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多機能orコンパクト タイプで選ぶ 抱っこひも特集:ベルーナたまひよの内祝い

アイテム詳細

John Milton
平井 正穂

岩波書店

グループ:Book

ランキング:4631

価格:¥ 840

発売日:1981-01

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カスタマーレビュー

あらゆる意味でヨーロッパの古典なのですがー  (2008-06-10)
“失楽園”は私にとって読みにくい作品でした。 聖書には簡潔に記されている天界の戦い、天地創造、アダムとイヴの楽園からの追放が叙事詩として書かれているのですが、上巻の大戦争などは、サタン以外の大天使たちは皆“造物主たるあのお方に逆らったお前が100%悪いのだから”と、完全に絶対正義の側にある、こちらが共感をよせられないロボット的性格で、そういう人物たちの繰り広げる戦争絵巻に私は興奮することが出来ません。 まったく痛みの伝わってこないハリウッドのCG大作を見ているような気がするのです。 

この作品で感情移入出来るのはむしろサタンの方なので、これは筋金入りのクリスチャンが読んでも奇妙な齟齬を感じるのではないでしょうか? 他のレビュアーの方々も口をそろえて“一敗地にまみれたからといってそれどうだというのだ!?”というサタンの台詞に感動していますが、クリスチャンにとってサタンとは感動すべき存在なのでしょうかー? キリスト教の本でありながら、それと何の関係も無い古代ギリシャの神々の名が随分出てきますし、天界の大戦争もむしろギリシャ神話的で、この辺、なにか奇妙な分裂を感じさせます。 やっと佳境に入ってくるのは第9巻以降で、特にアダムとイブの罪のなすり付け合いなどはすごいです。 他にもキリスト教の本質にまつわるミルトン自身の熱い信念がかいま見られます。 ただし、そこに述べられている事(肉欲に溺れてはならないとか、神の摂理に逆らってはならない、など)は、キリスト教徒の専売特許ではないはずだと私は思います。  

結局、古代ギリシャ世界、聖書の世界、すでに分裂してしまった近代人の心(サタンを前半の主役にしていることからしてもそれは明らかです)を全て含んだ、まさに正統派近代ヨーロッパ文学の古典なのですが、やはりキリスト教文学と世界文学(人種や宗教を超えて、あらゆる人間にアピールできる)の中間点にある作品なのでは?と私自身は感じました。 

日本語訳(というか研究)がすばらしい。天使と天使の力のぶつかり合いが一番おもしろかった。  (2007-12-09)
非常に評価が高いのは、読んでみてわかるが、まず日本語訳がすばらしい。というか、ただの訳者ではなく、あきらかに研究者である。本の5分の1程度の頁が、訳注にあてられており、聖書との関連性をはじめ作者の意図を読み込んだ訳作りがありありとわかる。

僕は普段あまり難しい本は読まないのだけれど、この本については、少しのがんばり程度でよめる。なぜ「少しのがんばり」かというと、「詩」であるので、ものすごい技巧的な表現が多い。とても普段使わないような修飾語が多く、それをじっくり味わうつもりで読まなければ、この本の真価はわからない。

そういう意味で、自分がこの作品に5つ星をつけるのはあまりにおこがましいので、4つ星にさせていただいた。

この作品は、1600年台なので、もちろん聖書がかかれた年代から考えれば、その創世記に新たな息を吹き込んだその試みは、現代で聖書をとりあげるのとそんなにかわらないのではないか。特に面白かったのは、ミルトンはガリレオと交流があったようで、その影響か、アダムと天使の会話に、天体の話がでてくるところだ。天動説か地動説かはっきりとは書いていないけれど、要するに、神が設計した宇宙の神秘を、愚かにも人間が解き明かそうなどと考えず、神が人間に期待したように信仰にいきるのが大切だという主旨になっている。

また、上巻の善と悪の天使軍団の戦いは、日本語が超一流なので、まるで舞台か映画をみているようだ。天使が力と力でガチンコ勝負するなんていままで考えたこともなかった。漫画デビルマンの最期をつい思い起こしてしまう。というか、永井豪さん、絶対これ、よんでると思う。

もひとつ面白かったのは、アダムとイブが禁断の果実を食べた後、仲がよかった二人が、責任転嫁をし合うくだり。想像力豊かな聖書からの肉付けが楽しめる。

生きる勇気を与えてくれる  (2007-07-31)
「一敗地に塗れたからといって、それがどうだというのだ?すべてが失われたわけではない」
そう喝破する盟主サタンに生きる勇気を与えて貰いました。
一敗地に塗れたら立ち上がるのさえままらないのに、完膚無きまで負けたサタンの何という雄々しさ!
その反面反乱を悔やんだり人間に対し愛憎入り交じる想いを吐露するその姿には、万人が共感を覚えると思います。
作者ミルトンは目を病みしかも政権争いに巻き込まれ失墜したのに朗々と神の栄光を讃える本書は生涯のうちに一度は読んで欲しいと思っています。
人間の善性を信じるというのはこういうことなんでしょうね。
惜しむべきは、ミルトンがサタンとルシファーを同一人物(同一魔王?)と書いてしまったため後世に置いてまでこの2人が混同されいることです。

ヒロイックファンタジー。  (2007-05-18)
初めて読んだ時は難しいのかな?と構えていましたが、文体が簡潔かつ美しく、スイスイと読み進められました。こんな読みやすい邦訳の古典は余りないと思います。
小難しく考えずに、男前堕天使サタン様の活躍を応援しつつファンタジー感覚で読んでみては?
因みにストーリーの面白さ、という点に置いては上巻が断然勝っています。
今後ますます認知度が高まるかもしれません。

驚きの壮観さ  (2007-02-10)
想像してみてください、神と天使が大軍勢になって
同じく天使の大軍勢を天から地の底まで追い落として行くその壮観さ。
戦いの天使ミカエルの剣を、火となって燃えて落ちゆくルシファーが受ける。
これをはじめて読んだときには、そのダイナミックな光景に
手に汗を握りました。
地獄のものとなったルシファたちの怒りと恨みの炎にも
天使たちの大胆さと神々しさにも目を見張る上巻です。
下巻では地獄に落とされたルシファー(サタン)が蛇になって
神の最も愛する最初の人間アダムとイブに
復讐を企てる有名な物語が綴られますが
上巻と違って人間の情けなさ卑屈さを感じずにはいられません。
流れるような文体と、堂々たるストーリー。
古典名作中の名作でしょう。

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