岩波書店
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価格:¥ 3,360
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発売日:2001-02
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今・なぜ・中世か?
(2008-01-28)
中世哲学の入門書として最良の本です。
純粋な魂の希求、無垢や潔癖性をコミュニケーションに求める現象の背後には、身体感覚の欠如による過激な暴力が共存する。著者は今の時代のグノーシス主義(天使主義)に警鐘を鳴らしながら、中世哲学を通して悪しき天使主義からの救済を試みます。リアリティはどこに存在するのか?他者とのコミュニケーションの不可能性は?
話の運び方がスリリング、かつ面白く、読者は思わず中世哲学の世界に引き込まれていきます、哲学門外漢でも分かりやすく読める内容です。
最近、再販された同じ著者の「普遍論争」では唯名論と実在論の対立について根気良く丁寧に解説されてますが、その前に読むとさらに理解が深まると思います
アンチ・グノーシスの人間論
(2005-03-10)
肉体なき知性体たる天使に憧れ,透明なコミュニケーションに憧れるような考えの根を見つめ,論じようとする本だ。
透明性に憧れるのは,肉体への罪意識によるとともに,怠惰であることにもよる。人間同士のコミュニケーションは,分かり合えると同時に分かり合えない。この状態を,繊細さをもってよりよく維持していくところに,生きることの妙味はあるのだが,これはロープのうえでバランスをとりつつ歩むようなもので,めんどくさくもある。だから,天使のような透明なコミュニケーションか,所詮は分かり合えないという諦念に,飛び降りて楽になりたい。
著者は生きることを生滅の相でみることと,そこでの「媒介」の役割に着目することによって,不断にバランスを回復し,生きる妙味を味わいつづけようと考える。人間同士は,べったりと一つなのでもないし,切り離されているのでもない。われわれ一人一人の人間は,媒介にあって一つであり,媒介を通じて個人として生成し,媒介を通じてコミュニケートする。著者はイエス・キリストを哲学的に考えようとしているのだ(媒介を伝統と解せば西部さんの保守思想になる)。
キリスト教で神の御言葉であるイエスは,神と人間の仲介者(媒介)とされる。純霊たる神と人間を仲介するためには,イエス(御言葉)は受肉し,神であるとともに人間でもあるものとなる必要があった。われわれ人間は,御言葉を通じて成ったものであり,「主(御言葉)にあってわれらは一つ」である。
ただし著者の媒介についての考察は,「初めに御言葉ありき」の御言葉までで,受肉には及ばない。しかし本書4章でも「肉体の現象学」を論じているのだから,5〜6章で媒介を論じたあとで,もう一度肉体に戻って媒介の受肉論を語ってほしかった。楽しく刺激的な好著にたいする,ないものねだりかもしれない。おすすめ品です。
言葉の美しさ
(2003-10-11)
本を手に取って頂きたい。
そして「言葉の美しさ」を味わって欲しい。
本書は難解だが、「言葉」自体そして「思想」に
酔ってしまった読者は私だけでは無いはずだ。




