岩波書店
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カスタマーレビュー ![]()
誤解に基づく本
(2007-01-30)
どこも平凡で面白くない本だが、それだけでなく著者は肝心の「共通感覚」の意味を完全に誤解していたらしい。その後、専門家によって訂正がなされているので、簡単には、例えば、田島正樹『読む哲学事典』の「共通感覚と感覚質」の項目を読んでみるとよい。その後、ぜひ、アリストテレスの原典にあたって確かめいただきたい。ただに誤解であるというだけでなく、正しい解釈の方がずっと興味深い世界観を与えてくれるのがわかる。
『名著』
(2006-01-24)
中村哲学の持つオーソドックスさについては、小生のレヴュー『哲学の現在』において触れたが、それが非常に表れ、生かされているのが本書ではなかろうか。そしてこの共通感覚という場(トポス)の再発見と、現代においての再解釈とは、氏の中心的テーマの一つであるとともに、とりわけ、昨今において重大な意味を帯びてきていないだろうか。
さて本書において、氏は自由に飛ぶ鳥のごとく、哲学とその周囲の知見はもちろん、精神医学、生理学、芸術作品、果ては児童文学などまでをも用いて共通感覚について述べている。実に説得力豊かだ。ぜひ入手して検討して欲しい。文体が他の哲学者と比較して、やわらかいのも魅力だ。もし、「読みたいが入手が…」という方は、先に示した『哲学の現在』にも主張がまとめられている。
オリジナリティは確かに大切だ。しかし忘れられていた概念や作品を発掘することも、もっと大事にされてよい。そうでなければ、ショーペンハウアーはいまだ忘却の淵に沈み、バッハの作品もきっとほこりをかぶりつづけていることになる。それはちょっともったいない。
ともかく、内容、文体、意義、全部ひっくるめて、太鼓判。
常識ってなあにと、一度でも思った事のある方へ
(2004-07-18)
もう20年程まえ、80年代に著者が「魔女ランダ考」等で、一躍注目を
あびたころにはじめてよみました。
今回、文庫化を機に再読してみました。
誰もが使っていながら由緒不明な「常識」について論を起こし、
センススコムニス、共通感覚と西洋哲学史に流れるベース音を丁寧に
拾い上げ跡付けていきます。そういう意味では、ある種の西洋哲学史
としてもよめます。修辞論やトポス論など、多彩なトピックスも交え
ながら、視覚優位になってしまった認識の基底へと静かに遡行してい
く様は、さながら哲学版「ミクロの決死圏」。
西洋哲学のタームに則りながらも、まぎれもなく日本人らしい観点を
感じさせ、テーマは違えど、九鬼の「いきの構造」にも比される優れた
論考だと思います。
僕の人生を変えた本
(2004-02-14)
常識をもっと、感覚的な面から探ったもので、アリストテレスらの共通感覚論
を再発見した傑作であると思う。中村雄二郎の思想がもっともっと評価されてもいいころだとおもう。
近年、常識というものを捉えなおすということを認知科学などでやられているが、共通感覚論をもう一度読み直してみるとよい。70年代最後に初めて出版されて結構たっているがその新鮮さは失われない。それは恐らく「常識」という問題が今もって解決していないということだ。養老孟司の「バカの壁」でも常識というものが結局問題となっていた。
また著者の今後の思想、臨床の知や汎リズム論への発展するもとにもなっていて色んなアイディアが散りばめられているいて読み直しても飽きない。




