講談社
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カスタマーレビュー ![]()
著者は読者にどの程度の理解を期待しているのか、がわからない
(2008-04-30)
この本を推薦している人たちは内容が理解できたのだろうか。
綿密な議論を避けて読者に直観的に解らせる、ということが至難の業であることはわかる。しかし、読んでいる途中で読者を不安にさせてはいけない。読者はこの段階でこの程度に理解しているはずだ(この程度にしか理解していないはずだ)という認識を絶えず保持しながら記述を進めるのが、この種の本を書く著者の最低限の条件ではないか。この本は、わかっている者にはわかるが、わかっていない者にはさっぱりわからない、というしかない。
第1章「不完全性定理のイメージ」を例にあげる。
著者は、読者に直観的イメージを喚起させるため“レイモンド・スマリヤンが作った”“パズル”を“単純化して用いる”としているが、“単純化”は話をこんがらせているだけ。結局スマリヤンの原書(の翻訳)を読むしかない。
「真理の対応理論」というものを理解(少なくとも直観的に納得)しないと後の記述がわけのわからないものになる。先へ進むには「対応理論」のより詳しい説明がどうしても必要なのだが、著者はそこのところがわかっていないらしい。(“第3章参照”とあるが納得できる説明はどこにもない。)結局、「対応理論」を承認する者にとってのみ「不完全性定理」は“真”(あるいは“意味がある”)ということになってしまう。それでは著者の意に反するだろう。
他の章も同じ。文章が上すべりしている。定義のない初出のことばが不用意に頻出する。読者に親切とはどうしても言えない。この本を書いた著者の狙いが中途半端だった、というべきかもしれない。
とはいえ、ゲーデルの生涯と20世紀前半の論理数学者たちの苦闘と葛藤の歴史の紹介はやはりおもしろい。その点での著者の労は認めるべきだろう。
神のみぞ知る
(2008-02-14)
ゲーテルの不完全性定理とそこから導かれる神の存在否定(内容は存在を証明できない)を数式を使うことなく読者に説明している本です。
不完全性定理と彼が導いた他の定理を色々なトピックス(例え話)で紹介していますが、ハッキリ言って難しです。
例え話を無理して理解するよりも、ゲーテルの伝記・評伝として読むと面白いと思います。天才的な発想をするゲーテルの人となりと、彼を取り巻く人々の関わりがよくわかります。天才はやはり何処か常識人と違います。
洋の東西を問わず神は信じられています。一神教か多神教かは色々あります。でもその事が民族間での争い、戦争、殺戮が行われる原因の一部であるのはナンセンスです。神の存在を証明できないから、どちらが正しいかは人間では判断できないのです。その事を本書では述べていると思います。
まさに「神のみぞ知る」です。
一生モノ
(2008-01-05)
うーん、やっぱりわからないや。と、これが「ゲーデルの哲学」を読んだ率直な感想。著者が豊富なアナロジーを駆使して不完全性定理のアウトラインを描き出してくれるおかげで、なんとなく分かった気にはなる。でも、不完全性定理の核心やそのスゴさはやっぱり理解できなかった。特に本書の後半に登場する「(神の)存在論的証明」はまったくもってワケがわからず、完全にお手上げ。
ただ、それでも本書を最後まで読み進めることができたのは、クルト・ゲーデルの人生の面白さに負うところが大きい。本書は不完全性定理の解説としても優れている(たぶん)が、なんといってもゲーデルというひとりの天才の苦悩の個人史として秀逸なのだ。
例えばゲーデルは、彼の講師職を廃したウィーン大学と出国を余儀なくさせたオーストリア(オーストリー)政府を最後まで許せず、これらの機関から贈られる賞をことごとく拒否。また、機会があったにもかかわらず、アメリカ移住後は二度とヨーロッパに戻らなかったという。こんなところにゲーデルの妙な人間臭さを感じて、読者としては興味深く彼の人生を楽しむことができた。
ページ数としては普通に1日で読み終わる分量だけど、その内容の理解には一生以上かかりそうな予感だ。新書にしては本当に読み応えのある一冊。まさに一生モノ。
いつかGEB(ゲーデル、エッシャー、バッハ)を読破することを夢見て。
神の存在論証明は不可能
(2007-11-27)
この書は何度も読んでみましたが、結局、日本人にはゲーデルが存在証明をしようとした聖書に書かれている神が、その神を信じる、信じないにかかわりなく、ごく当たり前に思考の中に組み込まれているキリスト教の国の人のようには理解できないと改めて実感しました。この本の著者も、キリスト教の国々で聖書の神を信じないのと、この日本で聖書の神を信じない、その意味合いの違いが区別できていないのです。特にキリスト教の国の人の書いた文章を引用するくだりではそれが如実に現れます。
それゆえに、この本を私が何度も読んで気に入った部分があったのにもかかわらず星3つにした理由です。
聖書においては人間は神という全知全能なお方が理性に限界がある存在として創造されたものであると徹頭徹尾教えられ、それを認めないと正統なキリスト教徒と呼ばれず、カルト視されるだけなのです。
世界一の天才のクルト・ゲーデル
(2006-12-29)
普通の天才は「私は誰も発見していなかった新しい真理を発見した!」と叫ぶものだが、
ゲーデルは「真理であっても証明出来ない命題がある」と証明してしまったのだ!
知性の限界を証明してしまったのである。
無限の知識を持つ存在は存在出来ないのである。
で、このネタが出てくる。
定義G「全ての真理を知る無矛盾の存在を神と呼ぶ」
定義Gとゲーデルの不完全性定理から次の定理が導き出される。
ゲーデルの最終定理「神は存在しない」
うぉぉぉ!なんてエレガントな解答だ。たった三行ですぞ!
完全性定理、不完全性定理、カントールの連続体仮説の無矛盾性、アインシュタインの宇宙方程式の解、
そして神の存在証明と
ゲーデルの全仕事をパズルや小説を例に出して判り易く解説した良書。
死刑囚のパラドックスは現在の数学会では抜き打ちテストのパラドックスと呼ばれているみたいざんす。
新ネタとしては、アラン・チューリングの人間機械論+不完全性定理とか
ワクワクする新ネタも満載でおま!
全ての次元の全ての宇宙の知的生命体必読の書。




