岩波書店
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価格:¥ 5,040
ポイント:50 pt
発売日:2005-11-26
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カスタマーレビュー ![]()
予想を遥かに上回る出来。入門者にもお薦め。編者らの労苦を思えば価格も…
(2005-12-17)
佐藤氏が《岩波版新約聖書》の共観福音書訳文が共観表の作成を念頭になされていると事実上本書の刊行予告をされて7年が過ぎた。
この間、岩波訳の中心だった荒井氏を編者とする新共同訳ベースの『四福音書対観表』が出版された時には本書は「幻」に終わるかとも思った。需要が多いとは思えないからである。
が、ようやく出版されたものは期待を遥かに上回る素晴しいものだった。特徴は本書の序文に詳しい通りに記すと、1)「トマス福音書」を含む五書共観表であること(最近の文献を見る為には不可欠)、2)徹底的に原文に忠実たらんとする岩波訳によるもので(協会訳でまともな共観表が出来るとは思えない)、最後にこれが愚生が予想だにしなかったユニークな点なのだが、3)"彩色"共観表であること。
つまり、原文のギリシア語と日本語では言語構造がまったく違う。訳文だけでは細かい差が表せない箇所が多々ある。それらも含め一致する部分を"彩色"で示している。
最初に手にしたときには若い方が使うカラー・マーカーで塗りたくられた様でびっくりしたのだが、7頁ほどの凡例を注意深く読み、本文を読み進めばすぐに色遣いの好みは別にして非常に優れたアイディアと判る。
また共観表は専門家向けだと思っていたが、全く苦にならぬ邦語訳の本書を見てこれは専門家に必須であると共にある意味で最高の入門書でもあると思った。
つまり、イエスという一人の人物を福音書記者たちが時に同じ目で、または違う視線で描いている聖書の持つ共通性と多様性を示してくれ、読みを深めることでその興味はますます深まることになる。
最後にふと思ったことをひとつ。本書で3福音書が完全に一致する部分(「マルコ」起源)を示す灰青色はAland編の原語版(素人のくせに持っている)の装丁色に近く、マタイ・ルカのみ一致の部分(「二資料説」の「Q」起源)の色は…。偶然にしては出来過ぎ?
でも世界的に類例のない傑作だ。




