講談社
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発売日:2007-03-01
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儒教の国は「和諍」(わじょう)の国
(2008-02-25)
仏教への旅シリーズ第二段では、日本に仏教をもたらした韓国を訪れる。
朝鮮半島はその昔、高句麗、新羅、百済の三国に分かれていた。四世紀から七世紀頃のことである。
現在の韓国西部を指す百済から、仏教は日本に伝えられた。
韓国は古くは儒教の国、最近ではキリスト教のイメージが強いが、仏教も根強く支持されて
いるという。
しかも、その教義は華厳を祖とした厳格なものであり、出家信者は一部の例外を除き
肉食・妻帯をせず一生を信仰に捧げるという。在家信者もまた熱心に五体投地を繰り返す。
これだけを見ても、日本で広まった仏教とその出発点であった韓国で信仰されている仏教との
ちがいは明らかなようである。その背景にあるものは一体何だったのか?
「和諍」とはさまざまな宗派や考え方、二つの相反する思想を融合させてゆこうとする
考え方だという。ここにも韓国の宗教を考えるひとつのヒントがありそうだ。
幼少時に満州からの引き揚げを経験した著者にとって、今回の旅には複雑な思いがあった。
それゆえ、本書は韓国民にとっての仏教の意味を問うのみならず、著者の人生観、宗教観が
垣間見えるものとなっている。
複雑な気持で韓国再訪
(2007-03-16)
複雑な思いでこの地を訪れることになるであろうことを期待しておりました。著者にとっては幼少年期を過ごし、ここで最愛の母を亡くし、着の身着のまま帰国した、忘れがたい地でありますから。「私は口が裂けても〈懐かしい〉などとは言うまいと六十年以上も誓ってきた」と言うのです。
韓国にはキリスト教信者が多いことは確かである。しかし、その数に勝るとも劣らない勢いで今仏教が熱いということが、大いなる発見だったとのことです。寺を訪れるたびに目にした〈五体投地〉をする人々の姿が忘れがたく脳裡に焼きついているとのことです。韓国では、禅を基盤とした仏教が広く大衆に受容されていることも、予想外のことだったようです。
朝鮮半島での当時の思い出も数々書きとめられていますが、平城(ピョンヤン)のことにはあまり触れられていないし、今回の訪問の地ではなかったことを残念に思います。「朝鮮半島編」とは本書のタイトルですが、「韓国編」であるのも現状では致し方ありません。至難の南北統一を目指すのは、誰しも悲願にしていることです。肝心の彼の地に立つことができていない(らしい)ことは返す返すも残念です。




