新潮社
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発売日:2000-09
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カスタマーレビュー ![]()
90年代後半、一斉に吹き出し金融不祥事をあばく
(2005-04-24)
当時都市銀行と呼ばれた大銀行が合従連衡をくり返しメガバンクとなっては今や昔という観があるが、90年代後半に金融界のみならず大蔵・日銀といった官界、一部国会議員も巻きこんだ一大金融事件の顛末を描いたノンフィックション。
前半は野村・大和・日興・山一の四大証券と第一勧業銀行で発生した総会屋への利益供与事件を取上げ、第一勧銀会長が自殺に至る事件の顛末を描く。後半はその事件の捜査の過程で浮上してきた銀行から大蔵省や日銀に対する接待疑惑、さらには証券会社から国会議員に対する利益補填疑惑へと広がっていく。
事件に関った人々は何も特別な人たちではなく、普通の公務員やサラリーマン(たしかに大企業で栄達を遂げた人々であるが)であり、何人もが自ら命を立つなど、改めて振りかえるとのその異常さには驚くばかり。
最初、証券会社から露呈した不祥事が連鎖的に暴かれていく様子を、新聞記者らしいわかりやすい文章で読ませる。まさに事実は小説より奇怪なりの言葉通りの展開だ。
本作で取上げられた第一勧銀事件に材をとった高杉良の小説「金融腐食列島・呪縛」とその映画、また総会屋と銀行との癒着を描き第一勧銀事件を予見したといわれた同じく「金融腐食列島」もまた参考になるだろう。
大手銀行の総会屋との癒着と事件の記録的著
(2004-01-21)
それにしても、第一勧業銀行(当時)から始まった金融界、そして総会屋との癒着は何故あったのか。又、何故大蔵省(現在の財務省)まで東京地検特捜部の捜査が及ぶまでになったのか。その問題はかなり複雑な問題である。
この本は、第一勧業銀行を中心に、総会屋との癒着が何故発生したのかを辿り、同時に他の大手銀行でも発覚した金融腐敗の構図が時々図で表示されている。私はこの事件は知っていたが、一体どこまで事件が広がりを見せていたのかは知らなかった。つまりこの本によって、あの総会屋への利益供与事件が解ったのである。
只、何故第一勧業銀行の元会長らが自殺を選んだのかは掲載されていた遺書からは読み解くことができなかった。それでも、自殺した元会長らの考えていたことを予測しながらこの本を読めば、あの総会屋への利益供与事件の全てが解ると思う。
勇気を持って戦う者を、真剣に守ってほしい
(2003-09-10)
今回の事件で被疑者となった民間側に共通するもの。
それは「社会通念の範囲」と認識していたことだ。
もちろん許されることではないだろうが、昨日まで見逃されてきたことが突然犯罪と言われることへの戸惑いが伝わってくる。
検察や警察が第一勧銀を突破口にしたが、検察が目指したものは何だったのか気になるところである。
さらに、大蔵というターゲットははじめから想定していたのか興味を引かれるところだ。
被疑者の多くは、前任者から引き継がれた者たちだ。
そして自殺者の多さに驚く。彼らが守りたかったものは何なのか。
仲間か、組織か、プライドか・・・
この領域への切り込みは社会部記者の真骨頂であり、本書の価値を築いていると思う。
いまも、反社会勢力や権力を握る者かァ?の不当要求に、戦っている人たちがいる。
司法は、勇気を持って戦う彼らを、真剣に守り続けてほしいものである。
ここまで出来るものなんですね
(2002-01-21)
とかく日本のジャーナリズム(特に新聞)は経済オンチという批判をうけることが多いが、この本は社会部という経済については本職として取り組んでいない組織が書いたものだけに経済の素人にもわかりやすくなっている。しかも問題の掘り下げ方にまったくためらいがないのがいい。この事件を扱った本はいろいろあるがほとんど実名で何が起こったかを解説しているのはこれしかない。総会屋対策を担当している総務部の方にもいい教訓を提供できる本だと思う。




