集英社
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カスタマーレビュー ![]()
完結編だが・・・
(2006-08-04)
「怪獣」を釣りに行くという設定は、わくわくさせてくれるけれど、このシリーズの最初の「ごく自然な」感覚は失われて、やや、奇をてらったという感想を持ちます。
もともと、「非日常」の設定であることは理解していますが、残念ながら、この本は、「原典」オーパの志を無にしたのではないかと思われます。
苦渋の決断として、☆2個減点させていただきます。
宝石
(2004-10-05)
本書はイトウと宝石である。モンゴルでイトウを釣り、中国で謎の大魚に挑戦し、スリランカで宝石に見とれる。スリランカでは釣りはしない。
モンゴルの人たちは釣りをしないらしい。魚を食べることすら稀だという。たぶんチベット仏教の影響だと思うのだが、どうしてなのだろうか。ともかく、おかげで魚はたくさんいるし、すれてもいない。
ところが、本書のテーマは「釣れないこと」にある。第一回目の釣行は失敗するし、中国でも釣果ゼロに終わる。でも、面白い。むしろ、釣れないところが面白い。開高健にとって、獲物が見事に釣れることは重要ではないらしい。釣れないからこそ名文が生まれる。
スリランカで宝石が簡単に見つけられてしまうことには驚かされる。また、その美しさにも。
東の端に生まれて
(2000-12-13)
近くて遠いモンゴル。 私たちと瓜二つの人々がそこで生まれ、普遍の営みを続けている。 たとえ言葉が通じなくても、かの地の人々の人々が発する息吹は自分たちに何かを語りかけてくるように感じる。 そう、言葉はいらない。 真摯な二つの眼と、一本の竿があれば・・・ たかが魚釣り、されど魚釣り。筆者の想いのすべがこの本には溢れている。
目的は魚を釣り上げること。だが、それが自然との闘いであり、また自然との出会いでもあること、そして自然にいかに接して行くべきなのかがページの端々から感じ取れる。難しい言葉はどこにもない。あくまでも自然体。それがこのほんのスタイルだ。
彼が、我々の忘れ去った自然との関わり方、その姿を釣りの形をとり語りかけているのも必然なことだったのだろう。 開高建はもうこの世にはいないけれど、彼がこの本で残した生き方を、私は忘れることはないだろう。 ページをめくるたびに、未だ見ぬ大陸の、大物が、優しい笑顔の人々が私を待っているような気がしてくる。




