗することもある。
その理由を考えると(本文で徐々に解説されていきます)、ただのロボットのエラーではなく、人間に通じるものを感じてしまう。
特別なルールを持ったロボット達は、姿かたちだけでなく、人間そのものではないかと思うほどの「心」を持っているように見える。
当時の、非常に優れた『SF』は、機械・文明の未来を描き、更には人間へと回帰している。
『SF』、そして『心理学』として、読んでほしい。
W・スミスはアシモフの墓の前で切腹しろ!
(2004-09-19)
アイザック・アシモフの「われはロボット」はロボットSFの古典的名作であるとともに、
現代の人間社会とは別のルールを持った世界で名探偵(役のロボット心理学者)が大活躍するSFジュブナイル・ミステリの雄編である。
この本に収められたミスティックな9編には、科学博士アシモフの今なお古びぬ学術的エッセンス以上に、
「人間」の行動原理に対する深い洞察が見て取れる。
冒頭の「ロビイ」はロボットよりむしろ「友達」を欲しがる少女の心理にスポットを当てた純粋な児童向け小説であるし、
「うそつき」のクライマックスで事件解決の鍵となるのは探偵役のキャルヴィン博士の歪んだ激情だ。
「証拠」「災厄のとき」で示される不気味な機械文明の逆支配構造は、
限りなく発展するテクノロジーに対して人類はいかなる態度を取るべきかというテーマを提示する(しかも明確な結論は示されない)。
読者の注目は自然とロボットよりも彼らと付き合う人間に対して向けられる。
現代のフィクションにおいても、ロボットは人間の姿見としてヒューマニズムを表現するための媒体に使われることが多いが、
驚くべき事にアシモフは今から60年近くも前に斯様な現代的表現技法に着手していたことになる。
本作がロボットSFの出発点にして原点と呼ばれる所以だろう。
SFという形体を取りながら、アシモフのテーマは(当時主流であった)技術文明の礼賛よりも、
時に暖かく、時に残酷に、人間達の複雑かつ奇妙な心の内を描き出すことにあったのではないか。
いつの時代にあっても、人間を描くことに拘る物語は強いものだ。
W・スミスはアシモフの墓の前で切腹しろ!
(2004-09-18)
アイザック・アシモフの「われはロボット」はロボット小説の古典的名作であるとともに、
現代の人間社会とは別のルールを持った世界で名探偵(役のロボット心理学者)が大活躍するSFジュブナイル・ミステリの雄編である。
この本に収められたミスティックな9編には、科学博士アシモフの今なお古びぬ学術的エッセンス以上に、
「人間」の行動原理に対する深い洞察が見て取れる。
冒頭の「ロビイ」はロボットよりむしろ「友達」を欲しがる少女の心理にスポットを当てた純粋な児童向け小説であるし、
「うそつき」のクライマックスで事件解決の鍵となるのは探偵役のキャルヴィン博士の歪んだ激情だ。
「証拠」「災厄のとき」で示される不気味な機械文明の逆支配構造は、
限りなく発展するテクノロジーに対して人類はいかなる態度を取るべきかという
今日的なテーマを提示する(しかも明確な結論は示されない)。
読者の注目は自然とロボットよりも彼らと付き合う人間に対して向けられる。
現代のフィクションにおいても、ロボットは人間の姿見としてヒューマニズムを表現するための媒体に使われることが多いが、
驚くべき事にアシモフは今から60年近くも前に斯様な現代的表現技法に着手していたことになる。
本作がロボットSFの出発点にして原点と呼ばれる所以だろう。
科学に対する楽天的な無批判さが糾弾される事も多いこの時期のSF小説だが、
SFという形体を取りながら、アシモフのテーマは(当時主流であった)技術文明の礼賛よりも、
時に暖かく、時に残酷に、人間達の複雑かつ奇妙な心の内を描き出すことにあったのではないか。
いつの時代にあっても、人間を描くことに拘る物語は強いものだ。
映画公開にあわせてお化粧直し
(2004-09-15)
今回「決定版」と銘打たれて刊行された本書収録短編の内容についてはすでに旧版のレビューに書いてしまっているので省略。
旧版との主な相違点は、会話部分を中心に、訳文の細かなところに修正が施されていることと、瀬名秀明による解説とアシモフの「ロボット/AI作品一覧」のリストが付されている点だ。このところロボット関連の著作が続いている瀬名の解説は、若干力みすぎの部分があるものの、ハーラン・エリスンが手がけた『われはロボット』の脚本や、石川英輔のロボットテーマの作品にも言及するなど、なかなか行き届いていて好感が持てる。
本書の読後、アシモフのロボット作品に興味を持たれた方には、『鋼鉄都市』、『はだかの太陽』などの一連の長編や、短編集『コンプリート・ロボット』を、また、より広くロボット全般について知りたいという方には、瀬名が編者となり、ロボットをめぐる小説と識者のエッセイを大部な1冊のアンソロジーにまとめた『ロボット・オペラ』をおすすめしておきたい。
なお、帯には「映画『アイ, ロボット』の原作」と刷り込まれているが、映画自体は(suggested by Isaac Asimov's book とあるように)、タイトルと登場人物の名前と「三原則」、そして収録短編中のあちこちからアイデアの断片をかき集めて刑事アクション映画に仕立て上げたもので、オリジナルとは別物と考えていい。
いつかハーラン・エリスンの脚本による「われはロボット」を見てみたいものだ。
SF古典 傑作の一つ!
(2004-08-30)
高校時代に読んだのですが、映画化に当たり、もう一度読み返してみました。確かに、古さを感じる部分もない訳ではありませんが、それを差し引いてもあまりある作品だと思います。
SFと銘打っていますが、ミステリー仕立てになっており、SFファンはもちろんのこと、ミステリーファンの方にも十二分に楽しんでもらえる作品だと思います。
この作品を語る際に欠くことができないのは、やはり「ロボット三原則」でしょう。この「ロボット三原則」が現実をも動かし、「ロボットの時代」(アシモフの作品にもありましたね!)とも言える「現代」の一端を支えていることを考えると、SFというジャンルの大きさ、そして人間の想像力の豊かさ、無限さというものを強く感じました。SFが時代を予見するのはヴェルヌの時代から変わっていません。むしろ、現実こそがこの作品に描かれる「ロボット開発史」をなぞっているように感じたのは、私だけでしょうか。
現実を予見し、現実をリードしているこの作品を、SF古典傑作の一つと言っても過言ではないと思います。




