岩波書店
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形而上学の理解のむずかしさ
(2007-12-18)
解説を読んで、この本の難しさを感じた。
部分部分に分かれ。概要・問題提議・答えが散らばった為、読み返さないといけない。
それでも、イデア批判を弁論証を駆使し、作られた文章は、隙がなく、アリストテレスのすばらしさを感じた。
人間の根本に問題提起し、それを見事に答えを出す明快さを感じずにはいられない。
事物規定
(2005-11-22)
上巻にありますが「物事は多くの意味である(または存在する)と言われるが、そう言われるすべてのあるもの(存在)は、或る一つの原理との関係において存在と言われるのである」そのスタンスは、ずっと根底に続いて貫かれています。プロタゴラスの「人間は万物の尺度である」という言葉に対しても批判的に「常に尺度は(この尺度で測られる事物と)同種的である」と述べています。「一つであること」=不可分割的であるがゆえに、基体(客観事物)尺度は同じでなければならない、認識された者は認識する者が、感覚された者は感覚する者が、それを尺度として考える以外に術はないと、そこに世界観の規定を見たように思います。
「働きは終りであり、そして現実態は働きである。だからまた現実態という語も、働きという語から派生し完全現実態を目指しているのである」この生成過程は、物事の属性という観点とは別にして、興味深いものだと感じました。私たち人間は否応なく自然とつながれています。
フィシス(自然)(勝手に私が上巻でまとめたもの)
(1)生長する事物の生成
(2)事物がそれから生長し始める第一のそれ
(3)自然的存在の第一の内在的始動因
(4)自然的諸存在の根源的質料
(5)自然的諸存在の実体
(6)実体が自然
この昔の自然観のなかにおいては、これらの諸定義も、存在・実在を考えるうえでの「働き」(=生成・消滅)に影響を及ぼしているのではないかと思います。
信頼性の高い「形而上学」の邦訳(下)
(2004-07-01)
この出隆氏の「形而上学」の訳業は正確な翻訳として学会でも評価が高い(ただし決して読みやすいという意味ではないが…)。訳者注がかなりのページを占め、事項索引、固有名索引なども備えられて、とても親切である。アリストテレス哲学が後世に与えた影響は計りしれない。西欧中世のスコラ哲学もそうだし、イスラーム圏でも神学確立にアリストテレスが熱心に研究された。近世でもヘーゲル哲学、マルクス主義において決定的な弁証法的思考をこの信頼性の高い邦訳を通して原典から学ぶのは決して意義のないことではないと思う。
学問としての哲学の基本形
(2003-12-31)
今まで、アリストテレスを読まずに、現代の西洋哲学や日本の哲学を色々と見てきて、初めて『形而上学』を読んで、正直驚いた。今、哲学と呼ばれるものの全ての原形がここに含まれているのである。「全ての出発点はここにあったのか!」という発見の驚きと喜びがあった。それは初めてカントを読んだときの感動にも通ずるものがある。哲学のオリジンはギリシャ哲学にあり、現代の哲学はあーだこーだ言いながらそれをこねくりまわしているだけなのかも。




