岩波書店
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発売日:2005-05-27
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白人的価値観を模倣する日本のアフリカ黒人観
(2005-08-29)
アフリカ黒人がポルトガル人に伴われ、初めて日本にやってきたのは安土桃山時代。初めて黒人を見た日本人は、自分達と違う肌の色、生き物に、単純に、先入観なしに“驚き喜んだ”。それこそ同時代に日本にお目見えした“象”と同じように... そこに侮蔑の感情があったかどうかは定かではないと著者は言う。
江戸、明治と時が経るに連れ、日本人のアフリカ黒人観は白人的価値観に染まっていく。そして、日清、日露戦争での勝利を境に、それは固定されたものになっていく。つまり、“列強の一員となった”日本は支配される側ではなく、支配する側、強者の立場で「アフリカ」を、「黒人」を、捕らえるようになっていくのだ。
著者は、あとがきで、アフリカに深く関心を持ったきっかけとして“知の欧米偏重に対する怒り”を挙げている。とても共感する部分だ。グローバリズムの進行する現代においては、意識的に弱者、マイノリティの視点を持つことが重要だと思う。大体、日本人ったって、そんなに偉そうなものかって思う。
本書は、ローマ・東京五輪のマラソンメダリスト・アベベに結実するエチオピア・ブーム、ターザンブームから「少年ケニア」といった戦後のカルチャー、メディアにおけるアフリカ・イメージといったあたりで終わっているが、近年、その身体能力、リズム感でスポーツ、音楽ジャンルで活躍するアフリカ黒人達には、あらたなイメージ、価値観が創出されていると思うし、そういう意味での続編を読んでみたい。もちろん、奴隷貿易、植民地化の後遺症とも言うべき南北問題、貧困、飢餓、伝染病、民族紛争、内戦、こども兵士...といった数え切れない現実のネガティブな問題にも目を向け続けていきたいと思う。




