岩波書店
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発売日:2008-01
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カスタマーレビュー ![]()
アメリカン・ナイトメアー(悪夢)のレポート
(2008-07-24)
若い頃、アメリカは憧れの国だった。今でも憧れている部分はあるが、年齢を重ねてジックリのアメリカの姿を見ているとその現実や事実に驚く。その中でも本書のレポートは衝撃的である。貧困格差、貧乏人は死を待つしかないようも感じる詐欺のような保険医療制度、貧困者の弱みに付け込んだ軍への入隊勧誘。アメリカの悪意の塊は、将来の日本にも起こりうると思うし、一部の事実は現在の日本にも存在する。自由であり、民主主義的であり、資本主義でありことを否定しようとは思わないが、どんな事でも「過ぎたるは及ばざるが如しという」格言の通りである。アメリカに限らず人間はお金という自分たちの作り出した発明品に溺れているだけのようだ。しかし色々な問題の根源が結局金に行き着くアメリカや資本主義社会の不幸感や理不尽さが空しいほど伝わってくる渾身のレポートである。私は2回読みましたが、本当にお勧めです。
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経済システムに組み込まれた貧困
(2008-07-19)
貧困層は、国家に単に見捨てられた人々の階層ではない。いまや現在のアメリカ経済を支える仕組みに取り込まれている。低賃金労働者がいなければサービス業、基本インフラは成り立たない。戦場に向かい自らの命を危険にさらす若者がいなければ、戦争ビジネスは成り立たない。新自由主義者たちは、これらを維持する労働力を提供する低賃金労働者層=貧困層を解消するわけにはいかない。
発展途上国には、bonded labor (借金労働者)なるものがある("Disposable People: New Slavery in the Global Economy" by Kevin Bales)。要するに経済的弱者を借金漬けにして逃げられないようにし、死ぬまで働かせる奴隷である。これは、一家ごと奴隷にされ、子どもたちも永遠に消えることのない借金により、奴隷として働かされる。これとまったく同じことを、「文明国」アメリカはよりスマートに実行する。いや、アメリカを代表とする「新自由主義国家」というべきか。日本でもじわじわと現実化されつつある悪夢である。
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日本の今後への警鐘
(2008-07-18)
衝撃的な作品でした。
このままだと、アメリカと言う国が潰れてしまうのではないか、そして、それに追随する日本も壊滅的な打撃を受けるのではないかと言う、大きな危惧を抱く結果となりました。
「教育」「医療」「災害対策・救助」そして「軍隊」と、すべての分野で「民営化」を進めたアメリカ。
その結果は、どう贔屓目に見ても失敗だろう。それどころか、今後に大きな悔いを残す悲惨な状況に突入しようとしているように思えてしまいます。
“アメリカン・ドリーム”と言う言葉は、もう死語になってしまうのでしょうか?
怖いのは、これがアメリカ一国の話で済まず、グローバル化された市場の中で、世界中に「輸出」されることです。
その筆頭が残念ながら日本です。
アメリカにならって民営化を進めてきた日本が、この先アメリカに習って、政府の主要業務である「教育」「いのち」「暮らし」への責任をも放棄し「民営化」を進めれば、アメリカと同様格差と貧困の問題が発生してしまうでしょう。
このレポートで鳴らされている警鐘に耳を傾け、このあたりで日本の独自路線に切り替えることが是非必要であると、思い知らされた素晴らしい作品です。
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市場原理主義の支持者は誰?
(2008-07-09)
何か世界が変だなぁと思っている人は多いと思う。
例えば「企業価値を高める経営責任」とか言う。
その企業価値とは、顧客、従業員、地域社会そして株主にとってのバランスの取れた企業価値かと言えばそうではなくて、要するに単に株価を上げろと言うのだ。
行き過ぎた資本主義・市場主義が今や世界を我が物顔に席巻している。
サブプライムローン破綻があらわになった今も、その勢いは減速するどころか企業年金基金でさえ石油先物に投資(投機)し年金基金の保有者の首を絞めている。
本書は、世界にどのように歪が広がっているかをルポし、そして何がそうさせているのかを決して押し付けがましくなく説明している。
問題の大きさに比べると、むしろ控えめである。
繰り返して説かれているのは、何が起きているのかを我々は先ずしっかり知ることだと言う。
市民社会をずたずたにする元凶はヒットラーのような独裁者ではなく、我々が日々の生活に埋没する余り、この世界で最も力を持っている「マネー」が喧伝する市場原理主義のスローガンに惑わされる現代市民社会の脆弱さだと指摘しているのだと思う。
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国が目指す方向はどちらなのか。
(2008-07-08)
今のアメリカが抱える問題、格差拡大。これは日本でも同様の問題として取り上げられている。福祉の問題など複雑に絡み合っているが、日本には軍隊がなく、アメリカには軍隊がある。日本は戦争をしてないが、アメリカは戦争をしている。
最下層の人々はやはり「いのち」をかけて生活をするということを強いられ、それは結果として戦争に赴くことになるのだという。戦争のない日本では考えられないが、アメリカではそれが現実だという。
この本に書かれていることがすべてではないと思うが、国がシステムとして最終的に戦地に兵士を送り込むことを目的とした場合、福祉などの国のインフラを整備しなければ、最下層の人々は入隊し、戦地に行くという流れになってしまっている。本当のことかどうかはわからないが、日本でも進む格差社会の最終形は、最下層が「いのち」をかけて生活をする環境に行きつくのかもしれないと思うと、政治にもっと興味を持たなければならないのではないかと思った。
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