講談社
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魔導書(グリモワール) ソロモン王の鍵―護符魔術と72人の悪魔召喚術
カスタマーレビュー ![]()
「奇書」ではあるが「良書」ではない
(2007-12-22)
悪魔学の書として一部の向きからは高い評価を得ている本であり、その評価もあながち間違いとは言えない。ただ、「狐」「山伏」「マ(魔?)」「ジャキーズ(邪鬼??)」といった日本が登場する項目を読めば分かる通り、内容の客観的な信憑性は皆無。著者が自分で創作した悪魔や「現在、地獄の君主はベルゼビュートで、サタンは野党の首領に過ぎない」といった記述など、キリスト教での一般的な認識とはかけ離れた内容も多い。一方で、異教(キリスト教とは別の宗教体系)と悪魔崇拝(単なるキリスト教の陰画)の区別が曖昧だったり、前世紀の代表的な進歩派文化人であったヴォルテールを「悪魔の化身」呼ばわりしたり、中世カトリックの異端審問(魔女狩り)について「危険なアルビ派を取り締まっただけ」「無実の人間を処刑したというのは、プロテスタントや哲学者による反カトリック宣伝」と主張するなど、何やら現代日本で歴史の改竄にいそしむ人たちと相通ずるような記述も随所に見られる。これについては、訳者の一人である吉田氏が著者の主張に冷水を浴びせるような(まともな)内容のコラムをところどころに書いているので、そちらも参考にすると良いだろう。
すでに近代が始まり、啓蒙思想や科学主義が普及した19世紀のフランス。その中で、伝統的な宗教による支配体制の崩壊に「悪魔の謀略」を見ていた一オカルティストが、自身や同好の士の妄想を、同時代のオカルト趣味にも助けられながら精力的に集大成した著作、というのが妥当なところではないだろうか。あくまで「奇書」として創作活動のネタ拾いに使う分には問題ないが(実際、某有名漫画家の有名な作品にも、明らかに本書をネタ元としているものがある)、伝承や民俗について多少なりとも学術的な議論を行う場合、本書の内容は、西欧キリスト教社会の伝統的な世界観を必ずしも反映していない事に留意する必要がある。
私の愛読書の悪魔辞典
(2006-01-09)
19世紀前半、怪奇趣味が流行した時代のフランスで書かれた辞典で、堕天使、妖精、魔術、占星術、秘密結社などについて扱っています。作者コラン・ド・プランシーは逸話を好み、逸話集めに優れた才能を発揮したそうですが、本に収録されている逸話はどれも読者の好奇心をそそらずにはいません。読んでいて、「これほど多くの逸話をよく収集したものだ」と、ついつい感心してしまいます。…この日本語版は原書を約10分の1に縮約したものですが、原書の面白さと内容の豊富さは、ひしひしと伝わって来ます。(私の手元にはフランス語の原書もありますが、こちらの項目数は冗談抜きで膨大です。)辞典形式なので、好きな時に自分の好きな項目、関心を惹く項目をピックアップして読めます。(読んでいて眠気を催すことはまずないでしょう。)イラストも数多く掲載されており、これらも非常に魅力的です。原著にはないコラムも載っており、悪魔学理解を助けてくれます。…この本を読めば、様々な悪魔や迷信の関連の逸話に触れられると共に、19世紀前半に流行した怪奇趣味を垣間見ることができます。悪魔や妖精や魔術に興味のある人には、必読の一冊だと思います。それから、ゲームに登場する怪物の元ネタを知りたい人にとっても、一読する価値のある本だと思います。
悪魔に関心がある人必携の書
(2005-07-12)
19世紀フランスでつくられた辞典の抄訳版です。
約10分の1になっているとのこと。
とはいうものの、悪魔関連の項目はほぼ完全に訳出しているそうなので、
日本の読者の需要を満たすのには問題ないでしょう。
当書は特に悪魔に関心がある方には必携の書であるといえます。
なぜなら、相当数の悪魔が紹介されている上に、
個々の悪魔の図版が豊富に掲載されているからです。
また今日日本で発行されている悪魔関連の本に出てくる図版の多くは
ここから持ってきたものであり、
更に、ウェブ上に散在する悪魔に関する情報の一大典拠でもあります。
ですから、是非手元においておきたいところ。
ただ一つ難をいえば、ひとつひとつの悪魔の項目は小さいので、
特定の悪魔について詳しく知りたい人にはやや物足りないと思われます。
ゲームに出てきた魔物などの検索にも有用です。
オカルト
(2004-09-10)
この本は興味本位で買っても大丈夫な本です。
人によっては嫌うかもしれませんが、オカルトに少しでも興味があれば
楽しめるはずです、中身には・天使・悪魔・神・妖精・小人
など、知っているような物も入っています、イラストも入っているので
字ばかりではダメな方にもお勧めできると思います。
very interesting book, but.....
(2002-01-03)
抄訳とはいいながら、コラン・ド・プランシーの名高い辞典が日本語で読めるとあって、出版されるや否やすぐに購入いたしました。それも、もう十余年前のことになるのですね。
フランス人の地獄観や悪魔像など土俗的迷信を識るうえで、なかなか興味深い本です。とくに若い世代の「悪魔学のマニア」にお薦めいたします。
様々な魔神や魔女、占星術師、堕天使、精霊、悪魔、等々の図版がたくさん掲載されているので、見ているだけでもけっこう楽しめますヨ。
しかも、原著には無かった「コラム」が幾つも挿入されているという良心的な出来映えになっていますので、”ヨーロッパ人の迷信”を滑稽に思いつつ娯しみたい方にはウッテツケの一冊です。
かつて原書を神田の洋書店で買ったときは、壱萬圓以上したのを記憶して居ります(もちろんフランス語の完本ですが)。それが手頃な価格で、しかも平易な日本語で此の本を読めるとは”良い時代”になったと云うべきでしょう。




