講談社
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カスタマーレビュー ![]()
「ワンダフルライフ」後の研究成果が面白かった
(2008-02-28)
読み方としては「ワンダフルライフ(以下WL)」を読んで、カンブリア紀の奇妙な生命の
名前と形と解剖学的解釈に慣れてから、この本を読むのが良いと思います。
ですが紙幅は本書の方がずっと少ないので、入門書的にこちらを読んでWLに進むのも
良いかもしれません。
さて、著者のサイモン・コンウェイ モリスはWLの主要登場研究者の一人であり、この書
は彼のWL後の研究成果について多くを割いております。事前にWLを読んでいれば、
「あの生命体はこんなふうに考えられるようになったんだ」とか「あそこで新たにこんな
化石が出たんだ」といった感想がもてる内容となっていると思います。
またフィールドで標本を収集する様子も描かれており、研究室外での古生物学者の活動
の一部を知る事ができます。
カンブリア紀の生命は、現代の海にはいないものばかりで、いてもとてもマイナーな
存在だったりします。こんな奇妙なカンブリア紀の生命について興味がある方にお薦め
の一冊です。
古代のロマン
(2007-04-06)
実におもしろい1冊です。カンブリア紀になぜこんなにおもしろい生命体が現れたのか私には分かりませんが、とにかく図や写真も楽しめます。こんな時代に生きていたらきっと楽しいだろうなと思います。
カンブリア爆発を書物として楽しみたいなら・・・
(2006-12-05)
ほかの方も書かれていますが,グールドの『ワンダフル・ライフ』と対になる本にはちがいありません。
二人のバージェス頁岩動物群に対する姿勢としては,グールドがこの奇妙奇天烈動物を“宣伝・普及”したのに対し,モリスはまごうことなき「研究者」。バージェス頁岩動物群の研究者を5人挙げるとしたら?・・・おそらく,高い確率で選ばれるであろう人物がこの本の著者モリスです。
そんな研究者の視点から書かれたこの本は,個人的には『ワンダフル・ライフ』よりもおすすめです。書物としてカンブリア爆発そのものを楽しみたいのであれば,ぜひ,ご一読を。ちなみに古生物の基礎知識などはほとんど必要なく,気軽に楽しめます。
バージェス頁岩の意味するものは
(2006-10-01)
本書はカンブリア紀に爆発的に増大した種(生物)について、"バージェス頁岩"を中心に発掘された化石を基に考察したもの。豊富な写真やイラストで当時の生物の姿が楽しめる。増大の謎は、リンの増加等考えられる要因はあるものの結局は良く分からないと素直に述べる。
前述の"バージェス頁岩"に関しては、グールドが著名な「ワンダフル・ライフ」を執筆する基になったことでも有名。その中でグールドは以下のような事を述べている。
(1) カンブリア紀の信じられない程色々なタイプの動物は、ある新奇な進化のメカニズムによってのみ誕生し得た。
(2) 動物のタイプの幅(異質性)はカンブリア紀に極大に達し、現在に向かっては減って来ている。
(3) もし歴史をカンブリア紀に戻したら、世界は今と同じになっていただろうか ?
(個人的な言葉で言うと、遺伝子レベルの変異と自然淘汰だけでは、全ての進化は説明できない)
著者はグールドの意見には異を唱える。まず、現在の種でも、驚く程の多様性がある事を言う((1), (2)への反論)。そして、ある一定の範囲内では、進化プロセスの結果は予測可能だと述べる。その根拠は"収斂"という概念である((3)への反論)。
カンブリア紀の大爆発を始め、生物の進化には未解明の部分が多い。本書は平易な文章と丁寧な解説で初心者にも分かりやすくできており、進化に興味のある人にとって好適の書。
ちょっと平板な記述
(2006-09-28)
カンブリア期の生物の大爆発をめぐっては大きな謎がある。なぜこの時期に多様な生物が地質学的には一瞬とも言える時間に現れるのだろうか、というものです。この謎自体はともかく、本書はどのような生物が存在したのか、という記述的な側面に重きをおいたものです。
しかし、本書の記述よりは、挿絵を多く導入した書籍のほうがはるかに面白く奇妙な動物たちのことがわかるように思います。動物の記述的な部分が長くて、理論はほとんどないので、進化論に興味のある人には向かないでしょう。また、この時期の動物群についてはスティーブン・J・グールドによる別の解説書である「ワンダフル・ライフ」があるので、そっちのほうが記述が面白いでしょう。




