新潮社
グループ:Book
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価格:¥ 1,890
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発売日:2005-07-28
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カスタマーレビュー ![]()
いまいち
(2008-09-06)
著者の「甘粕正彦乱心の曠野」があまりに素晴らしく、著者の主張と取材の豊富さに共鳴し感動したので、この本を買ったが失望した。ほかの書評にもあるが、肝心の里見より女性関係ばかりにページを割いているいる感じだ。岸信介などについてはもっと記述がほしい。また西木正明の「其の逝く処を知らず」も参考文献には出ているが、どれほど参照したか不明だ。私はそちらのほうがおもしろかったし、先日NHKで放送した「日本軍とアヘン」のほうが本人が登場し、説明も分かり易かった。とはいえこの本も作者ならではの部分的な面白さと事実の積み重ねによる具体性がある事では貴重であろう。
森が見えてこない
(2007-02-06)
著者の作品である「東電OL殺人事件」にも言える事だが、主題の周囲をぐるぐる巡るのみでいつになっても主題に近付く事がなく、次第にイライラを覚える。
また、取材対象も当時の民間人が多く、阿片取り引きと利益の分配に重要な役割を担う関東軍及び興亜院の関係者がほとんど出てこない点も不満が残る。
全体として木を追い過ぎるあまり、いつになっても森が見えてこない印象が強く、タイトルに有る「阿片王」につられて読み始めると失敗する。
阿片と里見についてならフィクションではあるが西木正明「其の逝く処を知らず 」と合わせて読むと良いかもしれない。
岸信介つながりで里見甫へ来ました
(2007-02-02)
結局は里見甫というオトコの人物像を描ききることも核心にたどり着くこともできなかった。そのためか、謎解き・核心へたどうろうとするプロセスと、もう一人の主人公である梅村淳の記述にかなり重心を置いている。
話の焦点が色々とんでしましまい、また、ときどきどうしようもなく俗っぽいというかオイオイといいたくなるような思い込み・筆がすべってる箇所がいくつもありうんざりしたが、物故者も多くかなり苦労したことがわかるし、調査した結果わかったことを、変にまとめたりせずありのまま書いている点は評価。
荼毘にふされた里見の頭蓋骨がピンクだったというオチは小説っぽいけどGOOD(この部分がたとえフィクションだったとしても)。このオチを活かしたかったらいっそ全体を小説として書いたほうがよかったのかも。
それにしても、同じ時期に白洲次郎と里見甫という二人の破格な人間が存在していたんだなぁと慨嘆。
日中戦争の裏側
(2006-08-04)
また8月15日を迎え、総理の靖国に行ったか行かないかが話題になる。
行ったら行ったで、行かなければ行かないで騒ぐマスコミにはまったく
腹がたつことがある。
それはさておき、この部厚い本を寝床で読みながら、結局、もう一つの日中戦争は阿片の分捕り合戦であったかという意を強くした。
底流にアヘン戦争があったと理解すれば何かと理解しやすくなる。
まさに暴力団の資金源であるが、これが大東亜共栄圏の資金源であったとは。。驚きであった。
色々と不満はあるが読み応えのある力作。評価は★4つです。
(2006-06-19)
いつものことではあるが、綿密な取材と膨大な資料、そして検証に基づいて書かれている読み応えのある作品である。しかし、この作品には著者の作品(評伝)の持ち味である…時には思い込みが激しいなぁと思えることもあるが…著者の考える人物像(ここでは里見)が描ききれていない。
この作品でいえば、彼がどのような気持ちでアヘンを扱っていたのか、戦争をどう考えていたのか、戦後の隠遁生活はどうしてなのか、といった点について著者なりの解釈を示していないということである。著者は人物像を描くことにこだわってきた作家なのに残念である。
この作品が里見の「評伝」ではなく、彼と彼に群がった人物を追ったルポだという解釈をすれば良いのかもしれない(確かにこの作品にはその要素が濃い)が、やはり釈然としない。著者の力量もってしても、里見を覆う闇は深すぎて彼のパーソナリティの原点を捉えることが出来なかったのかもしれない…
著者は里見の人間性と行動について、常人には計り知れない常識をもっているとしながらも概ね肯定的に捉えているのだが、最後の最後になって唐突に「彼に裏切られた最初の妻が彼の遺体に小石を投げつける」シーンと「里見の遺体が荼毘に付されたとき、…里見の頭蓋骨が淡いピンク色にそまっていることに気がついた。しかし、それが阿片常習者の特徴…」というシーンを記している。
著者はこの作品を「人間喜劇」と考えているようだが、結局は里見もその中の一人だったということを言いたかったのだろうか、それとも単にラストを印象深くするためだったのか…どうもわからない。そして、この作品はスッキリとした結論がない。消化不良のような気もするのだが、暗黒の世界である。そもそもスッキリとした結論など最初から不可能だったのかもしれない。




