講談社
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価格:¥ 620
発売日:2004-10-15
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清朝末期と日本の幕末には共通の壮大なドラマがある
(2008-05-23)
地主の次男、梁文秀(史了)とその地の貧民の子、李春雲(春児)。
科挙登第を経て国政を担うこととなる史了と、宦官という
方法で内廷のトップまで上り詰めた春児。
二人の男(!?)を通して、清代末期西太后が実権を握っていた
王朝内部の動乱とそれにかかわる人々の思惑を描いた
壮大な歴史小説。
読み進めていく中で感じたのは、日本の幕末との
共通性。もちろん、時間的共通性もあるんだけど、
欧米列強のプレッシャーを受けながら、従来の
権威をいかに保つかという苦心と、国を存続させるためには
改革を進めなければという維新の思いとのせめぎ合い。
違いは、日本が明治維新という中からの改革で国体変化を
成し遂げたということと、日本が列強の側に加わってきたと
いうことか。やっぱり中国は大きな国過ぎて、紫禁城の
中にいては危機感が伝わってこないのか。
現代の中国も変革が必要な時期に来ていると思うけど、
そこはやっぱり歴史を学んで、中から変わっていって
もらわないと。「党」という「王朝」も絶対ではないのだから。
結局、4月の北京旅行前に読むことは出来ず、旅行の
帰りから読み始めたこの本。途中で出てくる地名だとか、
建物の名前は、実際行ったことで具体的にイメージしながら
読めました。そういった意味では、行ってから読んで
よかったのかなと思いますが、読み進めるにしたがって、
あっ、ここも行ってみたかったななんて思うところも
また出てきたりして。
なので、来月の休みのときにまた北京に行ってみようかと
思ってみたりもして。
さて第二巻は…
(2007-08-31)
清朝末期を題材に西太后、李鴻章など歴史上の人物と、
浅田次郎の創作である主人公・春児(チュンル)と文秀(ウェンシュウ)が
登場する歴史小説ですが、第二巻は舞台がいよいよ「紫禁城」へ移ります。
同郷の春児(チュンル)と文秀(ウェンシュウ)は歩む道は違えど、
舞台を同じくする者同士です。
小説自体は創作なのですが、歴史的事件や事実はそのままなので、
当時の時代背景などの勉強にもなります。
特に日清戦争が日本と清朝との戦争ではなく、
日本と李鴻章の私兵とのいざこざであったこと、さらには
戦争の舞台が中国本土ではなく朝鮮半島であったことなどは
面白いところだと思います。
第一巻の見所は科挙試験の様子と宦官の製造方法でありましたが、
登場人物も増える第二巻では、やはりそれぞれの登場人物の絡み、
繰り広げられる政治絵巻が見所だと言えるでしょう。
ちなみにこの小説の親切なところは、登場人物を見失わないように
各巻に付属の栞(しおり)に人物説明が載っているので、忘れたら
いちいち確認しながら読めるところでしょう。
か弱い女性として描かれる西太后
(2005-12-19)
清朝末期時代を描いた歴史小説の第2巻。
この物語の主要人物である西太后が、まず権力の頂点で横暴にふるまう人物として登場しました。
公式の政治の世界で非情な最高権力者として振舞うことはもちろんですが、後宮でも、やれ饅頭に羽虫が入っていたといっては料理長の足を折って紫禁城から追放し、やれ芝居の演技が下手だといっては御前役者を棒叩きにします。そのためにこん棒を持った「散差」という役人が、いつも待機しているありさまです。
一方で西太后には偉大な清朝第六代皇帝の霊と対話する力があり、外国に蚕食される中国の舵取りを「おじいちゃん(乾隆帝)」に相談するという、か弱い女性としての側面も持っていました。
乾隆帝の霊は言います。
「天下に帝位なるものの続く限り、民は救われぬ。真の平和は民の力に
よって初めて実現するものだからの」
西太后は帝政にピリオドを打つ苦しみ耐えることを期待され、「ずるいよ、おじいちゃん」と泣き崩れます。
本書の主人公文秀と春児は、第1巻で占い師から将来の栄達を予言されました。第2巻で再び登場した占い師が、実は春児には昴の宿星など無かったことを明かしました。家族もろとも飢え死にする卦が出ていましたが、あまりに不憫になった占い師が、掟を破って偽りの卦を伝えたというのです。
その占いを信じた春児は、飢え死にすることなく、奇跡的なめぐり会いを経て西太后にお目通りできるまでに出世した宦官になりました。占い師は言います。
わしは信じたいのじゃよ。この世の中には本当に、日月星辰を動かす
ことのできる人間のいることを。自らの運命を自らの手で拓き、あら
ゆる艱難に打ち克ち、風雪によく耐え、天意なくして幸福を掴み取る
者のいることをな
崩れゆく清朝の政治の舞台で、主人公たちにどんな運命が待っているのか。
……第3巻に続きます。
西太后と紫禁城
(2005-08-07)
西太后とはどんな人だったのだろうか。そして中国皇帝の権力とは以下ほどのものであったか。西太后については、とかく化け物のような喧伝がなされておりすこぶるイメージは悪い。しかしどうも中国王朝文化の習慣が理解出来ない当時の列強諸国がプロパガンダとして用いたイメージのようである。中華思想とは宇宙の真ん中という意味でその最大権力者が中国皇帝である。西太后は、権力を私物化するために政敵の命を奪っていった非道の人なのか、それとも清朝末期、蹂躙される中国を支えるつわものであったのか。西太后の「人」に迫ってゆく第2巻であった。春児がついに西太后にお目通りする名場面もあり、一気に読み進められた。中国への思いが高まること請け合い。中国に関心のある方にはお勧め。
若き力が世を動かす
(2005-02-06)
西太后を中心に回る清の末期
その権力の前に、誰もが沈黙する。
しかし、西太后は決して悪ではない。
善かもしれなかった。
西太后側につく春児。
その対極につく親友梁文秀
清で一番の近代的な軍隊である北洋軍の李鴻章。
勢力が割拠しつつ、世の中を変えようとする若き力
が活躍を始める。
王逸と梁文秀と順桂のそれぞれの動きと春児の活躍
3巻が楽しみになる展開です。




